★星空日記コリメート風goo★

星や旅などの話題を「ひらい」が札幌から発信。2010年開設。2022年7月にteacupからgooへ引越しました。

2024年5月14日のTsuchinshan-ATLAS彗星

2024-05-19 06:00:00 | 天体の記事
 紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3 (Tsuchinshan-ATLAS))が9月下旬の近日点通過を控え徐々に明るくなってきました。
 明るくなってきたとはいえ現在は10等級ぐらいとの予報で、少し大きめの望遠鏡を使えば夜空が明るい札幌の市街地でも見えるのではないかと、自宅屋上の口径40cm反射望遠鏡を向けてみました。

 5月14日の紫金山・アトラス彗星はポリマ(おとめ座γ星)の北3度ほどの位置を移動中です。
 この日の彗星の南中は20時50分ごろ。天文薄明終了後に南中といった位置的には好条件です。しかし、かに座に月齢6の月が輝き薄い雲のため3等星のポリマが裸眼でようやく見えるといった状況で透明度のほうが悪条件でした。

 20時20分過ぎに口径40cm反射100倍で彗星予報位置を丹念に見ても夜空の明るさに埋もれてしまい彗星の存在が全くわかりません。
 眼視で見えなくても撮影したら写せるだろうと思い撮影準備をします。


 中央の淡くボーッとしたのが紫金山・アトラス彗星です。写っている2個の明るい星は9等級の恒星です。
 20時33分にミラーレスカメラによる口径40cm反射直焦点撮影。スカイグローフィルター併用。露出6秒、感度ISO8000、焦点距離8000mm相当。6枚の静止画を彗星中心核に合わせてスタック処理。画像は北を上に掲載。以下同じ。


 20時53分に撮影。
 20分間のインターバルで彗星が西方向(画像の右方向)へ移動したことがわかります。現時点では1日に約0.7度西方向へ移動中です。

 眼視で見えなかったことが悔しかったので、今度はQBP(クアッドバンドパス)フィルターという光害カットフィルターを付け200倍でじっくり観察すると、非常に淡い星雲状の彗星が見えてきました。中央集光がかろうじてわかるくらいで尾の存在は全くわかりません。
 
 そこでQBPフィルターを付けて撮影した画像をモノクロ反転しコントラスト強調処理をしてみました。

 淡い尾が東方向(画像の左方向)に出ていました。21時12分に撮影。露出30秒。なお、写野角は約0.26度×0.17度で写っている最微星は15等級です。

 光害がない暗い夜空であれば簡単に尾が写せたはずですが、市街地に設置した望遠鏡ではこの程度が限界でしょうね。2024年の秋に紫金山・アトラス彗星はマイナス等級の明るさになることが予想されています。夜空が暗い郊外だと彗星の長い尾が見えるかもしれません。

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