2月25日(金)からベッドでの生活が始まる。
朝6時過ぎに看護師さんが検温に来て、その時左腕から採血した。
8時過ぎの回診で採血結果は感染症なしでOK。
食事後はリハビリのため院内の廊下を歩く。
カテーテルを挿入してチューブで尿袋と繋がれているので、動きに制限がある。
トイレに行ったり廊下を 散歩する時には袋を取り付けた点滴用のポールを右手で押して歩く。
廊下は片道で20メートルくらいなので何度も往復する。
同じスタイルの仲間が2、3人と歩いている。すぐに友達になった。歩きながら自分の病名と状態、さらには自己紹介まで。
膀胱がんは僕一人だけで、あとはみな前立腺がんの人だった。
この病院は特に「ロボット支援前立腺全摘出術」では国内デトップクラスの実績を誇っている。特に院長先生が名医である。
★ 夕食前に左背中が猛烈に痛くなってきた。
夕食はパス。寒気がして全身が震えだした。
今晩から担当になった看護師さんには気の毒だったがついにナースコールでSOS!
看護師さんはすぐに飛んできて右腕から痛み止めの点滴をしてくれた。二時間ほど効くそうだ。
水腎症(腎臓から流れ落ちて膀胱に繫がる入り口の穴がふさがって腎臓に水が溜まることを言う)だと思う。
その後22時過ぎにもう一度痛みが来たがこれは痛さ7程度。その後徐々に痛みは治まった。
当直の医師にも来てもらった。明朝採血して感染していないかどうかを調べますと。
痛みを紛らすためにタブレットでYoutube「サンドイッチマンのコント」を見ながら眠った。
2月26日(土)
早朝5時、昨夜の痛みはすっかり無くなり、スンナリと排便出来た。6時にベッドで採血して検査に出した。
8時、朝食。食欲は3程度。日勤の看護師さんが検温に。
8時46分、昨夜の医師が血液検査結果を報告に来た。結果は異常なし。
その後回診で院長先生がマスクして。静かな声で昨夜の痛みの原因説明。
(手術により膀胱内部の腫れで水腎症になった可能性がある)とのことだった。
その後、(当初の退院予定日の) 「27日退院がご希望ですか?」と聞かれた。
僕は昨夜のことがあったので用心のために、もう一日伸ばせるならと28日にしてもらった。
結果、5泊6日間の入院となった。
術後の回復が順調とのことで、朝10時にカテーテルの管を抜くことになった。
処置室で医師が抜くのかと思っていたら、ベッドに看護師さん来て、「では抜きまーす」と言ってチョロット抜いてしまった。なーんだ、簡単なんだ。
チューブが抜けたので動きは楽になった。その後の排尿時には初めに血の泡がブクブクと出た。
しかし、動きがとても楽になって嬉しくて廊下はもちろん、階段も何度か上下して動き回った。
27日も同じように動き回った。
28日(月) 退院日がやってきた。
9時半過ぎに荷物の片付けも済んで退院の準備が出来たので看護師さんに通知。
すぐに看護師さんがベッド廻りを点検した後、大きな方の荷物を持ってくれた。
友達となったKさん達がエレベーターまで見送ってくれた。(もう二度と会うことは無いだろうが)
入院費用の支払いをすぐに済ますとタクシーを呼んでもらった。すぐに来た。とても丁寧な運転手さんだ
った。家のすぐ手前で降りて、家族に電話して迎えに来てもらった。
10時の帰宅後はあれこれと荷物の整理や親戚一同や友達に退院の報告などで忙しかった。
「5泊6日」の入院、まずは無事に帰宅できた事を感謝した。
このあと、血尿はだんだんと薄まり、4日後には平常に戻った。頻尿も徐々に改善されて日常生活は以
前に戻った。
人間の回復力に今更ながら感心した。
次の外来予定は手術から18日後の3月14日(月)、手術の結果説明を聞きに行くことである。
手術時の膀胱内の様子や、採取した細胞組織の詳細な検査結果が判明するのである。
これを聞くまでがドキドキするのであるが、幸運を祈りながら。 (つづく)