貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

アメジスト再び ベラクルスとブランドバーグ

2022-05-15 21:04:53 | 単品

アメジストについては前に取り上げていて、こんなことを書いてました。
《もしアメジストがもっとレアな石だったら、たぶん法外な値段になって、四大宝石に並ぶ宝石になっていたでしょう。石作りの神様が、貧しき人でも石の美を楽しめるよう、アメジストをたんまりと作ってくれたんじゃないか、なんて気もするんです。》
超高額品もあるけれど、涙が出るほど安いものもある。
「万民の宝石」と言えるかもしれませんな。

で、そのアメジストの中でも、超有名、泣く子も黙る(もうその言い回しやめいや)のが、これ。
「ベラクルス・アメジスト」
メキシコの名産地。もっともクリスタルワールドさんも Vec Stone さんも「ベラクルスで出るものがすべて美しいわけではない」と書いている。まあそりゃそうだ。Vecさん曰く、
《安山岩の空隙に出来た美しい結晶で、「ベラクルスアメジスト」の名称で世界的に有名です。世界一美しいというアメジストだが、どんな産地でも美しいものもあれば、そうでないものもあります。》
まあ有名品だけあって、だいたい高い。
ところが、毎度おなじみ五反田さんで、なかなかのものが何と3ケ2500円で売っていた。ありがたいですねえ。
一個は嵌入結晶があって趣がある。



ベラクルスは Veracruz と書くけど、スペイン語ではVとBは同じBなのでベラクルスでいい。よく「日本人はVとBの区別ができない」と馬鹿にしたような口調で言う人がいるけど、スペイン語人だって同じじゃん。ちなみにLとRだって、印欧語族系でさえも発音分けは簡単ではないらしく、Rの発音は国・民族によってばらばらで苦労の跡を残している。何の音がないとか一緒くたにするとか、そういうのはどこにでもあるごく当たり前の話なのだよ。(何の話をしている?)

ベラクルスは色が淡い。へたをすると普通の水晶じゃないですか?みたいなものもある。
けれど、その微妙繊細さが何とも言えず素晴らしいのですね。この3ケ2500円でも、十分その美しさを味わえる。
回転台に乗せて回すと、ずっと見ていて飽きない。動画はこちら

     *     *     *

そして先ごろ出会ったのが
「ブランドバーグ・アメジスト」
ナミビアの Brandberg 地域産。
おなじみパーフェクトストーンさんで出ていた。

《ナミビア共和国・ブランドバーグ山地ゴボボセブ(Goboboseb)産
世界中のコレクターが愛する鮮やかな紫色が有名なブランドバーグ産アメジストです。
ナミビア北西部に位置するブランドバーグエリアやエロンゴでは様々な鉱物が産出します。現在では過熱気味の採掘のため、産出量が極端に減少しています。》

ブランドバーグは、ベラクルスと対極で、おおむね色が濃い。黒っぽく見えることもある。赤みも強い。なのであちこちで見かけても、あまり触手は動かなかった。
けれど、今回のものはちょっと違う。動画で見ると青や橙が妖しく光ってえらく魅力的。レピドクロサイト入り、さらに「水入り」とある。それなのに値段が安い。で、ぽちった。

通常光で見るとかなり暗い。ただショーケースにぽっと置いておいただけではなかなか買われないかもしれない。
ところがところが、強い光を透過させると、とんでもない変身を遂げる。

写真には出ていないけど、赤、オレンジ、黄色、青、緑などが揺らめく。
ちょっとアキシナイトの透過光変色を思い起こさせる。色彩自体はこちらの方が鮮やかかもしれない。実に素晴らしい。
動画はこちら

「水入り」は、確かに一か所で小さな泡が動く。けど、その場所はわかっているのに見えたり見えなかったり。老眼ですし。まあ小さな隠し芸というところですかな。

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ベラクルスにしろ、ブランドバーグにしろ、高級銘柄品をお安く売ってくれるショップは実にありがたいものです。
アメジストの世界も奥が深い。もう少し足を踏み入れてみようなかという気になっているのです。(大丈夫か?)


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