母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

七匹のめだか

2018年03月16日 | 
冬越えした七匹のめだか
秋に生まれて晩秋の縁側
糸のようにか細かっためだか
目だけで泳いでいるような
心許ないちいさな生き物だった

赤赤燃えるストーブの部屋に棲み
水割りのアイスペールのガラス容器のなかで越冬し
兄弟でもりもりとゴハンを食べ
草むらに隠れたり飛び出したり
それなりの楽しみを知っていたか賢いめだかたち
脱落者も無く明るい春を迎えた
ちいさな兄弟たちは知っていたのだ
寒い木枯らしの季節が過ぎたら
明るい春の日が訪れると

透き通るガラスの家に行儀良く棲み
団子のような緑の水草をしゃぶりなめ
また水面にあがり一斉に
ご飯を欲しいと訴えていつのまにか
しらうおのように成長しためだかの兄弟
いのちのいとしさを教える
オレンジ色の七匹の ちいさな
めだか

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1 コメント

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Unknown (雪国)
2018-03-17 21:36:23
いいですね、越冬した7匹のめだかさんたち!
いのちのいとしさを感じました(*^。^*)
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