「平野歯科通信 温故知新」 大牟田の歯科医師の日記

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合鴨の放射能汚染問題

2011-09-01 15:02:48 | 日記

 最近の外国映画で日本の合鴨農法が紹介されています。

この合鴨農法は地球を大切にした結果生まれました。

普通の稲作の1.5倍も長く生育するこの農法は農薬を全く使うことなく稲に群がる虫をすべて合鴨に食べさせて成り立っています。

今、世界で最も美しくも想像的な農法を開発した日本(福岡県飯塚市)から合鴨が放射能汚染により存続の危機に陥ろうとしています。

この責任はだれが取るのか?

以下友人からのメールを添付いたします。

 

2011/08/16

水田放飼における合鴨の放射能汚染に対する見解

全国合鴨水稲会世話人会

 

20113月,東日本大震災時に起きた東京電力福島第一原子力発電所の事故は,大量の放射性物質(ヨウ素131,セシウム137など)を大気中に撒き散らし,広い範囲で水や土壌を汚染しています.最近では,放射性物質による米の汚染や牛に対する汚染稲わらの給与がニュースで取り上げられ,農産物の出荷が停止されている地域もあります.こうした中,東北や北関東では水田に放した合鴨の出荷停止を行政が指示する動きもみられます.

そこで,今回の合鴨への放射能汚染の懸念に対する世話人会の見解を急ぎ取りまとめましたので,今後の対応を検討していく上での参考にして頂ければ幸いです.

 

1.基本的視点

1) 自然と人間の関係

 人間は,土,水,太陽エネルギー,大気など自然からの恵みを受けながら,作物や家畜などの命を育み,それらの命を頂きながら生きてきました.自然は私たちに数々の恩恵を与えてくれる一方で,地震や台風などの災害ももたらします.先人たちは,自然の恵みに感謝すると共に自然を畏怖し,日々つつましく暮らしてきました.戦後の高度経済成長以降,自然と人間の関係が大きく変わってきたことは周知のことです.私たちが生きていく上で不可欠な農と食は,清らかで豊かな自然があってこそ成り立つものです.今回の原発事故で広範な地域の自然環境とそこに住む多くの人びとの生活が大きな脅威にさらされていることは,そのことを如実に表しています.

2) 合鴨農法

 合鴨農法は,農業の近代化が進められる中で,大きく歪んでいった自然と人間との関わりを根底から問い直す中で生み出されてきました.それは,近代農業では悪者扱いされる害虫や雑草を資源(合鴨のエサ)として捉え,水田という限られた空間の中で合鴨肉と米を同時に生産するという発想の転換の中から生まれた「百姓の技術」と言えます.20年以上におよぶ私たち合鴨農家の取組みは,環境と人々の暮らしを守る農法,新しい暮し方のモデルとして広く認知されてきました.近年,鳥インフルエンザ問題などの逆風もありますが,私たちは自分たちの農法に自信と誇りを持ち,米や合鴨を育ててきました.

3) 福島原発の事故

今回の原発事故では,マグニチュード9.0の大地震により発生した巨大津波が福島第一原子力発電所を襲い,大量の放射性物質が自然界に放出されました.当初,政府や東京電力は事故を過小評価していましたが,実際にはチェリノブイリの原発事故に匹敵するものでした.そして今なお,原子炉の冷却は完了せず,肝心の原子炉と核燃料がどのような状態か不明のまま冷却水の投入が行われ,大量の汚染水が発生しています.さらに,汚染水を処理するシステムはトラブル続きであり,さらなる放射性物質の漏出の危険性が懸念されています.今回の福島原発の事故では“想定を超えた”津波が事故を引き起こしたとよく言われます.本来,自然によって活かされている私たちがそのあり様を想定するなど不可能であり,まさに人間の驕りと言っても過言ではありません.使用済み燃料の処理が未解決であるように原発は未完成の技術です.そして,今回の原発事故は“天災”ではなく,原子力に依存したエネルギー政策を推進してきた東京電力と政府,さらには大多数の国民の原子力政策への理解不足による“人災”と言えます.

