姫先生のおめめ

25年間の養護教諭の経験と脳科学、波動理論から引き出すレジリエンス向上について書いています。

養護教諭の関わり=カウンセリング という図式に「?」

2006年09月12日 | 保健室コーチング

【2006年の現職中の記事に、2017年加筆しました(青地部分は加筆)】

   この記事を書いた当初は、「相談活動は、カウンセリングで行うものだ」という「モンダ」が主流でした。

  しかし、それに疑問を感じていた当時、私は、NLP心理学、脳科学に出会い、

  カウンセリングとコーチングの両方が必要ではないかと感じ、現場で実践していました。

  当時は、私の考えは否定されていました。

  でも、絶対に必要だという時代に流れが来ると信じていました。

  そして、今、文部科学省は、「コーチング」「脳科学」の両方を今後の教育現場での活用という方向性を示しています。

  以下は、2006年当時、教育困難校の現職養護教諭であった自分が、感じていた「養護教諭の関わり=カウンセリング」という図式への疑問が書かれています。

 

(以下は、2006年に書いた記事)

 

 保健室でのかかわり=カウンセリング という図式にずっと疑問を抱いていました。

 必要条件かもしれないが、充分条件ではない。


 これが、私の長年の養護教諭としての経験の答えです。

 養護教諭の研修会というと『カウンセリング実習』だったりする。
 これは、これで、すごく必要。

 でも、養護教諭はカウンセラーではない。

 養護教諭は教育職です。

 養護教諭って何をする人なのか。そのアイデンティティは何?
 養護教諭が持っている価値観は何?

 私は、「子どもの可能性とエネルギーを引き出す人」としての養護教諭でありたいと思っています。

 養護教諭に期待されるものと実際に保健室で養護教諭が必要だと感じていることには、実はすごく大きなギャップがあって、

 それが、養護教諭のさまざまな取り組みや日々の子どもとのかかわりに壁を作っているのではないかと思うことがあります。

 少しずつですが、学校に、スクールカウンセラーや心の相談員が配置されつつあります。

 養護教諭は、カウンセラーでも、相談員でもない。もちろん、看護婦でもない。


 当然ながら医者でもない。薬剤師でもない。

 なんなのか。養護教諭の間では、養護教諭の専門性を確立しようという動きがある。

 養護教諭に期待されるものの中に「カウンセリング能力」なんてものがあるが、カウンセリングさえできれば、子どもへの対応はばっちりなのだろうか?

 カウンセリングを否定するのではない。スクールカウンセラーが臨床心理士として個別のカウンセリングをしてくださることが、学校教育にとっては大きなプラスだ。


 教育カウンセリングということばもある。この概念やスキルは、養護教諭だけでなく、一般教師にも管理職にも必要なものであることはいうまでもない。

 ただ、保健室で、たくさんの子ども達に関わってきた経験から言うと、


 養護教諭のかかわりのスキル=カウンセリングという図式が疑問なのだ!!!

 カウンセリングということばだけが、魔法のスキルのように、独り歩きしているのが疑問なのだ。


 養護教諭がカウンセリングだけにたよったかかわりをしようとすることによる落とし穴があると感じている。



 数年前のある研究会で、あいさつをされたとある「エライ人」が、「カウンセリングの資格をもっている人!」と、尋ねられたことがあった。

 うーーん、なんかちがうんでないかい?と思ったのだ。

 養護教諭は養護教諭だよ。


 カウンセリング技術も必要だけど、カウンセラーじゃないんだよ。

 もう一度いいますが、カウンセリングは大切だ。必要だ。


 でも、それを学んで、資格があればOKなのではないのだ。


 資格を持っていることで、それ以外の学びをしないことが問題だし、それをもっているから、大丈夫って意識があればそのほうが問題。


 山崎トレーナーのNLPを学んで、スキルで人を助けることはできないんだと

 実感している。


 受容や共感って、スキルではないんだ。



 じゃあ、なんなんだ。

 養護教諭に必要なものってなんだ。

 教育職としての、もっと本質的なもの。


 
 以前、ある若い養護教諭さんが、

 「受容とか共感って言われても、それだけで実際問題、何も前に進まないって感じたことがあります。」

 と話していたことがあった。

 
 これは、いいかえれば、問題に焦点を当てていくことだけでは、保健室での対応は、不十分だということでもある。
 
 そのことを、NLPの仲間と語り合った。
 
 NLPとかコーチングとかそれをやりなさいといっているのではない。

 流派を超えたところにある本質的なものに目を向けて、子ども達に対応することが大切なのではないかということ。

 カウンセリングがいいのか、コーチングがいいのか、というそういう二元論のレベルの話ではないということ。

 まずは、「養護教諭の関わり=カウンセリング」という図式をはずそう!


 そこから、自由になることで、これまで学んだカウンセリングというものが、もっと生きてくるはず。

 

 【以下も2017年加筆しました】

 以上のような考えのもと、私は 現場でNLPコーチングとNLPカウンセリングを実践検証し

 保健室コーチングというコンテンツにまとめました。(以下の図に、カウンセリングとコーチングの違い、さらには保健室コーチングの違いを紹介しています)


 保健室コーチングは、教育現場におけるNLPと脳科学の活用メソッドです。

   学校現場においては、「コーチング」「カウンセリング」という壁を作る必要はなく、

   心の教育、目標達成力、自己肯定感など総合的な視点から「生きる力(レジリエンス)」を育てていくという視点が必要となってくる。

   保健室は教育の場である。  養護教諭は教育職である。

  「悩みへ対応」「悩みは消し去るもの・排除するもの」というスタンスから

 「問題を学びに変えるかかわり方」「生きる力の育成」へシフトしましょう。


  

  

   





 


 

 





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