保健室コーチングベーシックコース東京2期第2講1日目
第1講から約1か月。その間のシェアから始まりました。
受講生さんが 現場に戻って 実際に 来室した子どもたちの訴えに 対して 学んだことを活用された事例を報告してくださいました。
■文化祭が近づいたある日 『やることがいっぱいで夜眠れない日が続いて体調が悪い』と保健室にやってきた男子生徒。保健室のベッドに入っても眠れないようす。話を聞きながら、問題を解釈で大きくしてしまっているようだったので 第1講でまなんだ 確認質問やチャンクダウンを使って 思い込みを砕いていったら 実は文化祭の出し物のことがうまく上達していないことが気になっているだけなのだとわかった。しかも その出し物自体も全くできていないわけではないとわかり 問題の最小化をすることができた。それがわかると 男子生徒は安心して保健室で眠り そのご元気に教室に戻った。その後 取り組むべきことが明確になったので その練習を続け 文化祭に出演できた。これまでとは違うかかわりができたことに自分でも「できた」という実感がわいた(M先生)
■複数配置の相方さんが 第1講終了後から激変。自分の状態が安定したら 相方が変化した。びっくり。ふっと気が抜けて 自分自身の内面のハンドルを手放した状態になると 相方の態度が元に戻る。子どもたちが これまで2名の養護教諭が保健室にいても自分の存在に気づかないかのように 相方のほうにばかり行っていたのが 「先生 先生」と 寄ってくるようになった。自分の状態でここまで変わるのかとびっくり。(I先生)
■以前、「長距離が苦手 長距離をやろうとすると吐き気がして気分が悪くなる」と来室してきた子に 「未来の椅子」のワークをやったことがあったが、その子が最近来室して「先生、最近走るのが楽しくなった。走り始めると気持ちいいんだよ」と報告に来た。変化が起きていたのがうれしかった。
■前回 自分の内面の状態がアプローチの際に 相手に影響を与えていることを体験し、子どもたちが来室した際に 「なんとかしてあげよう」という想いを手放して 自分の状態管理をすることに努めた。そして相手への想いも「信頼」に変えて対応した。こちらのその状態で 子どもが 自分で冷静さを取り戻していくということが起きた。(H先生)
■被害妄想がひどく、頻回来室する生徒に 「いつまで その悲劇のヒロインやる?」と聞いたら はっとした顔をした。いつも来室時に起きる過呼吸状態も起きなかった。(T先生)
受講生の方々が 学んだことを即実践され 成果を上げていらっしゃいます。スキルで何とかしようとか ただ寄り添うというきれいごとではなく ツボをとらえた対応で 短時間に子どもたちの意識や行動に変化を起こされてますね。すばらしい~。
さて 第2講1日目のメニュー
(1)アサーション
以前は 時間を割いてワークなども取り入れてやっておりました。
最近のコースでは、アサーションをスキルとして特に行わなくても 現場において「断る」「お願いする」というコミュニケーションが 自分の状態管理一つで非常にスムーズにできることを体験していただいていますので、その状態管理の上に こうしたやり方もあるよ~という程度にしています。スキルより状態管理ひとつで勝手に自分の想いも相手への配慮も含めたコミュニケーションができます。
(2)評価と承認 ニューロロジカルレベル
評価と承認はどうちがうのか?
私が現場にいるときに「承認」の天才かと思う先生がいらっしゃった。その先生はいったいどのように 生徒たち一人一人が活きて 意欲がわくような承認メッセージをかけていらっしゃったのか。
教育現場や家庭で ニューロロジカルレベルの理論に基づいて どのように言葉がけをしたらよいのか、また、子どもたちが話す「自分自身の表現」をちゃんと聞き取って、必要ならば 脱同一化のアプローチをかけることなどをお伝えしました。(脱同一化をするためには 感情に寄り添っているばかりではできない。アプローチをかける人間がニュートラルな状態を保つことが必要)
(3)リーダーシップとニューロロジカルレベル
養護教諭はたとえ新任であろうと 学校保健のリーダーとして、リーダーシップを発揮する必要があります。リーダーとは何をする人か。周囲をぐいぐい「引っ張る」人ではなく ゴールを掲げ かかわる人たちを「コミュニケーション」によって 主体的にゴールに向かうようにすること。また、養護教諭がリーダーシップを発揮する際に「ミクロ」「マクロ」「メタ」の3つの視点があり、視点によって影響力も違ってくる・・・
など NLPのリーダーシップを 学校という現場に落とし込んでお伝えしました。
担任と養護教諭という立場の違う部署で同じ意識を持って取り組むためには?
