クワガタ~スズメバチ等の覚書

   Photo & Text by こよみ

キベリハムシ・2-産卵・防衛

2017-10-07 12:24:43 | キベリハムシ

今年の7月上旬から飼育しているキベリハムシが

沢山卵を産んでいます。

*「キベリハムシ・1」の続きです




産卵



↓ 産卵中 泡状の物を出しながらその中に卵を産む(10月2日)








↓ 産卵場所は、枝の分岐箇所を好む傾向が強い



卵塊はやや硬く、外見が褐色で木の枝と同化しており

注意して探さなければ見逃してしまいます。

卵塊の中は更に褐色で

崩すと「ししとう」のような匂いがしました。


↓ 容器の蓋にも産みつけている


↓ 枯葉にも


↓ 生体・卵塊、大きさ比較


↓ 薄青色は、ま新しい卵塊


↓ 半日経過 色が変わってきた


↓ 5頭のメスから22個の卵塊を確認(10月7日現在)



防衛手段

キベリハムシは、比攻撃的で、飛翔が下手で

体も柔らかい大型のハムシですが

外敵から身を守るための手段はいくつか身に着けています。


↓ あまり動かない、動きも遅い



容器内での成虫は相対的に高所にいることが多く

枝先に近い葉っぱをよく食べており

容器のフタをそっと開けても落下することがあります。

高所(枝先近く)にいることで振動(異変)を感じやすく

外敵から最短で遠くに離れる(落下)

ということでしょうか?


キベリハムシを意図的に高所から落下させると

飛翔はしますが下手くそで、鳥類に例えると「ニワトリ」レベルです。


↓ 夜間はフタに付いていることがよくある


↓ 贅沢な食べ方



また、成虫は触ったり刺激を与えると

黄色い体液を出します。

この体液は青臭く、嫌な臭いで防衛します。


↓ 黄色く青臭い液を出す


↓ 落下したときは偽死状態


↓ しばらくすると動き始める


↓ 起き上がれないときは羽を使う


↓ ツルツルした垂直面でも容易に登る



紫外線照射

キベリハムシは金属的な光沢のある濃紺色に

黄色の縁取りをあしらった綺麗なハムシです。

緑の葉に付く黄色い縁取りは、人の目には目立って見えます。


紫外線領域で情報のやり取りをしている同種異種からは

どのように見えているのでしょうか?





太陽光は紫外線を降り注いでいます。

そこで、紫外線を照射してみました。

*照射機器:MANASLUーLIGHT(LONG WAVE 3650Å)


↓ 可視光


↓ 紫外線照射











機器による紫外線照射では

照射体に接近するとほぼ黒に見えましたが

照射距離を離すと 

紺色の部分は黒っぽく目立ちませんが

上翅や胸部の側縁縁取り・脚部・触覚等が

可視光で見る黄色より薄く鮮やかに見えました。

もしかしたら外敵等には

その姿が木々の隙間や枝、或いは葉脈のように

見えているのかもしれません。




一見、ひ弱に見えるキベリハムシですが

神戸に入って以来、メスだけで子孫を残し

落下・偽死・体液などの防衛手段をもって

したたかに、ひそかに、*分水界を超えました。



*分水界=異なる水系の境界線



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