貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

出雲鏡石

2023-10-01 12:49:16 | 国産鉱物

ヤフオクを眺めていたら知らない石が出ていた。
「出雲鏡石・隠岐黒曜石セット」。もうすぐ終了で入札0。割とお安いのでポチっ。
で、調べてみると、ツイッターで知っている「Anahita Style」さんの商品。「“めのや”で購入」と説明があったのだけど、めのや=Anahita Style とは知らなかったのです。
直径20ミリ。





いいですねえ。こういう色々な鉱物がごちゃごちゃっと混じり合った石というのは、あちきは好きです。派手ではないけど、何とも言えない味わいがある。

この「出雲鏡石」は「めのや」さんが近年商品化したものだそうで。

《出雲鏡石とは、島根県出雲市にある「鏡山(かがみやま)」で約1500万年前の噴火によって形成された天然石です。鏡山は、古事記における「ヤマタノオロチ伝説」に登場する斐伊川と、風土記に登場するスサノオノミコトの御魂を祀る須佐神社のほとりから流れ出る神戸川の中間に位置する山で、現在でも地元の人々にとても愛されている山です。
出雲鏡石は7つもの鉱物から形成されており、非常に表情が豊かな天然石であるという魅力を秘めています。その7つの鉱物とは…
 石英(英名:Quarz)
 斜長石(英名:Plagioclase)
 緑色黒雲母(英名:Green Biotite)
 角閃石(英名:Hornblende)
 チタン磁鉄鉱(英名:Titanomagnetite)
 カリ長石(英名:K-feldspar)
 海緑石(英名:Glauconite)
出雲鏡石の商品化は、アナヒータストーンズの担当者自らの手により、鏡山での採掘、企画開発を行い、遂に販売にいたることになりました。》出典

新規開拓したというのは偉いですねえ。

安山岩ないし閃緑岩に近いのでしょうかね。どちらも安山岩マグマ由来。玄武岩よりシリカが多い。
海緑石は雲母の一種で組成は (K,Na,Ca)(Fe3+,Al,Mg)2(Si,Al)4O10(OH)2。えれえ複雑だな。主に堆積岩に産するのだけど、まじゃったということかな。しかしグローコナイトとグローコフェンって紛らわしいね。

     *     *     *

出雲には出雲石という緑系の玉髄がある。こんなん。
磨き石。

原石。

ちょっと地味だけどいい味わい。良品だともっと華麗なのかも。

こういう「地場」の石というのは、なかなか有名にはならないけど、いいですね。
○○石というのがヤフオクにたくさん出ていて、何だろうと思ったら伝統的鑑賞石の世界では知られている地域特産石らしい。玉髄とか瑪瑙とか珪化木とか。
そういう世界と近年のジェムストーン・コレクション(そういうとなんかかっこいいね)の世界とはどうも隔たりがある。
まあ伝統的鑑賞石は「景色」を愛でるものであって、見立てとか幽玄とか、独特の美学があって素人にはなかなか難しい。「わあきれい」の世界ではない。ジェムストーンは「わあきれい」で構わないわけで、簡単。
しかし色とか質感とかなかなか素晴らしい石もある。磨き石にしたら案外売れそうな気がするものもある。幌満の橄欖岩なんか、磨いたらいいルースになりそうな気がするんだけどねえ。
地方の特産石がルースとかタンブルになってもっとジェムストーンの市場に出るようになるといいなあと思っておるのであります。