4) 放射性物質による健康被害

 今回の事故で自然界に放出された主な放射性物質はヨウ素131,セシウム137,ストロンチウム90であり,揮発性が高いヨウ素131とセシウム137が原発から遠く離れた場所まで飛散しています.放射性物質が恐ろしいのは,人間に見えない放射線を出し,これが身体の外側から(外部被曝),そして食べ物などを通して身体の内側から(内部被曝)私たちに害を及ぼす点にあります.この放射線は人間のDNAを破壊し,がんや白血病を引き起こすことが知られています.そして,忘れてならないことは,被曝による発病の危険性は大人よりも細胞分裂の活発な胎児・幼児・子供たちの方が高いことです.

5) 放射性物質による農産物汚染

 セシウム137を含む稲わらを食べた牛の肉が出回った問題は,ニュース等で大きく報道され,本来は被害者であるべき畜産農家が加害者扱いされています.さらには,東北地方や関東ではこれから収穫される米の検査も実施されます.問題となっているセシウム137の半減期(放射性物質を出す能力が半分になる期間)は30年と言われ,8日で半減するヨウ素131に比べ長期間にわたって自然界に残存します.さらに,セシウム137は水にも溶け,動植物の生存に不可欠なカリウム(K)と構造が似ているため,根から植物体が吸収し,それを食べた動物の体内(筋肉や生殖器)に蓄積されていきます.今回の事故では,海にも大量の放射能汚染水が流出しています.これらのことから放射性物質による汚染は米や牛肉にとどまらず,広範囲の農産物や海産物にまで及んでいることが十分に考えられます.そして,食物連鎖の中で“生物濃縮”された放射性物質の最終的な行き先は…人間なのです.

今,私たちがすべきことは,今回の事故の原因の究明と共に政府や東京電力の責任を厳しく追及し,事故による被害の補償を求めていくことであり,それと同時に福島原発からこれ以上の放射能漏れを防ぐために国民の英知を結集することだと思います.

 

2.今後の対応について

 水田に放した合鴨への放射性物質による汚染の可能性は残念ながらゼロとは言えません.その上で,行政からの指導に対しては以下のような対応が考えられます.

1)  水田への合鴨放飼

 鳥インフルエンザの経験からすれば,行政から合鴨の水田放飼の自粛を要請されるかもしれません.これに対しては,合理的根拠もないのに自粛する必要はありません.水田の放射性物質による汚染の有無が米の検査により明らかになると思います.汚染されていない場合は,合鴨農法を断念する必要はありません.

2)  合鴨が汚染されていた場合

合鴨の検査費用・処分費用の負担,そして処分作業は全て東京電力と政府が行い,処分した合鴨や米の代価も東京電力が賠償するよう強く要求しましょう.そのために,領収書や作業日誌など証拠書類を確保しておきましょう.

3)  合鴨の出荷停止要請が依頼された場合

まず合鴨肉の検査を行政に要請してください.もし放射性物質を検出したらという心配があるかもしれません.しかし,うやむやに,そして行政に言われるままに,合鴨を一律処分するのではなく,汚染の有無を確かめるべきです.汚染されていない合鴨まで処分する必要はありません(汚染されていた場合は,当然相応な被害請求をすべきです).そして,最も大切なことは“隠し事”をしないというこれまでの合鴨水稲会の姿勢を貫くことです.

4)近隣の仲間,県の組織とも連絡・連携を取り合って対応していきましょう.

 

原発事故による被害はまだ広がり続けており,未だ全体像はつかめていませんが,おそらく長期的,かつ甚大なものになるであろうことは想像に難くありません.全国合鴨水稲会としても,この問題を全国合鴨フォーラムや合鴨通信の中で取り上げ,情報発信していきます.そして,今後、合理的根拠もなく,一方的に水田への合鴨放飼の中止や自粛要請などが求められるような事態が生じた際には,消費者とともに立ち上がり,多くの人々の理解を得られるよう対処します


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