
昨日は防災の日であり、映画の日でもありました。私の主宰するBBSでも話題に上ったし、そろそろ近所のシネコンでは上映も終わりそうなので、思い切ってタイトル作を見て来ました。
正直言って、最初に映画館でこの作品の予告編を見た時、まだ記憶が生々しい段階で、どうして悪夢を呼び覚ますような映画を作るんだろう?と思った。お金を払ってまで、苦痛を追体験することもないだろうと思った。
監督はあの『ボーン・スプレマシー』(←オススメ)のポール・グリーングラス。
監督はあの『ボーン・スプレマシー』(←オススメ)のポール・グリーングラス。
彼は元はドキュメンタリー畑出身。実際に北アイルランドで起きた事件を元に、今回の『ユナイテッド93』と同様の手法(ドキュドラマ[docu-drama]と言うらしい)で制作した『ブラディ・サンデー(血の日曜日)』という作品で、02年のベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した実力派監督。
残念ながら『ブラディ・サンデー』は日本では劇場未公開らしく、私も未見。ビデオ(DVD)は出ているそうだから、見ようと思えば見られなくもない。しかし、国際的評価の高い作品が、どうして劇場未公開なんだろうねえ?>日本。
で、見ての感想はと言うと、乗客・乗員の絶望と混乱と勇気がないまぜになった描写が心にズシンと来た。やはり娯楽作品とは一線を画すもの。
で、見ての感想はと言うと、乗客・乗員の絶望と混乱と勇気がないまぜになった描写が心にズシンと来た。やはり娯楽作品とは一線を画すもの。
人間は自らの命の最後に何を思い、どう行動するか?
しかも予期せぬ事態に遭遇し、想像を絶する恐怖の中で、だ。
地上の混乱の様子や映し出されるTWC炎上の映像も、あの日を思い出させる(私は筑紫哲也氏がメインキャスターを務めていた「NEWS 23」と言う深夜のTV番組の速報映像で事件を知った。ほぼリアルタイムで、あの衝撃の映像を目にしたのだ)。
最後まで緊張感の途切れない演出はさすがだ。まさにドキュメンタリー仕立て。機内の描写は、予めきっちりスクリプトを用意せずに、綿密なリサーチを下敷きに役者達は被害者の人となりを理解し、被害者になりきって、その場の雰囲気でアドリブをどんどん入れたらしい。それが演技とは思えない緊迫感・臨場感を生み出したのか?機内の出来事は、乗客の家族への電話の内容や地上(管制塔)で把握した航行記録を元にした、あくまでも想像の域を出ないものかもしれないが、制作者の真摯な意図(犠牲者追悼)は伝わって来る。
それにしても、このような作品(今後も続々と出てくるだろう)を制作し、見続けるアメリカという国。タフな国だと思う。
最後まで緊張感の途切れない演出はさすがだ。まさにドキュメンタリー仕立て。機内の描写は、予めきっちりスクリプトを用意せずに、綿密なリサーチを下敷きに役者達は被害者の人となりを理解し、被害者になりきって、その場の雰囲気でアドリブをどんどん入れたらしい。それが演技とは思えない緊迫感・臨場感を生み出したのか?機内の出来事は、乗客の家族への電話の内容や地上(管制塔)で把握した航行記録を元にした、あくまでも想像の域を出ないものかもしれないが、制作者の真摯な意図(犠牲者追悼)は伝わって来る。
それにしても、このような作品(今後も続々と出てくるだろう)を制作し、見続けるアメリカという国。タフな国だと思う。
「アメリカを守るのは私達の義務」というアメリカ在住者の言葉にも説得力がある。日本に同様の事態が起きたら、おそらく私達は何もできないのではないか?”その時”も、そして、”その後”も。
(了)