保健室コーチーチングアドバンスコースを修了された養護教諭の先生から実践報告を頂きました。
許可を得て、ご紹介します!これ、すごいですよ!!
報告
昨日、アッと驚くようなことがありました。
本校ではよくあることではあるのですが、特定の授業に行きたくないと4月以降出席していない子がいました。
ただ、いつもだと、たいていは「メンバーが嫌だ」「先生が厳しいから行きたくない」など、
理由が一応はハッキリしています。
しかし、今回の子は、だれが話を聞いても「理由がよくわからない」
本人も聞かれたことに答えはするものの、最終的には「よくわからん」と答えていて、
でも、体は動かないようでした。
私も、何度か話を聞いたりもしましたが、
どうしたらよいのやら「よくわからん。。。」となってしまっていました。
高校なので、出席しないと単位取得が見込めず、担任も教科担任も「どうしたものか。。。」となっていました。
3年生なので、単位を落とすと卒業や、その後の進路にも響いてくる、本人も自覚しているがでも嫌なものはいや、という状態でした。
昨日、ふと「あ、これがよく講座のときに姫先生が言われている状態なのかな」と思い出しました!
体感覚優位な子に、いくら言葉で答えさせようと思っても難しいという、先生のお話です。
そこで、「3つの未来」のワークをしてみることにしました。
①授業に今後全部出る、②今後授業に出ない、③単位がぎりぎりとれる取れる程度に出る、の3つで体験しました。
終えたときに「どんなこと感じた?」と聞いたら、
「③が一番楽だった」「②で、今後授業に行かないっていう選択をしても結局しんどいんだなって思った」
と答えていました。
このあとは、あまり授業どうこうの話はせずに過ごしたのですが、
最後に「担任の先生からは、たぶんこの後、今後の授業のこと聞いてこられると思うけど、どうする?」と尋ねたら
「来週から出ます」とあっさり言って、聞いておいて「え?出るの?」と言ってしまうほどでした!
何しろ、毎週毎週、廊下や教室で、授業へ行きたくないと号泣しているような状況だったので・・・・
「行かなくてもしんどいんなら、行こうかなあって思って」とのことでした。
その後、担任から「先生、どんな魔法をかけたのですか」と聞かれました。
部活の顧問の先生からも、昨日は最後まで部活にも出たらしく、
「何がどうなってるんだか。。。」と言われてました。
そのとき、ふとベーシック第1講のときに、アシスタントの方が話されていたことを思い出しました。
「保健室コーチングで学んだアプローチで子供にかかわると、本当に子どもが変化する。担任が<先生、どんな魔法をかけたんですか>って聞かれたこともあるよ」
というお話で、その頃は、すごいなあ、そんな風なアプローチできるようになりたいな、と思っていました。
とっても印象的だったので、ずっと自分の中に残っていて「あ!つながった!」と感じた瞬間でした。
ワークももちろん影響したのだとは思うのですが、
これまではずっと「授業へ行かせよう」「原因を話させよう」というような、操作しようという思いがあったかと思います。
ワークをすることで、「そうそう、ニュートラルだ」ということを思い出せました。
生徒たちは、本当に敏感にこちらの無意識に反応すること、
相手の力を信じてかかわることで、本当に力を出してくれることを実感しました。
最初は「ちょっと嫌だな」ぐらいだった思いが、みんなが寄ってたかって「授業へ行かせないと!」という思いでかかわることによって、
どんどん生徒の中でも無意識に抵抗する力が強まっていったのかなあと感じました。
今回の件は、講座で出てくる「解決と変化」ということですよね。
問題が解決したわけではないけど、本人の中に変化が起きたことで、問題が表出しなくなったんだなと感じました。
講座のお話ひとつひとつが、「こういうことか!」と後になって、しみじみと実感できています。
本当に、保健室コーチングの威力を感じた一日でした。
その後も「ああやって言ってたけど、本当に来週授業へ行くんかな」という声も聞かれましたが、
「信じましょう。」と本心から言えました。
日々が、発見、気づきの連続です。