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★星空日記コリメート風goo★

星や旅などの話題を「ひらい」が札幌から発信。2010年開設。2025年7月に「はてなブログ」へ引越し予定。

口径25cmドールキルハム望遠鏡(遠征してファーストライト)

2024-12-31 06:00:00 | 25cmドールキルハム望遠鏡
 前回のブログ記事 【 口径25cmドールキルハム望遠鏡(遠征前の改善) 】からの続きです。

 口径25cmドールキルハム望遠鏡には使うアクセサリーが多いので、遠征前にアクセサリーケースを用意しました。

 口径25cmドールキルハム望遠鏡に使うアクセサリー類をアルミケースに収め、遠征に備えます。
 左上から左回りで、コマ収差補正レンズ、ファインダー用接眼鏡、光軸調整用単眼鏡、8mm〜24mmズーム接眼鏡、XW40mm接眼鏡+天頂プリズム、ファインダー本体です。

 最近、忘れ物が多いので遠征の前にチェックリストを作成しておきました。
 鏡筒本体、架台、望遠鏡三脚、バランスウェイト、コントローラー、電源と電源ケーブル、アクセサリーケース、架台の取扱説明書、工具、カメラ一式、充電ケーブル類、防寒グッズ、双眼鏡、照明ライトなどなど。

 冬型気圧配置だと晴天に恵まれない札幌を2024年12月28日(土)の20時過ぎに出発。ファーストライトが見たいという知人のNさんも一緒です。安平町の某所に到着したのは23時前。雲が少しずつ多くなってきました。

 早速、口径25cmドールキルハム望遠鏡を組立てます。三脚アクセサリー板の取付け手順を逆にしてしまったり、主鏡セルの取付け時に固定ネジとワッシャーを凍った地面に落としたりと、組立てに20分以上もかかってしまいました。


 主鏡セルの取付け後に、恒星を見ながら主鏡の光軸修正をしています。なお、画像は最後の1枚を除きNさんが撮影してくれました。

 意外と簡単に初期の光軸修正が完了。私のドールキルハム式反射望遠鏡は主鏡の非球面度が放物面の70%、副鏡が球面なので光軸修正しやすいという利点があります。
 日周追尾のためのアライメントをしてから最終的には高倍率で光軸を追い込む必要があります。なお、日周追尾の必要が殆どない北極星を使って光軸修正する方法もありますが、残念ながら北極星は雲に隠されたまま。

 アライメントというのは明るい1等星などを1個あるいは2個を手動導入し望遠鏡の方向を電子的に記憶させる作業のことです。
 私の場合、天体の自動導入よりも手動導入の方が速いため、アライメント作業が余計に必要な天体の自動導入はあまり好きでありませんが、経緯台で日周自動追尾をするためにはアライメントが必須です。やれやれ、面倒ですねー。

 ワンスターアライメント(1個の恒星でアライメントする方法)で南天のシリウスを手動導入しエンターキーを押しました。その直後に鏡筒が天頂方向のカペラに向かうはずが反対方向の下向きに動き始め、モーターの異音が聞こえたため緊急停止。鏡筒バランスは合っているはずなのにどうして?
 年月日、時刻、緯度経度をきちんと合わせたはずなのに意外な望遠鏡動作に驚きました。

 取扱説明書を読みながら2度目のアライメント作業を試みましたが結果は同じでした。止むを得ず、アライメント作業を省きファインダーの平行調整をしました。


 ファインダーの平行調整をしています。鏡筒とファインダーの光軸が平行になるよう少しずつ調整しましたが、日周追尾していないため時間がかかり、追い込みが不充分になりました。

 再度、取扱説明書を読みながら3回目のアライメント作業を行いました。やはり、結果は同じ。「だから自動導入機は嫌いなんですよー」とNさんにボヤキを連発。

 アライメントを諦め、木星と火星を少しだけ見てファーストライトを終えることにしました。恒星追尾ができないため60倍という低倍率で薄雲を通してでしたが木星の縞模様が良く見えました。火星は明る過ぎて高倍率でないと模様が見えません。


 アライメントできなくて落胆しボヤキ連発の情けない表情の私を撮影してもらいました。今夜はボヤキが多くて済みませんでした。

 2時前に現地を撤収。気温はマイナス11度。


 帰路の途中、木々に結氷した雪がキラキラと輝いていたので道端に停車し撮影。カラーモードで撮影しましたがモノクロモードで撮影したかのように写りました。途中の気温はマイナス16度まで低下。

