さすらいの青春(39)
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Ce qu'elle contait de son fils avec admiration était fort surprenant ;
il aimait à lui faire plaisir, et parfois il suivait le bord de la rivière,
jambes nues, pendant des kilomètres, pour lui rapporter des œufs de
poules d'eau, de canards sauvages*, perdus dans les ajoncs...
Il tendait aussi des nasses...
L'autre nuit, il avait découvert dans le bois une faisane prise au collet...
———————————(訳)————————————————
彼女が自分の息子を賞賛して語ったのは、実に驚くべきことだった;
時々、川岸に沿って裸足で、何キロも辿って、彼女のために
水鳥の卵、つまりカモの卵を草木の茂みの中から探して持って
帰ったりした、そしてまた、獲った魚の入ったカゴをも差し出した
りしたというのだ。
またある夜は、森で雉子を罠にかかった雉子を見つけてきた。
———————————《語彙》————————————————
surprenant(e)(形)驚くべき、不意の、意外な
plaisir 喜び
aimait <aimer
aimer + 不定詞 ~することを好む
à lui faire plaisir <faire plaisir à qn ~を喜ばす
彼を喜ばせるのが好きだった
parfois 時に、時々
poules d'eau バン(クイナの一種)
canards (pl) < canard (m) カモ
canards sauvages 野鳥のカモということだが、カモは野鳥ですので単に
カモとしておきます。ちなみに、野鳥でないもの、家禽のカモは
アヒルです。
ajoncs < ajonc(m) (植物)はりえにしだ
perdus dans les ajoncs... はりえにしだの中に消えた(卵)
隠されたと解釈して、それを見つける
nasses< nasse(f) 魚梁(やな):魚を捕獲するときの籠
tendait<tendre (他)差し出す
faisane(f)雉子 < faisan (m) 雉子
prise au colle 膠の罠にかかった
colle (f)糊、膠 ここでは罠にした膠のことを言っている
——————————≪感想≫—————————————————
pour lui rapporter のところで躓きました。
「母のために」ならば、pour elle だろうから、ここは、生前の弟と
一緒に出掛けて、弟のためにカモの卵を持ってきてやった、と
解釈していましたが、だんだん話がおかしくなってくる・・・
それで、ようやく気付いたのですが、ここはpour elle のことには
違いないが、ただし、pour elle としてではなく、
rapporter の間接目的語としてのelle
つまり、lui だとわかりました。
ぐるっとめぐってきて、落着く先は「母」。
【教訓】母は偉大なり