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春庭パンセソバージュ

野生の思考パンセソバージュが春の庭で満開です。

ぽかぽか春庭「SさんとMさん」

2008-11-30 | インポート
2008/11/30
ぽかぽか春庭ことばのYa!ちまた>ミッション伝道師たち(4)SさんとMさん

 Sは、サドのイニシャル。
 マルキ・ド・サド侯爵(Marquis de Sade 1740~1814)
 本名ドナスィヤン・アルフォーンス・フランスワ・ド・サド (Donatien Alphonse Francois de Sade)フランス革命期の、作家。代表作は『悪徳の栄え』『ジュスティーヌあるいは美徳の不幸』

 「相手に対して、精神的身体的な屈辱と苦痛を与えることによって性的な快楽や満足を得ること」に対し、サド侯爵の名からサディズムと命名したのは、オーストリアの精神医学者リヒャルト・フォン・クラフト=エビングです。

 Mは、マゾッホのイニシャル。
 レーオポルト・フォン・ザッハー・マゾッホ男爵(Leopold Ritter von Sacher Masoch, 1836~1895)
 ウクライナ共和国のリヴィウ(マゾッホ誕生当時はオーストリア・レンベルグ)生まれ。19世紀の小説家。代表作は『毛皮を着たヴィーナス』

 肉体的精神的苦痛を受けることや羞恥心や屈辱感を与えられることによって性的快感を味わう嗜好を持つ人、また被虐状況になる自分を想像することで性的興奮を得る性的嗜好を持つ人、すなわち「被虐性欲を持つ人」がいる。このような性的嗜好を、マゾッホ男爵の名をとってマゾヒズム(Masochism)と呼ぶ。

 このSさんとMさんは、なにが「正常・異端」でなにが「自由」なのかという論争において、西欧文化に大きな影響を与えたふたりと言えます。

 現代日本社会では、「Sの女王」という扮装の「にしおかすみこ」が、鞭をふるいながらギャグをとばす芸風が、お笑いのひとつのスタイルと受け止められているほど、「S&M」が社会に認知されています。

 「S」「女王様」の&検索で177万件のヒットがあり、「女王様とお呼びっ」と言えば、このセリフを口にしているのは、エリザベス二世でもベアトリクス女王でもなく、「Sの女王」のことばなのだ、ということは、高校生でも認識しています。

 日本社会で、このSとMの関係がおおっぴらに新聞を騒がせたのは、1936(昭和11)年の阿部定事件が、その最大の事件でしょう。酌婦阿部定が愛人の石田吉蔵の局所を切り取った、という事件です。
 二・二六事件の3ヶ月後に起きたこの事件は、連日の報道により全国民の注目のまととなりました。

 戦争へ向かう社会の中の、唯一の「暗い世相を吹き飛ばす」話題となり、人々はひそひそ声ながら楽しげに話題にしました。
 歴史の本からはうかがえない「世相」を伝えたのは、「昭和」を生きた向田邦子のエッセイだったと思います。彼女は当時7歳の女の子ながら、しっかりと周囲の大人達を観察し「大人達は眉をひそめ、しかしワクワクしながら事件について語り合っていた」という証言を残しました。

 逮捕直後の阿部定の写真。すごいです。
 美人の定がにっこり笑っているのはいいとして、彼女を逮捕して取り囲んでいる男たちが、全員白い歯を見せてにこにこしている様は壮観。
ウィキペディアより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BF%E9%83%A8%E5%AE%9A

 次回は阿部定色懺悔。阿部定の肉声をお聞き下さい。

<つづく>

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