 4時過ぎに曇っている札幌に戻りました。札幌の気温はマイナス5度。

 帰宅してからアライメントがうまく行かなかった理由を考えてみました。
 シリウスでアライメント後に天頂付近のカペラへ望遠鏡が向くはずが下向きに望遠鏡が動いたということは、上下運動の向きが逆です。
 ということは鏡筒を架台に取付ける際、鏡筒が向いている方角に向かって「架台の左側」に鏡筒を装着していましたが、「架台の右側」にすればどうなるか、あるいは2個の恒星でアライメントをするツースターアライメントをすればどうなるか、近日中に試行錯誤してみます。

 次回のブログ記事 【 口径25cmドールキルハム望遠鏡(アライメントのテスト2回目) 】に続きます。

口径25cmドールキルハム望遠鏡(遠征前の改善)

2024-12-30 06:00:00 | 25cmドールキルハム望遠鏡
 前回のブログ記事 【 口径25cmドールキルハム望遠鏡(自宅玄関前でピントテスト) 】からの続きです。

 前回のピントテストで明らかになった問題点は次のとおりです。
① ファインダーの平行度が約3度もズレていた
② コントローラーを使いやすい位置にぶら下げる工夫が必要(付属部品は使いにくい)
③ 取扱説明書を熟読していなかったため経緯台で天体の日周追尾操作ができなかった
④ 接眼部の合焦用PENTAX 6x7 ヘリコイドの回転が重い(マイナス5度という寒さのせい?)
 こんなところでしょうか。改善が必要です。



 まず、ファインダーのプリズムケースを分解してみます。

 プリズムが少しだけ傾いたまま固定されていました。傾きを調整し動かないよう固定。

 次にファインダー固定金具の改善です。

 視界18度という広視界ファインダーなので当初は平行度の調整機能を省いていましたが、やはり調整機能をアリミゾに付け加えることにしました。
 赤い円は鏡筒に固定するためのM6ボルト用の穴です。赤い矢印がM6ボルトのキャップ部分を横からM5ボルト4本で押すことで微調整を可能にしました。これが垂直方向用。
 青い矢印はM4ホーローセットネジで、これが水平方向の微調整用です。

 お次はコントローラーを使いやすい位置に置けるよう工夫します。

 コントローラーのカバーを開け、ケースの裏側に金具を取り付けました。画像の右上です。一応、ダブルナット2個で簡単に緩まないようにしました。


 100均ショップで購入したキッズ用携帯ストラップを取り付け、コントローラーを接眼部にぶら下げて使う予定です。

 日周追尾(恒星時追尾)について書いてある取扱説明書の32ページ目を接写しました。

 経緯台モード(AZ Mode)での恒星時追尾の手順を覚えておきます。電源を入れた後のアライメント(1個か2個の恒星を手動導入し、鏡筒が向いている方向を架台に覚えさせること)をしないと日周追尾できないのが面倒ですが。

 接眼部ヘリコイドを伸縮させる回転動作が重いのは通常グリースを耐寒グリースに変えれば解決できると思いますが、耐寒グリースを持っていません。とりあえず接眼鏡の抜き差しで対応します。大まかなピント位置調整は副鏡セルに取り付けたM42ヘリコイドの伸縮で行います。

 次回のブログ記事 【 口径25cmドールキルハム望遠鏡(遠征してファーストライト) 】に続きます。

口径25cmドールキルハム望遠鏡(自宅玄関前でピントテスト)

2024-12-29 06:00:00 | 25cmドールキルハム望遠鏡
 前回のブログ記事 【 口径25cmドールキルハム望遠鏡(運搬時の転倒防止) 】からの続きです。

 晴れたらいつでも遠征できるよう、口径25cmドールキルハム反射望遠鏡の鏡筒、架台、三脚など
をイエロースーちゃんに積んでいますが、なかなか遠征の機会に恵まれません。

 口径25cmドールキルハム望遠鏡のピントテストをしたいのですが、札幌は冬型の気圧配置が続きスカッと晴れません。遠征を諦め玄関前で少しの晴れ間を狙いピントテストを行いました。


 12月21日(土)の16時から自宅玄関前で組み立てを開始。この日の札幌の日没は16時03分でした。なお、組み立てに要した時間は25分ほどで、慣れると15分ぐらいで組み立てできそうです。


 玄関前の街路灯が点灯。ちょうど雲の隙間から金星が見えてきました。ピントが合うかどうか?

