貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

青水晶① デュモルチエライト・イン・クォーツ

2022-05-08 11:24:15 | 単品

色のついた水晶というのはいろいろありまして。

紫:アメジスト
黒:モリオン
黄:シトリン、レモンクォーツ
茶:煙水晶
赤:タンジェリーナ、ヘマタイト/レピドクロサイト/カコクセナイト入りなど

色がついてなきゃ面白くない、というのか、色がついてるのもまた面白い、というのか、色がついてるのは別物、というのか、まあいろいろな意見があるでしょう。
けど、緑と青というのは、あまりない。天然石で緑や青というのはけっこう多いのに、水晶が遠慮したのか。(しねーよw)

緑ではフックサイト入りというのがあるけど、レア。高い。一回五反田さんで12ミリくらいのビーズを見たことがある。惚れ惚れするほど美しかったのだけど、1粒で3万円以上。は? の世界。入り立てで一際高かったらしい。
クローライト入りで薄緑に染まっているものもある。けどだいたい中に濃い緑の結晶が固まっていて全体が染まっていない。
ところが、緑水晶クラスターというのが誠安さんなんかでけっこう安く売られている。人工(ないし半人工)ものらしい。中国製らしいけれどどうやって作っているのか、不思議。

青も人工のブルークォーツというものがある。H&E社というところで作られた「シベリアン・ブルークォーツ」。ちなみにこの&を「で」と読んではいけない。(こらw) かなり明るい青。ちょっとあちきの趣味ではない。ほかにロシア産人工水晶の青版というのがセルフクリエイションさんで売られている。いつ、どうやって作られたのか謎。これも明るい青。でかくてえらく高い。加工したら面白そう。
天然の「ブルークォーツ」は、インクルージョンによって青く染まっているもの。
インディゴライト、アエリナイト、マグネシオリーベック閃石、そしてこれから書くデュモルチエライト、ラズライト、トロレアイトなどが散りばめられているもの。

前にも書いたけど、青く透き通った石で、大きなサイズのものというのは、ほとんどない。フローライトくらい。大きな水晶で青いものがあったらさぞいいだろうなあと思うのですけど、ない。でも青い石は好きなので、青い水晶にも触手が動くのでありました。
(しかし前置きなげーよ)

     *     *     *

で、最初はデュモルチエライト・イン・クォーツ。
近年になって発見されたもので、人気が高い。
名前はフランス人のデュモルチエさんから。前も書いたけど、和名のデュモルチ石というのはひどい。エはどこへ行った。いっそジュモルチエ石と書いたらどうか。(悪態をつくな)
Dumortierite。組成は Al7(BO3)(SiO4)3O3。アルミニウムの硼珪酸塩ですな。何か酸素が変なところにくっついているけど。同じアルミの硼酸塩だとかの有名なマジェマジェバイトがある。(こら) すみません、ジェレ何とかです。(さぼるな) あちらはAl6[(F,OH)3|(BO3)5]でケイ酸が入っていない。
単独のデュモルチエライトだと、かなり暗い紺色の石。栃木県産もある。宝石質の結晶は、ごく小さなものがマダガスカルで稀に採掘されると言う。カットルースも売られているけど色はぐっと薄くなって鮮やかな青というわけではない。
水晶に入って出てくるものは、針状結晶ないし毛細糸状。固まっていたり全体を染めていたりといろいろ。
とても人気があるようで、とにかく高い。まあいいやと諦めていたのだけど、セルフさんで、何とか手が出る値段であったのでぽちっ。

大きさは15ミリくらい。ルーペで見ると、確かにごく細い結晶が見える。いや老眼なので「見えるような気がする」。
うーむ。独特の美しさはある。しかしコストパーフォーマンスという点ではちょっと……。人気が先行しすぎじゃないかなあ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