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★星空日記コリメート風goo★

星や旅などの話題を「ひらい」が札幌から発信。2010年開設。2025年7月に「はてなブログ」へ引越し予定。

プルケリマの拡大撮影

2023-06-11 06:00:00 | 重星・連星
 うしかい座のε(イプシロン)は別名で「プルケリマ」という名前がついた有名な二重星です。

 プルケリマ (Pulcherrima)というのはラテン語で「最も美しいもの」という意味だそうです。
 主星と伴星の離角が2.9秒角と接近しているため小口径の望遠鏡では分離がやや難しく、有名な二重星とはいえ小さな望遠鏡だと美しさを堪能するのは荷が重く感じます。

 Σ1964というやや暗い重星を撮影するためのピント合わせ用として、まず最初にプルケリマを撮影してみました。(Σ1964については次回のブログ記事に掲載予定です)


 動画撮影しスタック処理したプルケリマです。主星のジフラクションリングが第3リングまで写せました。
 主星は薄いオレンジ色で伴星はやや青く、色の対比が綺麗です。画像だとその対比が表現できていません。


 望遠鏡に撮像カメラを接続し動画撮影している様子です。
 眼視確認と撮影を効率よく行うため、接眼部と赤色の撮像カメラとの間に自作した2インチサイズのフリップミラーを入れています。
 撮像カメラが床にぶつからないよう赤道儀架台を30cmほどリフトアップさせ撮影しています。なお、昇降式のピラーは最大60cmまで上昇可能なように作ってあります。

 木造住宅の上に設置してある望遠鏡なので、動画撮影中は建物の微振動で小刻みに動きます。その割には上手くジフラクションリングまで写せました。

 地中のコンクリート基礎から鉄管パイプを立ち上げ望遠鏡架台を支えているとはいえ、家族が階下の室内ドアを閉めるとその振動が伝わって撮影中の天体が角度の7~8秒は動いてしまいます。撮影中の私が動くと角度の3~5秒ほど動いてしまうので、撮影中は極力同じ姿勢で動かないようにしています。(笑)

2023年5月31日の二重星観望

2023-06-09 06:00:00 | 重星・連星
 5月31日(水)の夜に自宅屋上で久し振りに二重星の観望をしました。


 手始めに薄明中の19時に月を観望。おーっ、大気の揺れは少なめで二重星の観察には良さそうです。望遠鏡が外気に馴染むのを待って、20時から二重星の観望を開始。

・手始めに、りょうけん座のα(アルファ)星 主星3等級・伴星6等級・角距離19秒
   有名な二重星コルカロリ。明るく角距離もあることから小口径の望遠鏡向き。

・からす座のδ(デルタ)星 主星3等級・伴星8等級・角距離25秒
   主星は白色、伴星は40cm反射200倍だと薄い橙色。

・かみのけ座の2番星 主星6等級・伴星7等級・角距離3.7秒
   主星は薄い黄色で伴星の色はよく分からず。特徴があまりない二重星。

・かみのけ座の24番星 主星5等級・伴星6等級・角距離20秒
   主星は黄色〜橙色。伴星は薄い青色で色の対比が美しい。

・うしかい座のμ(ミュー)星 主星μ1は4等級・伴星μ2は7等級・角距離108秒
   うん? 三重星ですね。μ2のすぐそばに8等級のC星があり、μ1とμ2の間に挟まれるように存在し角距離は2.2秒。口径15cm100倍で分離。

・うしかい座のε(イプシロン)星 主星3等級・伴星5等級・角距離2.9秒
   プルケリマ。有名な二重星の割には小口径の望遠鏡だと伴星が見ずらいが、口径40cmだと色の対比が美しい。

