貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

マンガン・ダイアスポア

2024-07-20 12:44:32 | ややレア

ダイアスポアは前に上げた
AlO(OH)。えらく単純なアルミの水酸塩。
V字型の双晶が有名。大きくてきれいなのは高い。よくあんなにきれいなV字になるものだと感心する。作り手がちょっと陽キャなのかな。いぇーいとか。(何言ってるのかな?)
宝石名はズルタナイト。登録商標らしい。日本人にはあまり美しい音ではないけどトルコ人がそこまで気にすることは不可能だしね。(何言ってるのかな?)
で、これはマンガンを含んだダイアスポア。マンガノアン・ダイアスポアと書くべきかな。(好きにしなさい)
南アフリカの N'Chwaning II鉱山産。同産地では前にオルミアイトを上げた。カラハリ砂漠中。
カラハリ砂漠っちゅうのは南部アフリカのボツワナ、ナミビア、南アフリカにまたがる巨大乾燥地で標高1000メートルを超える所もあるけれど、雨が降って植物が生えているところもあって厳密には砂漠ではないらしい。けれどナミビアのナミブ砂漠もカラハリ砂漠の一部とされることがある。けど、今砂漠であることと大きな鉱床があることとは直接な関係はないですわな。(じゃ書くなよw)
石炭、銅、ニッケル、ダイヤモンドなどが出る。ンチュワニン第二はマンガン鉱山だとか。



ちょっと恐い写真になっちゃったかな。がおーっと言ってるみたい。(撮り直しなさいなw)
赤い。マンガンだものね。マンガンで黒くなるやつもいてそれはそれで美しいけど、赤はマンガンらしく素直でよろしい。(何言ってるのかな?)
透明度がないから大きいけど安い。高ければ透明になるのかどうかは知らない。(何略)
けどふちの部分はうっすらと透ける。ちょっとぞくっとする。アズライトなんかもそうだけど、不透明と見せかけて端っこがちょいと鮮やかな色に透けるというのは、人を驚かせて魅了する。あざとい。(何略)



結晶面の輝きが美しい。


けどこの質感はなんか長石っぽい。え? 長石はテクト珪酸塩、これは水酸塩だぜ。全然違うじゃん。なんで似てるの? だからあちきは結晶構造主義を信じないんだよね。(何言ってるのかな?)

しかしさあ、日本語版ウィキペヂア(こら)のダイアスポアの項目なんて、書きかけですよ。トルコ産で美しいV字型双晶が出るとか宝石質のものはズルタナイトという異名があるとか、そういうことすら書いてない。石界の知識人たちはさぼってない?(誰に言ってるのかな?)
でもね、これはこれでこの石の美しさを立派に表現していると思うのですね。(なんか千鳥足文章だねw)


兵庫県大屋の翡翠

2024-07-19 18:14:02 | ややレア

クリスタルワールド御徒町店さんにて。現在は入手不可能なレア鉱物。
「大屋の翡翠」。




1977年(昭和52)3月、兵庫県養父市大屋町加保坂で道路工事の際に蛇紋岩が出土、その中に角閃石類やバーミキュライトに取り囲まれて曹長石を伴う翡翠輝石塊が発見された。地層と一体になっているため翡翠の自然産状を示す日本唯一の事例といわれている。昭和58年3月に「加保坂の硬玉(ヒスイ)原石露頭」として兵庫県指定文化財に指定。詳しくはこちら。ただしけっこう誤表記のある記事です。

クリワさんの説明。
《曹長石と混在する翡翠輝石岩です。発見現場は兵庫県が文化財に指定して保護されています。この標本は昭和52年の林道工事の時に下の谷(日城谷)に捨てられた廃石の中から採取したものです。現在では谷での採集も禁止されています。》
「宝石としての価値はゼロです」とも書かれていた。これは大屋町のサイトにもある言葉。

現地写真はこちら。ウィキコモンズから。

色は白っぽいですけど、あちきはこういう淡いのは好みです。
そして何より長石との混合。結晶面がキラキラと光る。

稀少というだけでなく、いい石だと思います。

     *     *     *

翡翠がどうやってできるかというのは、いまだに謎。
一時は「低温高圧状態で曹長石から生成される」という見解が有力だったが、その際にできるはずの石英があまり見られないことから、曹沸石からではないかという説が有力になっている。らしい。けどその曹沸石がどうやってできたのかはどうもよくわからない。
ところが大屋地域では曹長岩中に大きな結晶が見られるだけでなく、曹長岩中の亀裂に翡翠が脈状に生成している例もあり、「熱水からの生成」ではないかとする説も出ている。こちら。ええ? 熱水からあんな姿のものが出る?

結局のところ、まだ「わからない」のです。産状の地層がはっきりしているこの翡翠でも、何かがわかるわけではない。
ただ、こういう長石のキラキラが入るというのは、糸魚川のものにはあまりないようで、だとしたらちょっと特殊かもしれません。あちきのような素人が持つべきではない石かな。

翡翠は「国石」。しかし謎を秘めた石。
そして翡翠の一番の魅力は、糸魚川あたりへ行けば「(運がよければ)誰でも手に入れることができる」ということかもしれません。えらく民主主義的(?)な石ですね。そういう石が国石になっているというのはいいことではないでしょうか。


どっかーんと不思議な青翡翠

2024-07-17 20:21:35 | 単品

ヤフオクは時々エアポケットのように応札者が集まらずよさそうなのにお安く落札できてしまうものがある。なんでだかはわからない。
これもその一つ。巨大な翡翠。普通は万だろうに恐ろしく安かった。
で、どっかーんと到着。



