さすらいの青春(143)
—————————【143】———————————————
Il y avait dans leurs blouses un goût de foin
et d'écurie qui alourdissait l'air de la class,
quand ils se pressaient autour du poêle rouge.
Et, ce matin-là, l'un d'eux avait apporté dans
un panier un écureuil gelé qu'il avait découvert
en route. Il essayait, je me souviens, d'accrocher
par ses griffes, au poteau du préau, la longue
bête raidie...
——————————(訳)————————————————
この子たちの上っ張りからは、乾草と厩舎の臭いがあった.
彼らが赤く燃えるストーブの周りに群がると、教室の空気
はその臭いで重々しくなった.そしてその朝は彼らの1人
が登校中に見つけた凍って死んだリスをバスケットに入れ
て持ってきていた.
彼は、私は今も覚えているが、その長くぴんと伸びた動
物を、その爪で中庭の支柱に引っ掛けようとしていたのだ
った.
.—————————⦅語句》————————————————
blouse:(f) 上っ張り、作業服、仕事着
goût:(m) 味、風味、香り、味覚
foin:(m) 乾草
panier:(m) 籠、バスケット
écurie:(f) 厩舎、馬小屋
alourdissait:(半過去) <alourdir (他) 重くする
se pressaient:(半過去) <se presser (大勢の人が)
押し合う、ひしめく
poêle:[ポワル] (f) フライパン
poêle:[ポワル] (m) ストーブ; 本文ではdu poêleですのでこちらの意味.
de la poêle だったら、「フライパンの周りにひしめき合った」
よほど、おいしそうなものが入っていたことになります...
というか、文法上は une poêle となるはず.ここが料理教室なら la もOK.
一方、「ストーブ」のほうは、教室内のストーブは当然あるものとして定冠詞.
しかも、この物語ではすでに読者了解語になっています.
よって、「poêle rouge」は「 赤々と燃えるストーブ」の意味.
écureuil:[エキュルーュ] (m) りす
gelé:凍った、こごえた(過去分詞)<geler (他) 凍らせる
découvert:発見された(過去分詞)<découvrir (他) 発見する
en route:❶道中、途中、 ❷妊娠中; 本文では❶の意味
「登校途中で(見つけたリス)」❷(妊娠中)の解釈も文法上は成立する.
しかしストーリーの流れとしては通学途中が自然、妊娠の場合は、使う
単語ももっとはっきりenceinte やgrosse あるいはattendant un bébé など
を使うはず.作者は「登校途中」のつもりで描いた側に1 票投じます.
accrocher:(他) (à ~ ~に) 掛ける、引っ掛ける
griffe:(m) ❶(獣や鳥の)鉤爪、爪型の器具、引っ掛け用の爪型の器具
poteau:(m)[pl,_x] 柱、支柱
préau:(m) ❶(屋根のある)校庭、雨天体操場、 ❷(寺院などの)中庭
bête:(f) 動物、けだもの
raidie:(過去分詞、女) <raidir (他) ぴんと張る、ぴんと伸ばす