★星空日記コリメート風goo★

星や旅などの話題を「ひらい」が札幌から発信。2010年開設。2022年7月にteacupからgooへ引越しました。

昼間の金星を裸眼で探すための補助具(その1)

2023-05-17 06:00:00 | 観察器材の記事
 夕方の西空あるいは明け方の東空で輝く金星は、時々UFOと間違える人がいるくらい明るく輝きます。金星は昼間でも裸眼で見える場合があり、私の体験上、マイナス4.2等級よりも明るくなると日中でも慎重に探せば裸眼で見えるようです。

 しかし、昼間の眩しい青空の中にポツンと淡く光る金星を裸眼で探すのは、結構難しくコツが必要です。

 2023年春の空だと、青空が暗くなりつつある日没の少し前から徐々に金星が西空で目立ち始めますが、日没の1時間以上も前だと金星を見つけるのは至難のワザです。目をキョロキョロさせ広範囲に探しても、金星が見つからず徒労に終わります。


 私の自宅居間は2階の西向きで、2023年5月から7月ごろまでは日没前の金星を裸眼で探すのに、電線や電柱がいい目印です。
 日没の1時間ぐらい前であっても電線が目安となって金星の位置が推測できるので、「金星、見っけー!」と楽しんでいます。

 赤道儀式望遠鏡であれば、赤経と赤緯の目盛環で比較的簡単に昼間の金星を探し出せます。しかし、望遠鏡も電線などの目印もない場合を想定し、裸眼で昼間の金星を見つけやすくするための簡易的な補助具を作ってみました。


 まず、最初に作ったのが、写真三脚雲台を赤道儀に見立てた補助具です。市販されているアルミパイプを切断し、チューインガム「キシリトール」のプラスチック容器上に固定。パイプ後方から覗いて金星を探そうという魂胆です。
 プラスチック容器に厚紙を巻きつけ、時角目盛1時間がマスキングテープ10mmの長さにしてあります。蓋の開け閉め角度が赤緯の変化に対応する構造です。
 しかし、①雲台の傾きを札幌の緯度43度に合わせ北へ傾ける、②金星の時角合わせ、③金星の赤緯合わせ、といった調整要素が3要素もあるので、せっかく作りましたが使いにくいので却下。


 次に作ったのが、経緯台方式です。写真三脚の雲台の動きを上下左右の経緯台に見立てます。
 これだと、①金星の高度角、②太陽と金星の方位角の差、という調整要素が2要素になります。

 上記①と②は、天文アプリを利用し高度角と方位角差を求めています。雲台の上にスマホの角度検知アプリで高度角を調整し、方位角の差は雲台に付いている角度目盛を利用しています。
 なお、私が使っているのは、SkySafari という天文アプリで無料版と有料版があります。金星と太陽の高度角や方位角は無料版でも得られます。


 5月13日(土)日の入り2時間ほど前、戸外で遊んでいたカエルちゃんに金星導入補助具を使ってもらいました。
 ①三脚を水平に置き、雲台に取り付けたパイプを太陽の方向に向けます(太陽の影を利用)
 ②方位角の差だけ雲台の水平方向を動かします
 ③傾斜角アプリを入れたスマホを雲台に当てがい、金星の高度角まで傾けます
 パイプから少し目を離しながらパイプ内を見ると、数分で金星を発見。視力1.2のカエルちゃんは喜んでいました。このときの金星の明るさはマイナス4.2等級です。

 こんな簡単な補助具でも役立つことがわかったので、本格的な補助具を作ってみることにしました。
 自作の詳細は、5月19日のブログ記事 【 昼間の金星を裸眼で探すための補助具(その2) 】 に投稿予定です。

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