担任やその他の教員に 共通理解をもって 学校保健の行事や取り組みにかかわってもらうためには?そこに 養護教諭としてのリーダーシップが要求されます。
また 外部組織や保護者には どのようにして 共通理解をもってもらうのか?
スキルとしてのやり方ではなく 人が動くための脳科学的理論とリーダーとしての視点
そして アイデンティティーレベルの認識の大切さをお伝えしました。
理論の後は ちゃんと体におとしこみますよ~ということで
リーダーシップとニューロロジカルレベルの関係性をテーマとした 体感ワークを行いました。NLPのニューロジカルレベルの統一を 教育現場バージョンに変えてのものです。
ニューロロジカルレベルを歩いていくことで 養護教諭としてのあるいは 一人の人間としての アイデンティティを明確にしていきます。
WAHT'S DO I WANT? をみつけていくワークです。
それぞれの ペアで必要な気づきが起きていて 深い気づきに涙される方 自分を持つことの大切さを実感された方 自分のなかでなんとなく気づき始めていた自分の「あり方」が一つのメッセージとして明確になった方 一つ一つの段階を歩くたびに それがより明確になり具体的になっていった方
このワークは 実は これまであえてやらなかったワークですが
今回から 取り入れることにしました。
教育現場バージョンにしたことで 子供たちにも使えますね。
(5)悶絶 コクボクエスチョン
悶絶 涙 なっとく 笑いの本質的質問ワーク。
支援する側が ニュートラルで 淡々と質問することで 相手が気付きを深めます
(4)おまけなんだけど とっても本質的なワーク
最後にやったのは テキストのどこにも書いてないワークです。ちょっと補足的に必要だなと思う方に対して 場の協力を得ながら ワークをします。
■自分飛ばしの状態では ほしいものがつかみきれないよワーク(長い名称だ)
保健室コーチングでは 「自分飛ばし」ということばを使います。
自分を消して 相手に合わせて生きている状態になった時 「あ、とんだ」っていう表現をするのですが これをやっている養護教諭さんは多いです。自分が飛ぶ瞬間がわかるとコントロール可能になります。
今回は 飛んでいる状態とそうでない状態で 「ほしいものを手に入れる」ということがどれだけ違うのかという実験と自分の状態を知るということで 取り組んでいただきました。
■相手を受け入れた状態で関わる
苦手でついつい「あんたが受け入れてくれないから 私もあんたを拒否するの」ってやってしまう人間関係パターンをかえる状態管理をすると 相手との関係性に変化が起きるというワークです。すべて 自分が発信源。
■状態が変わると相手が行動を変える
こちらもついつい自分の想いを相手におしつけてしまうという状況から 自分の状態を変化させるだけで 自分の表情も視界も対応も全部変化し 結果として 何度言ってもやらなかった子が 行動を変化させるというワーク。
相手役をしてくださった方は まったくその子のことを知らないのに 「わー。見たことないはずなのに 娘と同じ反応 同じ言葉を発してる~!!!」と驚愕の体験
見ているほかの受講生さんもびっくり。
そして 自分が仕事でやっているように 「自分も相手も信じてかかわる」の状態を作ってもらって ふたたび わが子に対応していただきました。
すると 全く違う展開に。
「ああああ たったこんだけのことだったんだ」と納得のワークでした。
みなさん お疲れ様~ 2日目も楽しみ!