goo blog サービス終了のお知らせ 

Smoke

店の表を通る人を毎日写真で撮るたばこ屋の映画をご存知だろうか?

映画 『ククーシュカ ラップランドの妖精』

2007-08-20 | Weblog
映画は人に奥行きを持たせるアイテム。
今回は『ククーシュカ ラップランドの妖精』。

製作国 : ロシア 2002年
配給 : シネカノン
キャスト:アンニ=クリスティーナ・ユーソ、ヴィッレ・ハーパサロ 、
     ヴィクトル・ブィチコフ

フィンランド人、ロシア人、そしてサーミ人。
言語の通じない3人が、やがて言葉をこえたところで通じ合う、
ムーミンとサンタクロース、サウナの国フィンランドから届いた、
神秘的で、それでいて心の温まるストーリー。

皆さんは海外の方とお知り合いになりたいですか?
私は是非そうしたいのですが度胸がありません。
ですが、笑顔とボディランゲージは万国共通と疑いません。

さて今回の作品ですが、言葉が通じないも者達の可笑しな共同生活です。
第二次世界大戦末期ごろのスカンジナビア最北の地ラップランドで、
ロシア軍、ドイツ軍、そしてドイツと同盟を結んでいたフィンランド軍が戦っていて、
そこで罰を受けている平和主義若者と、
会議に向かおうとしている堅物男と、
地元の女性が出会います。
3人ともそれぞれ出生も言葉も違うのですが、
戦争で傷つき、弱っている男子2人は、
助けてくれた地元女性とのキテレツな共同生活を始めます。

まず、平和主義男は鎖に繋がれていたのだが、
鎖を外すのに時間の半分近くを使っている感じだった。
お陰で外す方法を色々教わった(笑)
この部分から「これはかなりのんびりタイプな作品なのかも。」と予測した。
3人はなかなか出会わない。

3人のキャラはバラバラ。
平和主義男は出会った当初、弾丸の様に喋ってた。興奮すると喋るタイプなんだろう。
堅物男は不平・不満をよく言い、愛情表現が苦手。
地元女性は久しぶりの男に興奮しまくり。下ネタ炸裂で驚きだ。

女性は戦地になっている状況を静かに受け止めて様だった。
周囲に死体が転がっていても驚きもせず、
死体を引きずり、目を閉じてやり、埋葬している。
かろうじて生きていた堅物男には、
女性が飼っているトナカイから乳と血の飲み物を与えていた。
平和主義男が撃たれて意識不明になっている時は、
太鼓を叩き、犬の鳴き声のマネで助ける。
それでよくなるとは生命の神秘だ。

それしても3人の会話の通じなさは所々笑える。
まずお互いの名前がちゃんと分かり合えてない。
堅物男なんて最後まで”くそくらえ”って呼び名。
でも、いざと言う時は雰囲気で通じる。
特に女性が誘う部分ね。大胆な人だよ。

最終的に3人は離れ離れになるのだけれども、
地元女性は母性で包み(本当に包んでるので見て。)、
本来であれば敵同士の男2人も殺しあう事無く別れる。

戦争と言う惨い状況を、
ラップランドという土地と時間の流れと、
地元女性の母性が、
悲惨な内容にせず、むしろユーモラスさを盛り込み、
優しい気持ちにさせる作品。