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株・為替、波乱含みに スイスフランショックでユーロ安

2015年01月18日 08時50分06秒 | 経済
 週明けの金融市場は欧州にらみで波乱含みとなりそうだ。スイスが突然、為替介入を終えた先週に続き、欧州中央銀行(ECB)の量的緩和の判断やギリシャ総選挙などが市場を左右する。ユーロ安の加速で市場心理は不安定で、株価も目先は値動きが荒くなりやすい。ただ、春にかけては米景気の回復を支えに株高・円安基調に戻るとの期待も根強い。

 ユーロ安が止まらない。16日には一時1ユーロ=1.14ドル台半ばまで下落し、2003年11月以来、約11年ぶりの安値を付けた。この1カ月で8%強も下落した。ECBの量的緩和観測に加え、スイス国立銀行(中央銀行)が15日にスイスフラン売り・ユーロ買いの為替介入を急に終了し、流れが加速した。

 市場参加者は介入の終了を全く予想しておらず、それまでフランを売っていたヘッジファンドや個人投資家が多額の損失を被った。野村証券の池田雄之輔氏は「損失を抱えた投資家が、他の保有資産の持ち高を調整する可能性があり、しばらくは幅広い金融資産で値動きが荒くなりやすい」と指摘する。

 16日の東京市場では円が対ドルでも急上昇し、日経平均株価は下落幅が一時500円を超える場面もあった。もともと原油安で不安定だった金融市場はスイスショックで不安心理が増幅した。相場の見通しを反映するオプション市場では目先の円高や株安に備える動きが強まっている。

 焦点はECBが22日に開く理事会だ。市場は量的緩和の導入を確実視し、関心はその規模に移っている。規模が大きいほど投資家心理は強気に傾く。ユーロの下落は続く一方で、株価は上昇基調へと反転しやすくなる。逆に具体策の公表を見送れば株価急落などの波乱も起こりうる。

 日銀は20~21日に金融政策決定会合を開く。15年度の物価見通しを下げる方向だが、現時点では追加緩和に慎重との声が市場では多い。ECBの理事会を控え、週明けの市場の値動きは不安定になりやすい。

 ただ、春に向けて円は対ドルで円安基調に戻り、株価も持ち直すとの見方が根強い。米景気は好調で、日銀は春には追加緩和するとの予想があるからだ。みずほ証券の鈴木健吾氏は「3月末にかけ1ドル=121円程度まで円安が進む」と話す。運用会社アムンディ・ジャパンの浜崎優氏は「企業業績の伸びや原油安による消費押し上げも株価にプラス」として、3月末の日経平均は1万8500円と予想する。
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