4月20日にがんセンターを退院した夫は
21日には、埼玉医科大学国際医療センターのI先生を受診しました。
血液検査の結果、ヘモグロビン値は8.4あって安心しました。
今後はこちらに通って、必要に応じて入院し
輸血や治療をしてもらえるようにI先生にお願いしました。
しかし、家に帰ってきてホッとしたのもつかの間・・・
週末にはまた高熱が出てしまいました。
日曜日でしたがI先生に連絡し、月曜日また受診することに・・・。
「入院してもいいように一応準備してきてください。」と。
月曜日に受診すると、ヘモグロビン値は7.2まで下がっていたため
入院して輸血することになりました。
夫は、やっと退院できたのに・・・と、がっかりしていますが仕方ありません。
ダイナミックCTも撮っていただき、夜には結果をじっくり説明していただきました。
結果は・・・
血性腹水が見られているが、腹水の量は中等量で非常に多いわけではない。
いくつもある大きな腹膜播種からの出血だが、どの部分からの出血かは限定できない。
播種はさらに大きくなっているが、壊死のようでもあり治験の結果がん細胞が壊死しているとも考えられる。
しかし壊死する過程で出血し、腹水と共に腹膜に吸収される際、熱や痛みを引き起こしている可能性がある。
ということで、最近妊婦のように大きくなった夫のお腹は
やはり腹水とさらに大きくなっている腫瘍が原因でした。
とりあえず輸血をしながら様子を見て
貧血が治ったら退院しましょうということになりました。
25日夕方には娘と二人で面会に行ったのですが
輸血で調子の良くなった夫の元気のいいおしゃべりに付き合い
「元気だね〜。」と娘と話しながら
「さて帰ろうか。」と病室を出た9時過ぎ
看護師さんが「先生がお話したいそうです。」と・・・。
ドキドキしながら相談室に行くと
I先生から、「本人にはまだ言えてないんだけれど・・・」と
病状について、また予後について説明がありました。
治験の結果や新たな治療がないことで覚悟はしていましたが
先生の口から具体的に聞かされるとやはりショックでした。
先生も本人にどう伝えようかと迷っていました。
しかし、夫も自分で色々調べたりして
腹水や出血、痛みなどの諸症状から
これががんの末期症状であり
長くないだろうということは察していたようです。
28日には貧血は安定しているものの
痛みが酷くなり痛み止めもさらに強いものに変えてもらいました。
夜には先生と夫、娘と私で話をしましたが
その話の中で夫は自分の予後について悟ったようでした。
こんな状況では退院も難しいのではと思いましたが
先生は、29日に退院し家で様子を見ながら
5月1日にまた受診して検査しましょう。
これからはいつでも入院できるから安心してと言ってくださり
とても心強く思いました。
帰宅後は二人でゆっくり過ごしました。
今のところ熱もなく、痛みも薬でコントロールできていますが
元気も食欲もなく、落ち込みがちな夫です。
それでもお気に入りの椅子に座って映画を観たりおしゃべりしたり。
この1週間は私もショックが大きく落ち込みがちでした。
あんなに活動的でやりたいことがいっぱいあった夫が
あれもこれもできない状態で、これからますます弱っていくことは
彼にとって耐え難いことです。
これからどうやって支えていこうか・・・
先が見えない不安でいっぱいです。
でも夫が心から信頼するI先生もついていてくれるし
できるだけのことはしてあげたいと思います。
とにかくできるだけ穏やかな日々を過ごせるよう
できることなら旅をしたいという望みを叶えてあげたい
そう思っています。
悪運強い夫だから
奇跡が起こるかもしれません。
最後まで希望を持って頑張ろう。