ひからびろ 3.0

密かに輝くラクダとビロード、ロバ。お願いだから、ひからびてほしい。

リュック・フェラーリに対する考え。

2011-10-30 | 常々
ぼくは音楽が好きで、 音楽に対する愛に関しては 誰にも負けたくないという そういう気持ちを持っていました。 (ツイッターを始めて様々な音楽愛好家の方々と知り合い、 その中で、それがどれほど大変なことか思い知らされましたが、 気持ちとしてはそれは今でも変わりません) たいていの音楽ならまあ分かるし、 愛することができる・・・ ぼくはそういう傲慢な気持ちでいました。 ・・・リュック・フェラーリに . . . 本文を読む

「分かる気持ち良さ」と分からない自分の怖さ。

2011-10-27 | 常々
子どもの頃に読むものは たいてい「分からない」。 後になってから 「あぁ、あれにはそうゆう意味があったのか」 と気付いて、 そうゆう「分かる気持ち良さ」に味を占めるようになる。 そして仕舞いには 自分に「分かる」ものしか読まなくなる。 そのくせ 「昔のように〈純粋に〉本を楽しめなくなった」 なんてほざくわけだ。 ホントにそう思ってるんなら 今の自分には理解が及ばないような、 難しいものを読 . . . 本文を読む

男女不平等社会のススメ。

2011-10-26 | 常々
以前から常々感じていて、 周囲にも喧伝して憚らなかったんですが、 「女ってマジ強いよね」 ぼくには姉がいて、 中学・高校と吹奏楽部だったから、 周りが女だらけという環境で育ってきました。 だからというか、 男性が女性よりも強いという考え方には、 どうも賛同しかねるところがあるんです。 本質的に女性は強い生き物で、 どう考えても男に勝ち目はない。 たとえば平均寿命。 どの国もおしなべて女 . . . 本文を読む

文化勲章、丸谷才一らに。

2011-10-26 | 日記
丸谷才一が文化勲章を受賞した ということで、 十代の終わり頃からずっと エッセイとか小説を読んできた自分としては とても嬉しいニュースでした。 文化功労者に大滝秀治さんら15人 ただ、いつの間にやら 物凄いおじいちゃんになってましたね。。。 いや前からそれなりにおじいちゃんだとは知ってましたが、 それにしても、ここまでとは・・・。 もう先は長くないんじゃないかと、 結構本気で心配になりました . . . 本文を読む

現代思想読書遍歴。

2011-10-25 | 日記
10/25 ベンヤミン 多木浩二『ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読』 いしいひさいち『現代思想の遭難者たち』 ↓ バルト 『表徴の帝国』『恋愛のディスクール』 鈴村和成『バルト―テクストの快楽』(現代思想の冒険者たちシリーズ) いしいひさいち『現代思想の遭難者たち』 ↓ フーコー 『作者とは何か?』『啓蒙とは何か?』『ピエール・リヴィエール』 アリックス『フーコー』 いしいひさい . . . 本文を読む

大江健三郎の『読む人』から。

2011-10-24 | 日記
今年の夏に出た大江健三郎の 『読む人』 という本を読んでて、 これは講演集で、小説ではないんですが、 趣味ではあれ小説を書いているぼくには、 なかなか面白い内容です。 まあもちろん創作論めいた話もあるんですが、 そこよりもむしろ大江さんがこれまで、 時代のなかでどう生きてきたのかが、 なんとなく伝わってきて面白い。 たとえば1987年、 52歳になった大江健三郎は、 満を持して 『懐かしい年へ . . . 本文を読む

トランストロンメルのこと。

2011-10-07 | 常々
2011年のノーベル文学賞は スウェーデンの詩人 トランストロンメルが受賞されましたね。 ただ、あまりにも情報が少なくて、 ぼくの周りでも、 ポカーン って感じの人が多かったんで、 ちょっと調べてみたことを書いときたいと思います。 まず出生についてですが、 1931年4月にストックホルムに生まれた。 ちなみに日本だと、 団鬼六とすぎやまこういちが、 同じ1931年4月の生まれですねw 大 . . . 本文を読む

〈或る状況に於けるドラマトゥルギーに関する考察その5〉

2011-10-06 | 創作
しばしばトイレの怖さというのは 薄暗さとか汚さだというけれど、 「レイコさん」のような例を踏まえると ぼくにはそのようには思われなくなってしまう。 たとえばそういった恐怖は オフィスビルの中の、 小ぎれいなトイレの中でも起こりうるんじゃないか。 いや、別に恐怖である必要はない。 ただそこに何かしらの物語を 帯びさせることができるんじゃないか。 ぼくは考えた。 トイレから出られない。 たとえば . . . 本文を読む

〈或る状況に於けるドラマトゥルギーに関する考察その4〉

2011-10-06 | 創作
前々から トイレという場所には 物語を想起させる何かがあるんじゃないかと ぼくは考えていた。 顕著な例は「トイレの花子さん」だが、 その他にも学校のトイレという場所が いつの時代も子どもの想像力を刺激してきた という側面はあるんじゃないかという気がする。 たとえばぼくの小学校には 「レイコさん」というエピソードがあった。 昔レイコさんという算数が得意な女の子がいて、 彼女はテストでいつも100 . . . 本文を読む

〈或る状況に於けるドラマトゥルギーに関する考察その3〉

2011-10-06 | 創作
映画『キサラギ』の舞台は、とあるビルの一角。 そこに互いに面識のない五人の男が集まる。 彼らはD級マイナーアイドル 如月ミキのファンサイトを通じて知り合った、 いわゆる「アイドルオタク」で、 一年前にマネージャーの留守番電話に遺言メッセージを残し、 自宅マンションに油をまいて焼身自殺した 如月ミキを悼むのがその会合の趣旨だった。 ところがその最中、ファンのひとりが彼女の死因は 自殺ではなく他殺 . . . 本文を読む

〈或る状況に於けるドラマトゥルギーに関する考察その2〉

2011-10-05 | 創作
トイレにふたりの男女が閉じ込められたら―― そういうアイデアからスタートし、 その場合に考えられるふたつの状況について考えてみた。 ひとつはいわゆる「真昼の情事」と呼ばれるような状況で、 一組の男女がトイレの個室に閉じ込められるというものだった。 もうひとつは、トイレの中で隣り合わせの個室に入った男女が 同時に閉じ込められるというもの。 そして、ぼくは後者の方が面白そうだと感じている。 しかし . . . 本文を読む

〈或る状況に於けるドラマトゥルギーに関する考察その1〉

2011-10-05 | 創作
トイレから出られない。 そういう状況を仮定してみていただきたい。 もし仮に自分がトイレから出られなくなったとしたら――そして、 もし余力があるようならなぜそのような状況に陥ってしまったのか、 その原因についても考えてみていただきたい。 当然ぼくは余力があるから、仮定するだけでなく その状況に陥った原因についても考えてみる。 たとえばその原因として二通りほどの場合が考えられるのではないか。 . . . 本文を読む