はなこのアンテナ@無知の知

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「クラーナハ 500年後の誘惑展」開会式と内覧会

2016年10月14日 | 文化・芸術(展覧会&講演会)


 今日は韓国人アーティストのHさんを誘って、15日(土)より開催予定の「クラーナハ 500年後の誘惑展」の開会式と内覧会に出席しました。

 開会式は地下の企画展示室ロビーで、駐日オーストリア大使ウィーン美術史美術館館長他列席の下、行われました。

 今回の展覧会が開催される今年から来年にかけては日本とオーストリアの国交150周年 (→正しくは2019年が日本とオーストリアの国交樹立150周年)宗教改革(1517)から500年と言うこともあり、ドイツ宗教改革の中心的存在であったマルティン・ルターと親交が深かったと言われるルーカス・クラーナハ(父、Lucas Cranach the Elder)の、ヨーロッパ以外では最大級の回顧展開催の運びとなったようです。

 そこで、クラーナハの故国ドイツに次いでクラーナハのコレクションを有するオーストリアのウィーン美術史美術館が全面協力し、国立西洋美術館、TBS、朝日新聞社と共に主催者に名を連ねています。

 内覧会を見た限りでは、クラーナハ(父)のウィーン美術史美術館や国立西洋美術館所蔵の油彩画、版画を中心に、国内外の美術館(伊ウフィツィ美や米メトロポリタン美等)や個人所蔵の作品が数多く出展されていました。

 見応え十二分で、気が付けば2時間も展示室にいました。近年稀に見る密度の濃い充実した内容の展覧会だと思います。クラーナハは早くに工房経営も確立し、多作の作家だったのだなと改めて知る機会となっています。

 個人的には、丸顔に尖った顎と釣り目が特徴的な女性像が、ツンとすました雰囲気を湛えて、小悪魔的な魅力で印象に残りました。北方ルネサンス絵画の特徴のひとつである、身に着けた衣服の細密描写は、当時のファッションを今に伝えて興味深いものがありました。

 また、裸体に豪奢に真珠を散りばめた帽子やアクセサリー、そして薄布のベールを纏わせた女性像には何とも言えぬ艶めかしさがあり、不思議な魅力を放っていました。

 そして、同時代のアルブレヒト・デューラーの超絶技巧の版画や油彩画も展示され、16世紀ドイツ絵画の双璧を見る楽しさもあると言えるでしょうか?

 さらに、会場終盤に展示されたクラーナハからの影響を公言して憚らなかったピカソをはじめとする近現代作家の作品群も、時代を超えて人々を惹きつけて止まないクラーナハの偉大さを示すものとなっています。
 

 素晴らしい展覧会です!乞うご期待!!

 なお、今後展覧会に関するレクチャー等あれば、是非受講して、改めて展覧会についての記事をアップして行こうと思います。

chain国立西洋美術館企画展案内
chain「クラーナハ展」特設サイト by TBS



 


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