腰上組み上げ。


SRX600のエンジン組み立ての続き。
シリンダーを、オイルを付けてホーニングする。
このツールも、ジープの修理以来の登場だ。


シリンダーにクロスハッチを付けて、小傷を少しでも消す。


ホーニングでは消えない、意外と深いガリ傷もあった。
こんなの消そうと思ったら、ボーリングするしかないだろうな。
ボアを測定したら、ホーニングしてもほとんど拡大していなかった。


続いてピストン。
新品のリングを組む。
刻印のある面を上にする。


面取りしてあるのがトップリング、角が立ってるのがセカンドリング。


ジープでも役に立った、リングエクスパンダーを使った。


リングはめ込み完了。
サイドクリアランスも限度内だった。


ピストンピンは磨いた。
傷があったけど、金屑のせいだろうな。
直径は限度内だったので、そのまま使うことにする。


ピストン取り付け。
ピストンピンクリップは新品にする。


リング合口を振り分ける。


シリンダー挿入。
オイルとかモリペーストなんかで予備潤滑してから組み立ててるから、手はベトベト。
だから、作業中の写真はない。
ピストンリングコンプレッサーが、手持ちのは、ヘッド側からピストンを入れて、コンロッドのビッグエンドでクランクシャフトに接続するタイプのエンジンにはいいんだけど、シリンダーをピストンにかぶせるSRXでは使えなかった。
でも、単気筒だから、指でリング押さえれば入れれる。


SRXのシリンダには、奥に引っ込んだとこにナットが入るとこがいくつかある。
ソケットは入らないから、こんなトルクアダプターがないと、シリンダー周りのトルク管理ができない。
アダプターは、トルクレンチに対して90度で使う分には、アームの変化はほぼ無視できる。


続いてヘッドの組み立て。
バルブステムシールは、アテナのガスケットキットに入っていた。


バルブを組み付けて、ステムをプラハンでコンコンしてコッターやスプリングを落ち着かせてから、燃焼室の漏れ点検。
漏れは全くなかった。優秀。


ヘッド組み付け。
シリンダー周りは、何回かに分けてトルクを入れるのだが、最後の指定トルクを入れるときだけは、ビーム式のトルクレンチを使った。


カムシャフトのオイルクリアランス測定のため、プラスチゲージを載せて、カムシャフトとヘッドカバーを正規トルクで取り付ける。


再びヘッドカバーを外して、カムシャフトをそっと外し、つぶれたプラスチゲージを測定。
0.04mmってとこかな。OKだ。


左カバーのタイミングホールで、クランクの上死点マークを合わせる。


カムスプロケを組む。


クランク上死点で、この位置が圧縮上死点になる。


カムチェーンのテンショナを組み付ける。
ガスケットはアテナのキットに入っていた。


次はヘッドカバー。
ロッカーアームは至ってキレイだったしガタもなかったので、洗って予備給油した以外は、特に何もしなかった。


摺動部にはモリブデングリスなどをくれて、ヘッドカバー組み付け。
マニュアルには液体パッキンの指定はなかったが、分解した時は塗られていたので、一応塗っておいた。


バルブクリアランス調整。
基準値の中間を狙った。バルタイにこだわるヒトから見ればテキトーそのものだな。
これは吸気側。スプリングリテーナに付いてるのはモリブデングリス。


排気側。
エンジン単体だと作業はラクチンだ。
調整後、何回かクランクを回してバルブの作動を見つつ、圧縮上死点で再測定してチェックしておく。


ハゲチョロケだったタイミングカバーを適当に塗装。


おお、エンジンはほぼ形になったぞ。
あとはフレームに載せてからかな。


エンジンを一旦コンテナに退避させる。
さすがにそれなり重いけど、持てる重さだ。単気筒はありがたい。


長らく出していた作業台を片付けて、車体回りに作業スペースを開けた。
なんとか今月中には復活させたいもんだ。
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