丘を越えて~高遠響と申します~

ようおこし!まあ、あがんなはれ。仕事、趣味、子供、短編小説、なんでもありまっせ。好きなモン読んどくなはれ。

追想

2015年12月26日 | 四方山話
 大の大人が一人いなくなると、ずいぶんといろんなことが変わるものだ。

 
 ご飯がなかなか減らない。洗濯物の量が激減。テレビを見る時間が激減。玄関の靴も激減。ガレージの車が一台に。増えたのは業者が持ってくる線香と友人・知人からのお供えのお菓子、それをせっせと食べる私とチビ子の体重くらい。


 仕事をしていると世の中にはこんなにたくさんお年寄りがいて、デイサービスにはご夫婦で来られている利用者さんもいて、長生きするのが当たり前な空気にあふれているけれど、ふと「私はおいて行かれてしまったなぁ……」などと思う。一緒にいてても最近はあまり会話もなく、絵に描いたような倦怠期でむかつくことの方が多かった。それでもそのうちどこかで軌道修正して、そこそこの歳になるまでは一緒にいるのだろうと思っていたのだけれど、軌道修正もくそもなく、「はい それま~で~よ~」とクレイジーキャッツよろしく終わってしまった。

 父の介護は二十何年したのに、亭主は一瞬で去っていったというのもまた少々皮肉なことだ。ちょっとくらい心構えの期間があってもよろしかろうと思う。
 今頃あの世で二人で愚痴っていたりするのだろうか。

 


 さ、チビ太郎を迎えに行こう。

 


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