でけえ。前に白翡翠のでかいのを安く落札したことがあったけど、もっとでかい。幅17cm、2.45キロ。漬け物石級。
大きすぎて皆さん引いたのかな。あちきは水石のおかげで大きいのには馴れてきている。美濃の壷石にはまいったけど。(もうベランダ出られないんじゃないの?w)

でかいだけじゃない。実に面白い翡翠。
出品者は黒部市の薬石苑さん。プロです。説明にこうある。

《糸魚川翡翠原石【超稀少タイプ】青色の翡翠 2,450g
■産地:新潟県糸魚川市姫川or青海川(記憶曖昧)
■状態:サンドペーパーによる表層の汚れ取り
■サイズ:170mm×130mm×63mm
■重量:2,450g
■透明度:良く透す&極めて良く透す(目視確認)
■採取地:約27年前(47歳)頃に姫川or青海川(記憶が曖昧です)
一見、横川のコバルト翡翠若しくは糸魚川アイトに見られる色模様ですが、横川コバルトの透明度は微弱なのに対し、こちらは格段に透明度が高く、糸魚川アイトの色模様は柔らかくて研磨で落ちてしまいますが
この原石は殆ど落ちる事はありません。入コン沢の青色翡翠の様な石質でありながら、横川コバルトや糸魚川アイトの様に雫模様やアメーバー状の模様を持った極めて稀なタイプです。》

27年前に47歳? あちきより(そういう話はやめときなさい)
プロがそう言うんだから間違いないでしょう。
あちきの素人目でも、翡翠の重厚な質感が感じられる。白も青もいい色。あちきは緑よりこういう方が好きです。



透明度もある。仄緑のいい色ですぜ。

不思議なのは表面のクラック状模様。みしみしと圧せられたか熱せられたかのように、ひび割れている。あんまりこういうの見たことない。何なんでしょう。

詳しいことはこれ以上わかりませんが、とにかく迫力があって、美しい。
稀少品なら数十万でもおかしくないだろうに、超安値でラッキーでした。安くてもお宝。(めでたしめでたし)
なでなですると、大きいからひんやりずっしりして、とても気持ちがいい。握り石なんぞの比ではない。
いっそ抱いて寝るかな。(ええ?) どんな夢を見るか。(溺死の夢とかw)


マジカル・グロシュラー

2024-07-15 14:36:00 | 単品

そんな石はありません。
あ、もうガーネットのごちゃごちゃはやりません。カルグロです。(こら)

前に買ったものなんですけど、改めて見たら不思議な色をしている。
ん?と思ってライトをいろいろやってみたら、こやつ、七変化する。
普通に見るとグロシュラーにしては淡い、ちょっと曖昧な色。

これが透過光だとプレオクロイズムみたいな変化をする。緑がちらちらする。

何か青まで見える。あんたはコーネルピンですか?みたいな。

白熱灯ライトだと濃いい赤になる。これは赤系のガーネットではよくある。

それを透過光にするとまたまた妙な彩りになる。



青系のLEDだと沈んでしまう。あちこちでキラキラが輝くんだけど写真には撮れない。

普通のガーネットは赤やオレンジがきれいでも、こんなに変な化け方はしないようで。
何か変な、美しいやつです。Tunduru, Tanzania産。こんなのもいるんですねえ。


ジルコン原石 付・ジルコニウム鉱物

2024-07-14 10:56:41 | 単品

これも一応希元素鉱物。
ジルコン。ふやすんす鉱。(そんなんあるか) ひやしんし鉱?(違うって)
Zr(SiO4)。発見されている地球最古の鉱物。

前にも上げたけど、カットルースはあちこちで見る。屈折率が2前後でコランダムやガーネットより高いからキラキラする。色もとりどり。
けれど原石はあまり見ないし、あってもルースのように美しい!というのは少ない。どういうことなのだろう。
何かいいのあったら見てみたいな、と思っていたら、パーフェクトストーンさんからこんなんが出た。

ブラウン・ジルコン。こういう自形結晶というのは案外ないような。
側面の条線もきらきらとして美しい。

通常光では暗いけれど、強い透過光だと素晴らしい輝きを見せる。

素晴らしいですねえ。

もう一つ、ヤフオクで「オレンジ・ジルコン」。
曖昧な色で、淡い藤色にも見える。きらきらしてなかなかの味わい。


これは加熱処理のブルー・ジルコン。素晴らしく澄んだブルー。



しかしやっぱ何となく捉えにくい石ですねえ。


おまけ。
ジルコニウムを含む鉱物は mindat によれば136。あちきが聞いたことがあるのは、
 バデレイアイト(バッデレイ石) Baddeleyite ZrO2
 カタプレイアイト(カタプレイ石) Catapleiite Na2Zr(Si3O9)・2H2O
 ユーディアライト Eudialyte Na15Ca6Fe3Zr3Si(Si25O73)(O,OH,H2O)3(Cl,OH)2
くらい。ありゃ、ユーディアル君もそうなのね。混合岩石のイメージが強くて忘れていた。

笑えるのは、ウェイダイト Wadeite K2Zr(Si3O9)。ベニトアイト・グループでベニトの所で一度名前を書いている。これ、和名では「ワデ石」だそうで。えええええ? そりゃないだろw シャッツク石に匹敵する迷名ですな。明治維新期の命名ですか。(悪態はよしなさい)

ほかにこんな名前の石もあった。(暇ですねえw)
 ダヴィンチ石 Davinciite Na12K3Ca6Fe32+Zr3(Si26O73OH)Cl2。結晶がユニークらしい。
 迷宮石 ラビリンサイト Labyrinthite (Na,K,Sr)35Ca12Fe3Zr6TiSi51O144(O,OH,H2O)9Cl3。はあ? なんと800の元素を配位子として含むらしい。そんなんあり? ロシアで出るらしい。ほすぃ。