吉本隆明が語る、
「単独者の連帯」(フーコー)の意味。
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同性愛者っていうものの連帯性、
あるいは同性愛者の本質は単独者だ、と。
その場合の単独者っていうのは、
個人主義的個人というのとはちょっと概念が違って、
最後まで単独者なんですね。
ペアにはどうしてもならない。
ペアになったとしても、擬似的になるというだけ。
(大塚英志、吉本隆明『だいたいでいいじゃない』より)
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私たちの知恵と称するものは全て卑屈な偏見に過ぎない。社会人は奴隷状態のうちに生まれ、生き、死んでいく。生まれると産衣にくるまれる。死ぬと棺桶に入れられる。人間の形をしている間は、社会制度にしばられている。
私は生涯に一度、鹿の死ぬのに立ち会ったことを思い出す。そしてまたその気品ある光景に際して、この獣の天来の敵である犬たちが勇んで吠え立てているのに感心しなかったことを思い出す。なんと多くの人 . . . 本文を読む
19歳の時に
ジェイムス・ジョイス『ユリシーズ』
全4巻を買った。4800円。
これが初めての「大人買い」だったかもしれない。
ただ、これはワクワクしながら
ページをめくって、数ページで挫折した。
当時の敗因として、
すべての「註」にいちいち目を通すなどという、
アホらしいことをしてたことが挙げられる。
(※『ユリシーズ』文庫版は、註だけで150ページ以上あるのだ)
アホらしいこと . . . 本文を読む
〈表現形式〉と〈表現内容〉というのは
芸術においてよく話題にされるものの一つですが、
やはり「芸術」「天才」という概念が成立した
18~19世紀以降、
〈形式〉はあくまでも〈表現〉のための手段でしかない
という考え方が支配的のようです。
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まず、親は子どもに対して、
「これ(子ども)にかまってたら大変」
という思いが、
どこかにあるんじゃないでしょうか。
つまり、どこかに都合よく
子どもの面倒を見てくれるところがないかと、
親は思っているんだと思います。
とにかく子どもがそこにいる間、
親は「自分の手がかからない」。
誰もそう言わないかもしれませんが、
それが本音じゃないでしょうか。
学校の先生に
教育のすべてを委ねてしまう . . . 本文を読む
世界は
ある幼い神が創ろうとして果たさなかった
最初の試作品である。
彼は自らの半端な仕事ぶりを恥じて
投げ出してしまったのだ。
それとも、
それは半人前で二流の神の作品で、
先輩たちの嘲笑の的になったものだ。
さもなければ、
それは年寄って耄碌したヨボヨボ神の製品で、
その神の死後もまだ生き残っている……。
(ヒューム『自然宗教に関する対話』より)
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世界の不完全 . . . 本文を読む
じつは連載の時、
僕は一人のキャラクターに
かなりいろいろ悩ませてしまっていたんです。
そうすると、みんな同じ悩みを抱えるようになる。
当たり前です。
だってみんな僕の分身でしかないんだから。
で、これはよくないと思って、
単行本では大修正をしたんですよね。
そのとき、何をやったかというと、
要はキャラクターを当てはめるということなんです。
こいつはこれしか考えてないことにしよう、
あいつはそ . . . 本文を読む