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★星空日記コリメート風goo★

星や旅などの話題を「ひらい」が札幌から発信。2010年開設。2025年7月に「はてなブログ」へ引越し予定。

プラネタリウムの話

2012-12-22 07:00:00 | プラネタリウム・各地の科学館・天文台
 今回の記事は私の自慢話のような内容です。私のブログ日記ということで何卒お許しください。

 私の手元に29年前の朝日新聞の切抜きがあります。
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 これは、1983年(昭和58年)11月の朝日新聞北海道版に掲載された読者の投稿コラムです。そこに書かれている説明員はどうやら私のようなのです。

 その後、投稿者ご本人に確認する機会を得てお聞きしたところ、そのときの説明員は私だということが分かりました。
 日頃から話し方を自分なりに工夫していたので、この投稿はとても嬉しくて励まされました。この新聞切り抜きは私の宝物です。

 2012年11月の皆既日食の際に説明員役をかって出たときも、「とても解かりやすかったです」 と感謝されたときに、ふとこの新聞切り抜きを思い出しました。

 大勢の方々が星への興味をより深められるような話を私ができたと感じたとき、それは私にとって幸せで嬉しい時間です。現在も天文ボランティアをしている理由もそこにあります。

 なお、投稿者ご本人と朝日新聞北海道支社からは、投稿記事転載の承諾を得ています。

仙台市天文台再訪

2012-05-24 21:20:00 | プラネタリウム・各地の科学館・天文台
 21日の金環日食を見るため3泊させていただいた千葉県我孫子市の佐々木さん宅を5月23日(水)10時に出発し、軽自動車ワゴンRで国道4号線を北上しました。

 約350kmを走行し16時10分に仙台市天文台に到着。

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 小石川さん(右)にお会いするのは32年ぶりかな。

 実は、札幌市青少年科学館が開館する直前の1980年(昭和55年)の秋、私は1週間ほど仙台市天文台に滞在していました。

 仙台市天文台は、天文分野の社会教育施設として最高峰の施設と人材を有していたことから、天文普及事業のノウハウやプラネタリウムの運営方法などを学ぶための公務出張でした。

 研修4日目だったでしょうか、台長の小坂由須人さん(1922-1998)から観客の前でプラネタリウム投影するよう促され、びっくり仰天。

 多少の天文知識はあったものの、機械操作や肉声での説明は初体験で、小石川さんに補助についていただき何とか冷や汗もので営業投影を終えることができました。

 といった経緯から私のプラネタリウム初投影は仙台の地です。仙台市天文台は私の「天文研修の故郷」といっていいところです。

 研修が終わり仙台の繁華街(一番町?)で飲んだ後に小石川さんと西公園にあった天文台まで戻り、酩酊状態で一緒に41cm反射で星を見たことも忘れられない思い出です。
 本当はイケナイことですが、まあ時効ということで・・・。天文台事務室で残務整理をしていた小阪台長さんに「ひらい戻りました~」と挨拶したら笑って入室させてもらえました。いい時代でした。

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 2008年に完成した口径130cm反射望遠鏡です。
 天文台は当時の西公園から2008年に錦ヶ丘へ移設され、私が使わせてもらったあの懐かしい41cm反射は新天文台の玄関に展示されていました。

 フェリーの乗船時刻が迫っていたため、再会を約し慌しく辞去。

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 仙台港には乗船制限時刻ギリギリに到着し、フェリー「きたかみ」に乗船しました。

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 フェリーのデッキから撮影した24日(木)の日の出です。併走していた大型船がうまく写りこんでくれました。
 八戸沖(北緯40.5度、東経142.0度付近)で4時11分に撮影。

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 金環日食5泊6日の旅は終わりました。往復2400km(陸路1300km海路1100km)の旅は少し疲れましたが、6月にはオーストラリア星空旅行が控えています。

マドンナの宝石

2011-07-28 20:00:00 | プラネタリウム・各地の科学館・天文台
 マドンナの宝石は、ヴォルフ・フェラーリ(1876-1948)が作曲した歌劇の間奏曲です。

 この曲を聴くと、40数年前に見たプラネタリウムの情景が、ついこの前のように思い出されます。

 You-Tubeにあった【マドンナの宝石】です。

 1970年3月、当時高校1年生だった私は札幌駅から急行はまなすに乗り、函館から青函連絡船に乗り継いで青森の祖母宅に遊びに行き、青森市民文化センター(現在は青森中央市民センター)でプラネタリウムを【1年後輩のI.N.さん】と一緒に見ました。

 そのとき、夜空のBGMとして流れていたのがこの「マドンナの宝石」です。バイオリンが奏でる物悲しい主旋律に、コントラバスのピチカートが重なり合う音色は、星座投影に見事にマッチしていました。


 1981年10月、札幌にも待望のプラネタリウムが設置されました。

 投影担当者となった私は、いつか「マドンナの宝石」をBGMで流そうと思っていました。
 投影の生解説にある程度自信がついた1983年秋、ついにその時がやってました。秋の星座の説明をいつもより少し短くし、「マドンナの宝石」を流しながら日周運動モーターを超低速で動かし日の出を迎えました。