・うしかい座のζ(ゼータ)星 主星4等級・伴星5等級・角距離0.1秒
   口径40cm400倍でも分離は無理。角距離0.1秒なら無謀な挑戦。

・うしかい座の44番星 主星5等級・伴星6等級・角距離0.50秒
   口径15cm400倍で少し細長い感じ。口径40cm400倍で分離。

・おおぐま座M101銀河に出現した超新星SN2023ixf
   まだ11等級の明るさを堅持している。口径10cm以上の望遠鏡を持っている方は、夜空が暗い場所でお試しを。

・観望の締めに、こと座の環状星雲M57
   光害や月明かりがあっても、M57はそこそこ表面輝度があるのでよく見える。口径40cm反射だと美味しいドーナツのように見えてくる。お腹が空いたー。(笑)
 
 22時30分に屋上から撤収。気温は10度でした。



 ところで、複数の天文指導員さんから、「今度、屋上の望遠鏡で星を見せてほしいです。」と言われ、「いつでも、当日でも連絡くださいね。私が在宅していればOKですよ。」と返答しています。連絡や来訪をお待ちしているのですが、誰も来てくれません。(笑)

 NHKのBSテレビ「COOL JAPAN」という番組の中で、日本在住の外国人が「こんどマイホームに遊びに来てくださいねと言われ、実際に訪問したらビックリされた」ということを話していました。
 私の方から日時を指定して望遠鏡見てもらうという伝え方が日本人的にはいいのかもしれませんね。

 私と面識のある方でしたら、どなたでもいつでも遠慮なくどうぞお越しください。当日の連絡でも私が在宅時は対応させていただきますね。昼間でも太陽の他に金星や明るい恒星を見ることができますよ。

昼間のアルマク

2023-05-09 06:00:00 | 重星・連星
 アルマクというのは、アンドロメダ座のγ(ガンマ)星の固有名で、天文ファンには有名な二重星です。

 5月2日(火)の札幌は快晴で透明度も良かったことから、青空に浮かぶアルマクの伴星が見えるかどうか確かめてみました。望遠鏡を使えば昼間でも明るい恒星を見ることができるのです。朝9時ちょうどに屋上の望遠鏡をスタンバイ。


 朝の9時過ぎに目盛環を使い、口径15cm屈折望遠鏡をアルマクに向けます。口径40cm反射は大気の揺れに敏感ですし、昼間の星を見るにはコントラストのいい屈折望遠鏡の方が有利です。

 目盛環で慎重に望遠鏡を向けると70倍で0.6度の視野内にアルマクの主星が確認できました。
 夜間のピント合わせはピント位置がかなりずれていても恒星の存在がわかるのでピント合わせに苦労することはないのですが、昼間の恒星を見るにはピント位置を事前に知っておいて導入しないと、導入できたかどうかの確認さえ難しくなります。私の望遠鏡には接眼筒にスケールを貼り付けてあり、事前にピント位置がわかるよう工夫しています。

 アルマクの主星は2.3等、伴星は5.0等、離角は10秒です。(ケンブリッジ Double Star Atlas 掲載値)
 青空が暗くなるよう倍率を200倍に上げて慎重に観察。主星がハッキリと見えるものの、伴星がなかなか見えてきません。しかし、大気の揺れが短時間収まった瞬間にチラチラと見ることができました。昼間の5等星を口径15cm屈折望遠鏡で見るのは至難の技です。
 スマホを使って撮影に挑戦してみました。


 中央に淡く写っているのがアルマクです。あまりに淡く伴星が分かりにくいです。


 上の画像の中心部をトリミングし拡大してみました。かろうじてアルマクの伴星が写っているのですが、1枚画像の撮って出し画像なうえにブレてますね。

 夜間に真面目に撮影したアルマクを撮影した様子を2015年9月のブログに記事 【 二重星アルマク 】に書いています。


 アルマクを見た後は金星を見ました。その様子は次回のブログで。


【5月9日22時:記事と画像を追加】
 知人から、どのようにしてスマホで撮影したのですかという質問メールをいただきました。自作のスマホアダプターを使い、金星を撮影したときの画像を追加アップしておきます。


