ひからびろ 3.0

密かに輝くラクダとビロード、ロバ。お願いだから、ひからびてほしい。

吉本隆明が死んだ。

2012-03-16 | 思想

吉本隆明が死んだ。87歳。
いつかは死ぬかと思ってたけど、
まさか、もう来るとは。

メディアでは「知の巨人」なんて呼ばれてたけど、
普通に「イイおじいちゃん」というイメージで、
大学3回生の頃からその著作に親しむようになった。

それで、ずっと吉本隆明の追悼関連の記事を求めて、
ネットをさまよっていた。



宮台真司 「吉本隆明の思想と限界」 2012.03.16


宮台さんの話は、
吉本隆明の著作から、
自立思想」を読み取って、
組織を作らずに、自分で考えることを、
思想として打ち出した人として評価してる一方で、
結局、そんな思想のもとに活動していた吉本さんにもかかわらず、
日本は変わらなかった」と指摘してる。

で、その原因を2点にまとめてるんだけど、

1.現代思想の知識・センスがなさすぎ。

2.資本主義を擁護する態度の軽薄さ。

・・・うーん。
ちょっと、これは納得しかねる根拠でした。

現代思想の知識がなくて、資本主義を軽薄に擁護したから、
日本は変われなかったんだ


というのは、
なんかおかしな感じがしませんかね。。。

もう「思想の限界」なんて言わずに、
普通に「みんなが思ってること」(大衆の原像)を
うまく汲み出して議論を展開したことを、
もっと具体的に説明すればよかったのに・・・
と、少し残念に思った。



ほんとうの考え

自分が信仰してる宗教がいちばん偉い」と思ってる人は、
まだまだ大したことはなくて、
ほんとうに徹底して宗教をやると、
自分のよりも相手の宗教の方が立派だ」と考えられる。
そこまで行けたら、大したもんだと思います
ということを言ってたのが、印象的だった。

みんながそういう地点にまで辿りつけば、
その場所でケンカが始まることはない。
どんな思想の人も、宗教の人も、
いっしょにいることができるところ

吉本さんの考えてたことって、
そういう、物凄く簡単なことなのだと思う。
もちろん実現するのはとんでもなく大変だろうけど。

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