神戸のSさんと兵庫県のキンキコルリ北限調査に行ってきました。
今回入った場所は、下図のEとFエリアです。
↓ 調査場所概略図
*カテゴリーから入ると一連の分布調査に繋がります。
↓ 前記事
Eエリア
日時:2024年3月30日 10:20~11:00
場所:兵庫県中部(前記事のDエリアから南方向に直線で約3㎞)
標高:650m前後
天候:晴 気温:13℃前後
このEエリアは標高650m前後ですが、北の山塊と南の山塊をつなぐ最も標高の高いところです。
エリア内の殆どは植林されており、二次林が申し訳程度に点在していました。
小規模な二次林を囲む杉林が風雪を受け止めているのか
林床にはコルリの好むような黒く朽ちた枝片はほとんど見当たらず
また、落ち葉の層も浅く感じました。
↓ 落ち葉に埋もれた細い黒系腐食木を探す
調査の結果は、産卵マークすら発見できませんでした。
「この空白エリアこそがキンキコルリとニシコルリの分布境界なのでは?」
と、この時は思いました。
Fエリア
日時:2024年3月30日 12:20~16:00
場所:兵庫県中部(Eエリアから南方向に直線で約1.5㎞)
標高:840m前後
天候:晴 気温:13℃前後
↓ 樹冠は芽吹きが始まっている
Fエリアは、先のEエリアから南方へ直線で約1.5㎞の場所になり
この記事でいうところの南の山塊になります。
ここでは探し始めてまもなく産卵マークが見つかり
終齢幼虫20頭以上、オスの新成虫3頭、メスの新成虫3頭を確保できました。
↓ 早々に産卵マーク発見!
採集できたオスの体色は緑系ですが、その中に極々僅かな青を感じとれた個体がおり
一瞬「ニシコルリ?」がよぎりましたが
Eエリアの状況からして、ここはキンキコルリだろうと思い、容器に納めました。
↓ 極々わずかに青が感じ取れた個体
↓ 瓢箪坊主さんに発送準備
交尾器の調査は、Sさんが1オス・瓢箪坊主さんが2オス実施してくださり
結果は、予想に反して3オス全てニシコルリの特徴を有していました。
因みに、3オスはそれぞれ異なる朽ち木から採集しました。
↓ Fエリアはニシコルリの分布域だった!(交尾器の調査及び画像提供:瓢箪坊主さん)
↓ 終齢幼虫おそらく秋に羽化するやつ
↓ 樹皮下の終齢幼虫
↓ マークはあるが・・・
↓ オス発見!
↓ メスも発見、撮影後に林床に落として見失ってしまった
↓ またメス発見
↓ 毎回出てくる系統
↓ 持ち帰った終齢幼虫とハナムグリ幼虫
コルリ系の幼虫は比較的穏やかなので、まとめ飼いして来季の誘因作戦等に使用します。
これまでのまとめ
下図は、成虫が採れなかったポイントCも含め、6ヵ所の大まかな位置関係を記したものです。
調査した順にA・B・C〜と表記しました。
A=キンキコルリ:起点
B=キンキコルリ:Aから北方向に直線で約1㎞
C=コルリ種群分布有(未検):Bから北東方向へ直線で約17㎞
D=ニシコルリ :Bから北方向へ直線で約7.5㎞(Cから西方向に直線で約17㎞)
E=発見できず:Dからで南方向へ直線で約3㎞
F=ニシコルリ:Eから南方向へ直線で約1.5㎞
今回の調査でEエリアが空白となり
正にここがキンキコルリとニシコルリの分かれ目かと思ったですが
まさかの展開にSさんともども驚いています。
最後になりましたが、今回も瓢箪坊主さんにはお世話になり、ありがとうございました。
Sさん、お疲れ様でした
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます