ひからびろ 3.0

密かに輝くラクダとビロード、ロバ。お願いだから、ひからびてほしい。

〈或る状況に於けるドラマトゥルギーに関する考察その5〉

2011-10-06 | 創作
しばしばトイレの怖さというのは 薄暗さとか汚さだというけれど、 「レイコさん」のような例を踏まえると ぼくにはそのようには思われなくなってしまう。 たとえばそういった恐怖は オフィスビルの中の、 小ぎれいなトイレの中でも起こりうるんじゃないか。 いや、別に恐怖である必要はない。 ただそこに何かしらの物語を 帯びさせることができるんじゃないか。 ぼくは考えた。 トイレから出られない。 たとえば . . . 本文を読む

〈或る状況に於けるドラマトゥルギーに関する考察その4〉

2011-10-06 | 創作
前々から トイレという場所には 物語を想起させる何かがあるんじゃないかと ぼくは考えていた。 顕著な例は「トイレの花子さん」だが、 その他にも学校のトイレという場所が いつの時代も子どもの想像力を刺激してきた という側面はあるんじゃないかという気がする。 たとえばぼくの小学校には 「レイコさん」というエピソードがあった。 昔レイコさんという算数が得意な女の子がいて、 彼女はテストでいつも100 . . . 本文を読む

〈或る状況に於けるドラマトゥルギーに関する考察その3〉

2011-10-06 | 創作
映画『キサラギ』の舞台は、とあるビルの一角。 そこに互いに面識のない五人の男が集まる。 彼らはD級マイナーアイドル 如月ミキのファンサイトを通じて知り合った、 いわゆる「アイドルオタク」で、 一年前にマネージャーの留守番電話に遺言メッセージを残し、 自宅マンションに油をまいて焼身自殺した 如月ミキを悼むのがその会合の趣旨だった。 ところがその最中、ファンのひとりが彼女の死因は 自殺ではなく他殺 . . . 本文を読む