ニコル氏のお話をみなさまにお伝えしたくて今日も続きです
先日東洋医学の教典に
「手の太陰の気絶すれば、則ち皮毛焦る。・・・」
と書かれているとお話しました。
太陰とは五臓六腑の『肺』のことです。
肺が呼吸活動の主役であることは皆さんよくご存知だと思います。
ですが、生体の70パーセントをしめる水分や血液の循環に肺が重要な役割を果たしていることをご存知でしょうか?
再び教典から引用させていただきますね。
『肺は氣の本』
『五臓の天に応ずる者は肺なり、肺は五臓六腑の蓋なり。』
『肺は臓の長なり。心の蓋と為すなり。・・。』
肺は『華蓋の臓』とも言われていて、五臓の一番上に位置して天氣(風雨・寒熱・湿
燥など)から身体を守る最初の防波堤になっています。
肺の呼吸活動により清気(清らかなエネルギー)を臍下“丹田”(おへその下です)まで吸い込んで元気の大本とし、呼氣(吐く息)により不要な代謝産物を排出しているのです。
また、肺は『皮毛を主(つかさど)る』といわれているように汗孔の調節を行い、不要な代謝
物を汗と一緒に身体の外に排出したり、寒さや暑さから身体を守ってくれているのです。又、皮膚に潤いを与え乾燥を防ぐのも肺の働きなのです。
「おー寒いハックション」これも一時的に身体を温めるための生理作用なのですね。
肺氣が正常に働かないと汗孔の調節がスムーズに行われないために、暑いときに
「皮膚の窓」が開かず身体は過熱状態になります。一方寒いときに「皮膚の窓」
が閉じないと身体は寒さに震え風邪の原因にもなってしまいます。
昔から乾布摩擦や冷水摩擦で風邪を引かないようにするというのは
このような理由があるのですね。皮膚を鍛えることによって周りの環境に
すばやく適応することができるようになるのですね。
『肺は氣の本』といわれることから想像できるように自律神経失調症などの「こころ」
の病気も肺を整える事により改善して行きます。この『氣』は
元気・やる気・覇気 などに使われる氣です。
とかく現代はストレス社会ですから、この氣の病の患者様が本当に多いです。
ただ、氣は簡単に動くことができます。鍼灸ではこの氣を良い方向に
めぐらせるようなアプローチをしています。『氣』の病は必ず治ります。
流れを滞らせることなく、良いベクトルに向ければよいのです
“森の散歩”の処方箋の理由が少しお解りいただけたのではないでしょうか?
洋の東西を問わず真理はやはり一つ。「健康第一」
英国で氣の論理があるかどうかまで存じ上げませんが、快方に向かうという
事実が方法論として確立されていることが本当に嬉しかったのです。
みなさまも是非、休日には『森の散歩』実行してみてくださいね。
散歩する時間や季節などご心配でしたら治療中にでもお気軽にお訪ねください。
患者様にあった方法をお話できると思います
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