貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

モアッサナイト

2023-10-22 09:32:27 | 人工鉱物

人工石というのはあまり食指が動かなかったのだけれど、どうしても見てみたいと思ったものが出てきまして。
その一つがモアッサナイト。
言わずと知れた「ダイヤモンド類似石」。といってもダンビュライトなどの「安価な代用品」とは格が違う。人工石ではあるけれど性能としてはダイヤモンドを凌駕する。
・屈折率 モアッサナイト:2.65~2.69 ダイヤモンド:2.42
・分散度 モアッサナイト:0.104 ダイヤモンド:0.044
・ダイヤモンドは立方晶系で複屈折なし。モアッサナイトは六方晶系で複屈折あり。複屈折があると干渉による色彩変化や方向変色(多色性)が見られる。
まあ、つまりですね、「ダイヤよりすげえぜ」という石なのですね。
だから、実際に見たかったのです。で、夕星庵さんでお安めのが出ていたのでゲット。



(何だよこの写真)
いや、あちきの写真技術では写らんよ。つか、こんなん写真じゃ無理。だから買ったのだ。(居直ったな)

「どうだい、ダイヤよりきれいかね?」と聞かれると返答に窮する。そもそもダイヤなんて一つ格安品を持ってるだけであんまり見たことないから、比較の基がない。モアッサナイトにも品質の良し悪しはあるだろうし。それに、この手のものはカットの技術で大きく左右されるから、石そのものの美しさなんてなかなかわからない。(それじゃ意味なくね?)
けれど、やっぱり美しい。すごい。きらきら。色いっぱい。

モアッサナイトは SiC。こんな組成があってたまるか、みたいな組成。ウィキによれば《ダイヤモンド型の骨組みの中に炭素とケイ素が交互に積み重なっており、ダイヤモンドとケイ素の間を取ったような性質を示す》とのこと。天然に産出することはきわめて稀で、隕石に含まれていることがある。1998年にアメリカの企業が合成に成功。特許が2016年に切れたので、今は世界中でばんばん生産されているとのこと。

そう言えば、熱伝導率でも、ダイヤモンドの2000にはかなわないけど、モアッサナイトは490と図抜けている。トパーズは20くらいなのだけど持つと冷たい。モアッサナイトはどうか、と思ったけれど、こんなに小さなルースでは瞬時に温まってしまうからまったく冷たさは感じませんでした。笑い。

まあ、特殊な変な、きらっきらの宝石。それを手にすることができてとても満足しております。