続・こころレッスン

うつ病(双極性障害Ⅱ型)と診断されています。こころのことを中心に、いろんな思いを綴っていく予定です。

スローちゃん

2010-06-18 01:56:24 | 今日の具合
これを読んで、思い出す人がいるでしょうか。たぶんいないと思いますが、名古屋市立の道徳の教科書に載っていたお話です。

主人公はSちゃん、小学校低学年くらい。たまたま花舞妓の本名が同じくSだったのでよく覚えているんです。

Sちゃんは、何をやってもゆっくりで、いつもびり。なのでクラスメートたちはSちゃんのことを、「スローちゃん」と呼んでいました。

ある時、工作の課題が出ました。他の子ができあがったりしている中、スローちゃんは相変わらず、のろのろ、のろのろ。
みんなからからかわれて、出来上がりは最後でした。
でも、ある日朝礼の時、スローちゃんが校長先生に前に来るよう呼び出されました。
「Sちゃんは今回、とてもゆっくり時間をかけて、作品作りに取り組み、優秀賞をとりました。
みなさんも、根気強く最後まで頑張るよう、Sちゃんを見習いましょう」

そんな話だったと思います。

病気をして以来、このスローちゃんの話が思い出されてなりません。
こんな話は、現代には通用しないのでしょうかねぇ…。

急いてせいて、世の中競争競争、要領よく確実な人はどんどん出世、スローちゃんはいったいどんな大人になったのでしょうね?就職浪人?でも畑が違えば研究者?

同じSの話舞妓スローちゃんは、世の中の流れについていけず、とうとう半引きこもりです。

忙しい人たち、忙しい世の中。歯止めをかけなければ、世の中さらに息苦しくなるとわかっているのに、誰も止めない、止められない。雪だまがずんずん大きくなっていくように…。

見守る余裕が、ないのでしょうね。そういう人が増えつつある中で、それに反対を唱える人が、埋もれてしまって声が出せない。

スローちゃんが優秀賞をとれたのは、ゆっくり丁寧な作業があってからこそ。それを飛ばして、要領よくそれなりにやっといてくれ、という上司が多いのかなぁ…。
人は育たないし、使い物にならないと揉めるし、そこから何も生まれない。

スローでもいいから、人に負けない仕事をしてくれ。花舞妓的に言われてみたい言葉ですね~。そんな世の中になることを願いたいです。