 スマホアダプター自作の詳細は2021年4月のブログ記事 【 スマホ用のコリメートアダプターの製作 】をご覧ください。

2023年版天文年鑑でようやく連星データが直されました

2022-12-15 06:00:00 | 重星・連星
 誠文堂新光社が毎年発行している天文年鑑にはその年の天文情報が満載され、私には大切な情報源のひとつです。

 ただ、稀に酷い間違いがあるので要注意なのですが、重星・連星を良く見る私にとって以前から些細な誤りが気になっていました。

 それは、「連星」の一覧表にあるADS番号8954という星名の明らかな誤植です。
 1994年版までは正しくβ932と表記されていましたが、1995年版からβ632と誤植され20年以上も誤植が続いていました。
 他の文献などを見て私が天文年鑑の誤植に気がついたのは、2010年ごろです。

 2010年ごろに発行元の誠文堂新光社天文ガイド編集部へ電子メールでお知らせしましたが、何の反応も訂正もなく現在に至っていました。

 ところが、「連星」の執筆者が2016年から国立天文台のSさんに変わっていたことを2022年になってから知りました。
 誤植ではないかという情報を本来であれば誠文堂新光社を通すべきでしょうが、過去の体験から期待できないと思い、非礼を顧みず私から直接Sさんに誤植ではないですかとの連絡を2022年2月に差し上げました。
 Sさんからすぐに返信があり、2023年版から訂正する旨の丁寧な返信がありました。


 左は私が初めて買った1967年版。120ページ250円。1967年以降、毎年継続購入し活用しています。
 右は2022年11月に発行された2023年版天文年鑑。383ページ1200円+消費税10%。「連星」の193ページを見たところ、β932に直されていました。
 些細なことですが、私にとっては毎年気になっていた誤植が直ってメデタシメデタシです。

 なお、以前に誤植だと私が判断したことを2015年3月のブログ記事 【 おとめ座γ星ポリマ 】に書いてあります。

 2015年10月のブログ記事 【 二重星β648 】に書いた2015年版のβ648という二重星データの誤りも、2016年版には正しいデータに直されています。

青空に浮かぶプルケリマ

2022-07-29 06:00:00 | 重星・連星
 7月25日(月)の札幌は、昼過ぎから抜けるような青空が広がりました。


 16時過ぎに屋上の開閉式屋根を開け、望遠鏡を南中1時間前の1等星アークトゥールスに目盛環を使って向けてみると、視野内にとても良く見えています。

 透明度が良好なことから、アークトゥールスのすぐ近くにある「うしかい座ε(イプシロン)星」を目盛環を使い導入してみました。
 この星は、愛称を「プルケリマ(Pulcherrima))」といい、天文マニアには有名な二重星(連星)です。

 口径15cm屈折に165倍を使い眼視確認すると、2.5等級の主星の北側に2.9秒角離れた4.8等級の伴星がチョコンと光っているのが明瞭に確認できました。(連星の光度と離角の値はSkySafariのデータ)
 スカイグローフィルターと適切な倍率、そして何よりも青空の透明度の高さが伴星の確認を容易にしてくれたと思います。


 口径15cm屈折望遠鏡にスマホを使い、XW10mm接眼鏡でコリメート撮影した1枚画像のプルケリマです。
 日没の2時間07分前、高度68度のプルケリマで、北を上にして掲載しました。
 少し赤経方向へブレてしまいましたが、主星を取り巻くディフラクションリングも淡く写っているようです。

 眼視では明瞭に見えた伴星ですが、スマホのお手軽撮影だとこの程度しか写せないのは仕方ないですね。

 これまで夜間には何回も見てきたプルケリマですが、日没2時間前の青空に浮かぶプルケリマの伴星まで見たのは初体験です。嬉しいなー。

 なお、夜の暗い空で撮影したプルケリマについては 【 2022年4月21日のブログ記事 】をご覧ください。