このお題は真実であり、ファイナンシャルプランナーの経験に基づく私の持論でもある。
財布は私たちとお金との一番の接点で、ここにお金に対する考え方、付き合い方が表れてくる。お金を貯められる人は、お金をきちんと管理できる人であり、そのためのツールとして財布を使っている。実際、手前から千円、5千円、1万円と順序よく整理整頓されていたりする。だからお金持ちほど、スリムな財布を持ち歩いている人が多いのだ。
たまに、お金持ちほどお金を財布にもため込んでいると勘違いしている人がいる。しかし、お金持ちは貯めること以上に出さないこと、つまり無駄なお金を使わないことに重きを置いており、初めから余分なお金は財布のなかに入れていない。だから管理しやすくなるのだ。
一方、お金を貯められない人の共通点は何かというと、ポケットの多い財布を持ち歩いていることである。「いろいろ仕舞えて便利だから」ということなのだろうが、クレジットカードにポイントカード、それにレシートの類などがどんどん詰め込まれていき、次第に“ブタ財布”へと姿を変えていく。そんな財布の札入れを覗かせてもらうと、お札の種類はバラバラで、いくら入っているのか、持ち主本人にも見当がつかない。
以前、そうやって何人かの方の財布の中身を拝見させてもらったことがあるが、多い人だとカード類が40~50枚も入っていた。もちろん、そのような人の家計は火の車の状態である。一方、お金持ちの“スリム財布”のなかのカード類は入っていてもせいぜい15枚であった。
■お金持ちの秘訣とは一体何か
結局、お金持ちになれるかどうかの違いは、お金に対する思いの差にあるのではないだろうか。よく女性は大好きだけれども、女性に対してマメになれない男性がいる。その結果、彼らは女性からそっぽを向かれてしまうのだが、お金についても同じこと。いくらお金が好きでも、お金に対してマメに努めずに放ったらかしでは、お金にモテるわけがない。
家にモノをため込んでしまう人がお金持ちになれない理由も、結局は整理整頓や管理ができないからなのだろう。どこに何があるのかがわからないから、「ここにあったのに買ってきちゃった」と無駄遣いを後悔する。それに不要不急のモノを衝動買いして、思い切って捨てられないままため込み、余計に整理整頓できなくなるという悪循環に陥る。
私の手元に面白いデータがある。日用品大手のライオンがトイレ掃除の状況を調べたもので、いつもきれいな“ピカピカトイレ層”の世帯年収は平均で542万円。
一方、手入れが行き届いていない“残念トイレ層”のそれは454万円で、90万円近い差が出たのだ。同時に段取りのよさについても尋ねた結果、そう思う人の割合は前者75%、後者27%と大きく開いた。段取りがよければ心にも余裕ができ、お金にもマメになれるのかもしれない。
また、意外と無視できないのが保管コストである。「収納部屋が広くていい」と喜んでいる人がいるが、本来余計なモノを買い込まなければ必要のない部屋。つまり、それだけ土地や建物のスペースに無駄なお金を費やしているわけだ。最近では家に収まり切らなくなった荷物を置いておく貸し倉庫サービスが人気だというが、これなど何をか言わんやである。
逆に、お金を貯められる人は本当に必要なモノしか買わず、シンプルライフを貫いている。だから震災にあっても実損の被害を抑えることができる。きっと賢いお金持ちは、そうやってリスクに身軽に対処できるように、無意識のうちに行動しているのだろう。ぜひ見習いたいものである。
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ファイナンシャルプランナー・家計の見直しセンター 藤川 太
山口県生まれ。慶應義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーに。「家計の見直し相談センター」では、2001年の設立以来1万3000世帯を超える家計の相談を受けてきた。
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ファイナンシャルプランナー・家計の見直しセンター 藤川 太
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財布は私たちとお金との一番の接点で、ここにお金に対する考え方、付き合い方が表れてくる。お金を貯められる人は、お金をきちんと管理できる人であり、そのためのツールとして財布を使っている。実際、手前から千円、5千円、1万円と順序よく整理整頓されていたりする。だからお金持ちほど、スリムな財布を持ち歩いている人が多いのだ。
たまに、お金持ちほどお金を財布にもため込んでいると勘違いしている人がいる。しかし、お金持ちは貯めること以上に出さないこと、つまり無駄なお金を使わないことに重きを置いており、初めから余分なお金は財布のなかに入れていない。だから管理しやすくなるのだ。
一方、お金を貯められない人の共通点は何かというと、ポケットの多い財布を持ち歩いていることである。「いろいろ仕舞えて便利だから」ということなのだろうが、クレジットカードにポイントカード、それにレシートの類などがどんどん詰め込まれていき、次第に“ブタ財布”へと姿を変えていく。そんな財布の札入れを覗かせてもらうと、お札の種類はバラバラで、いくら入っているのか、持ち主本人にも見当がつかない。
以前、そうやって何人かの方の財布の中身を拝見させてもらったことがあるが、多い人だとカード類が40~50枚も入っていた。もちろん、そのような人の家計は火の車の状態である。一方、お金持ちの“スリム財布”のなかのカード類は入っていてもせいぜい15枚であった。
■お金持ちの秘訣とは一体何か
結局、お金持ちになれるかどうかの違いは、お金に対する思いの差にあるのではないだろうか。よく女性は大好きだけれども、女性に対してマメになれない男性がいる。その結果、彼らは女性からそっぽを向かれてしまうのだが、お金についても同じこと。いくらお金が好きでも、お金に対してマメに努めずに放ったらかしでは、お金にモテるわけがない。
家にモノをため込んでしまう人がお金持ちになれない理由も、結局は整理整頓や管理ができないからなのだろう。どこに何があるのかがわからないから、「ここにあったのに買ってきちゃった」と無駄遣いを後悔する。それに不要不急のモノを衝動買いして、思い切って捨てられないままため込み、余計に整理整頓できなくなるという悪循環に陥る。
私の手元に面白いデータがある。日用品大手のライオンがトイレ掃除の状況を調べたもので、いつもきれいな“ピカピカトイレ層”の世帯年収は平均で542万円。
一方、手入れが行き届いていない“残念トイレ層”のそれは454万円で、90万円近い差が出たのだ。同時に段取りのよさについても尋ねた結果、そう思う人の割合は前者75%、後者27%と大きく開いた。段取りがよければ心にも余裕ができ、お金にもマメになれるのかもしれない。
また、意外と無視できないのが保管コストである。「収納部屋が広くていい」と喜んでいる人がいるが、本来余計なモノを買い込まなければ必要のない部屋。つまり、それだけ土地や建物のスペースに無駄なお金を費やしているわけだ。最近では家に収まり切らなくなった荷物を置いておく貸し倉庫サービスが人気だというが、これなど何をか言わんやである。
逆に、お金を貯められる人は本当に必要なモノしか買わず、シンプルライフを貫いている。だから震災にあっても実損の被害を抑えることができる。きっと賢いお金持ちは、そうやってリスクに身軽に対処できるように、無意識のうちに行動しているのだろう。ぜひ見習いたいものである。
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ファイナンシャルプランナー・家計の見直しセンター 藤川 太
山口県生まれ。慶應義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーに。「家計の見直し相談センター」では、2001年の設立以来1万3000世帯を超える家計の相談を受けてきた。
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ファイナンシャルプランナー・家計の見直しセンター 藤川 太
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