 計算どおり合焦し一安心。半月よりも少しふっくらした金星が確認できました。まだ光軸が少し狂っていますが、雲が多いため今夜は簡単なテストだけにとどめます。
 合焦することを確認した2分後に金星はお向かいの建物に隠れました。


 雲の隙間から出てきたデネブをスマホを手持ちしコリメート撮影。XW40mm接眼鏡を使用しています。

 気温はマイナス5度。そろそろ撤収しようとしたら、雲から土星が出てきました。

 輪が薄くなってきた可愛い土星をスマホでコリメート撮影。
 日周追尾をさせようと取扱説明書を読みましたが、うまく設定できません。熟読が必要です。(汗)
 
 今回のテストで明らかになった問題点がいくつかあります。次回のブログ記事 【 口径25cmドールキルハム望遠鏡(遠征前の改善) 】に続きます。

口径25cmドールキルハム望遠鏡(運搬時の転倒防止)

2024-12-28 06:00:00 | 25cmドールキルハム望遠鏡
 前回のブログ記事 【 口径25cmドールキルハム望遠鏡(副鏡と斜鏡の光軸調整) 】からの続きです。

 光学系の光軸ズレを軽減させるため鏡筒を立てたまま自動車に載せて運搬しますが、車内で鏡筒が倒れないようにしなければなりません。そこで、転倒防止用のアイボルトを鏡筒先端に取付けます。


 鏡筒の内部にキリコが入らないよう開口部をチラシで養生してから、鏡筒先端の補強リングに4ヶ所にM6ネジの下穴を開けています。


 M6ネジのタップ立て後にアイボルト4本を鏡筒の先端に固定。この他に何かの役に立つかもと思い、4個余計にM6ネジ穴を開けています。


 屋外用の雨水マス蓋を鏡筒蓋にしました。
 アイボルトと当たる蓋の側面に1mm厚の家具スベールを貼ると、緩みがない感じでピタッと嵌ります。


 商品名がバンジーコードという柔軟性がある紐4本を使い、重さ7kgの鏡筒が後部荷室で倒れないようにしました。

 しかし、鏡筒の安定さに欠け、赤道儀架台と主鏡ケースの積載が寸法的に無理があり、バンジーコードの使用を諦めました。詰めが甘かった。(泣)


 何のことはない、助手席の後方に防寒着などのクッション材を挟んで置くのが一番いいようです。


 望遠鏡一式を仮に積んでみました。左は主鏡セル格納箱、右は架台格納ケースです。
 この他に、バランスウェイト、電源バッテリー、ファインダー、接眼鏡などのアクセサリーを積んで遠征します。

 結局、鏡筒先端のアイボルトは単に蓋の押さえ金具になりました。お粗末さま。(笑)

 次回のブログ記事 【 口径25cmドールキルハム望遠鏡(自宅玄関前でピントテスト) 】に続きます。

口径25cmドールキルハム望遠鏡(副鏡と斜鏡の光軸修正)

2024-12-27 06:00:00 | 25cmドールキルハム望遠鏡
 前回のブログ記事 【 口径25cmドールキルハム望遠鏡(光軸修正の準備) 】からの続きです。


 副鏡を支える3本のサポーターの長さを均等に調整することで、副鏡を鏡筒の中心に配置します。斜鏡のサポーターも同様にします。
 
 なお、副鏡と斜鏡を支えるサポーターは直径6mmの真鍮丸棒です。私の光学知識が不十分だった40年前に丸棒をサポーターとして選択してしまいました。近い将来、星像悪化の影響が少ない薄い金属板に交換する予定です。


 まず、タカハシ製センタリングスコープを使い、斜鏡の光軸修正をします。
 しかし、斜鏡の位置が近すぎて斜鏡中心マークのピントが合わず、タカハシ製センタリングスコープの使用を諦めました。


 無限遠から20cmまでの近距離までピントが合う3倍12mmの単眼鏡を使い、斜鏡のセンタリングと光軸修正をします。


 最後の微調整はホログラムレーザーコリメーターを使いましたが、単眼鏡を使った場合と微妙に光軸が異なるのはなぜ? レーザー光とコリメーターバレルの芯出しは合っています。理由が判然としません。
 上の画像は副鏡の光軸修正ネジを2本の六角レンチで微調整しているところです。
 ドールキルハム式の副鏡は球面なので、強い非球面のカセグレン式の副鏡に比べ光軸修正が楽です。

 主鏡の光軸修正は、実際の星を見ながら行います。次回のブログ記事 【 口径25cmドールキルハム望遠鏡(運搬時の転倒防止) 】に続きます。