以前このリーフレットを紹介しましたが、友人の山下君の展覧会に行ってきました。
住む人のいなくなった古い家屋をほとんどそのままにスタジオとして使っている、昭
和の香りが色濃く漂う、不思議な味わいのある場所での展覧会です。
リーフレットの写真にもあるように、「きくや」の建物のそこかしこで、小さな木彫がま
るで生活の一部でもあるかのように「気付けばそこにあった」状態が見れるのかなと
思っていましたが、そんな先入観を裏切る大迫力の展示空間でした。
真っ暗な広い部屋にぽつんぽつんと、小さな木彫が蝋燭の灯りだけで照らされて、
シルエットだけがかろうじて分かる、ボルタンスキーのような展示。
あるいは部屋のど真ん中に角材で作った鳥居があり、その上に投げ上げた小石を
思わせるように木彫がいくつも並ぶ部屋。そして四方の壁には一面にその小さな
作品群の大小様々な写真が隙間無く張り詰められている。
そうかと思えば、別の部屋では壁に整然と並べられた小さな神棚の中に木彫が収め
られ、床のほうに目をやれば、たこ焼きの木の舟がこれまた部屋の一角に整然と並べ
られ、船頭よろしく木彫が立っている。非常に土俗的な匂いがする空間でした。
そんなことは絶対無いと思うのだけれど、まるでこの世とあの世の境界線を作ろうと
しているのかと思ってしまうような光景で、それはそれで見ごたえのあるものでした。
聖別された場所では写真は禁物ですよね。展示風景の画像が幾つか欲しかったの
で、撮るのが憚られたのですがなんとか呪縛をあまり感じないところで記念写真だけ
撮ってきました
タイホンと木彫作品(右:オイルヒューマン)の記念撮影
ウララと木彫作品(左:オイルヒューマン)の記念撮影
こんな本も作っていました
『オイルヒューマン』 発行:きくやブックス
中身はフルカラーの写真集です。きくやブックス第2弾も計画中だそうです。
時間が経って慣れてきたら、こんな遊びも許してくれました。さすが山下君。
ちょっと一休み。
お神酒とお供えが供され、タイホンも俄然ヒートアップです。
さて山下雅己展も残すところ後数日。
頑張れ山さん!!!