 お客様から拍手を頂戴し、私の秘かな夢は叶いました。「マドンナの宝石」をBGMとして流したのは、このとき1回だけです。

1982年浦河沖地震

2011-03-13 11:57:00 | プラネタリウム・各地の科学館・天文台
 2011年3月11日に発生した大地震の被害状況が少しずつ明らかになってきました。悲惨な状況です。

 岩手県の海岸近くに私が住んでいたと仮定した場合、今回の地震で冷静な行動がとれたかどうか、はなはだ疑問です。
 1982年に発生した浦河沖地震の際、私のとった行動は非常に危険な行動でした。


 当時、私はプラネタリウムの解説員でした。

 3月21日(日)3回目の投影をするため、11時30分に観客入場開始。
 11時35分ごろ震度4の地震が発生。
 プラネタリウム本体がガタンガタンと音を立てて揺れ始めました。
 他の係員に非常扉3箇所を開けるよう伝え、私はプラネタリウム本体に飛び乗り、支持アーム(画像の左右に写っている支柱)を必死に手で押さえました。

 あとから冷静になって考えると、素手で押さえることは非常に危険な行為でした。もう少し揺れが大きかったら、私は機械の下敷きになっていたかもしれません。

 非常事態になればなるほど、一呼吸を置いたクールな判断が必要だという貴重な経験をしました。

落胆の星空タワー

2010-06-21 00:08:00 | プラネタリウム・各地の科学館・天文台
 6月20日20時過ぎ、ホテルオーシャンズの車で星空観測タワーまで送ってもらいました。

 ここの正式名称は竹富町波照間島星空観測タワーです。受付の女性に400円を支払い屋上へ。観客は30人ぐらいかな。口径10cmぐらいの反射望遠鏡で月を見せていました。係員が 「星を見るのが主な目的で波照間島に来た方は?」 と問いかけると10人ほどからパラパラと手が挙がりました。係員は責任重大だろうなあと思っていたら、月のある夜に星を見ようというのが間違いという係員の発言があってちょっと嫌~な気分。

 ここにはドームの中に大きな20cm屈折望遠鏡があるはず。なかなか案内してくれないので、「大きな望遠鏡は見せてもらえないんですか?」 と質問してみました。
 返答は、「入り口に望遠鏡は故障中なので使えませんと書いてあった張り紙を見なかったんですか?」 といささか強い口調で言われてしまいました。見ていない私が悪いの?

 ビクセン製の赤道儀を使っていますが、月を追尾するのに極軸の高度微動を回しています。他のお客さんの手前、邪魔しないように言いたいことをぐっとこらえる私。観客は40人ほどに増えています。


 月明かりのドーム。手持ちで8秒露出。中央上はこと座のベガ。左の白いTシャツの方が係員。

 見える星の説明が始まりました。レーザーポインターを大きく振り回すのはご愛嬌としても、観客の顔の寸前までレーザー放射するものですから、驚いた観客がレーザーのほうを振り向く始末。「あぶない!」 と声を出そうにも気の弱い私にはできませんでした。

 プラネタリウムを見ますか、との係員の声に押されて客の殆どは階下の部屋に移動。係員は暗いプラネタリウム室内で観客の間をすり抜ける際に照明代わりとしてレーザーを床に放射していました。観客は全員カーペット敷きの床に座ってるんですよ。とても危険ですね。

 プラネタリウム室では、簡単な説明があった後にテープによる星空解説でした。つまらないので途中で屋上に戻りました。

 屋上には誰もいないので私は10cm反射の架台部に触ってみました。おや、モータードライブも赤経微動ハンドルも付いてないなあ。赤緯ハンドルだけは付いているぞ。
 突然、「触らないでください!」 と係員の声。「すみません。」 と私。

 係員と2人きりなので 「付いている赤緯微動ハンドルを赤経微動に付け直したら追尾が楽になりますよ。」 と穏やかに話したら、「こっちのやり方でやってます。そういうことを言われるとピキッときちゃいます。こっちは望遠鏡の専門家じゃありませんから邪魔しないでください。」 と怒ったように言います。親切心で言ったのになあ。はい、そうですか、失礼しました。もう邪魔しませんから・・・。


 誰もいないことを確認したうえで、観察に使用した望遠鏡をフラッシュ撮影。ブログ編集のときに初めて気が付きましたが、ドイツ型赤道儀に必須のバランスウェイトが・・・ない・・・。星見のときに気が付いていたら完黙を通していたのに、気がつかない私も甘いなあ。

 21時30分に施設を出ました。

 入り口ドアには確かに20cm角の張り紙が・・・。


 確かに張り紙はありました。券売の女性や係員の男性からも事前の説明やお詫びの一言もなく、これで400円ねえ。星を見にきたほかの観客は満足したのでしょうか。帰りの車内で横に座った方にどうでしたと聞くと「ウ~ン。どうなんでしょうねえ。」との返答でした。

 期待はずれの夜でした。戻ってから、生ビールをグイッと。旨かった。おやすみなさい。