はなこのアンテナ@無知の知

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日本の食卓の60%は海外頼み(>_<)ヽ

2008年02月01日 | 日々のよしなしごと
 巷では中国産冷凍食品の安全性を巡る問題で大騒ぎだ。某テレビ局の緊急調査では68%の人が「もう中国産の食品を買いたくない」と答えているらしい。しかし日本の食卓の中国依存度を考えたら、現実問題として、それは無理な話のようである。野菜や鶏肉と言った食材の中国からの輸入量は増加の一途を辿っており、今回問題になった調理済み食品の70%、輸入野菜の59%は中国産なのだから。特にネギ、ゴボウ、サトイモに至っては輸入品の全てが中国産らしい。

主要先進国における食料自給率の推移(農林水産省公式HPより)

 リンクの折れ線グラフの推移を見ると、広大な国土を持つ米国、フランスの自給率の高さは羨ましい限りだ。両国は「高め安定」と言ったところ。70年代にはドイツ、日本、英国は殆ど自給率に差がなかったのに、その後日本は(途中小さな反発はあるものの)下降の一途を辿り、77年前後には英国に逆転され、2002年時点でドイツ91%、英国74%に対し、日本40%と大差をつけられてしまった。工業立国、技術立国を推進する中で第一次産業がなおざりにされた結果と言えるのかもしれないが、同時に経済成長の後押しを受けて日本社会では「効率優先主義」がまかり通り、効率の悪い農林水産業が切り捨てられたと言えるだろうか?経済成長が見込めず国体が斜陽化しつつある日本で、この自給率の低さは今後食糧事情に深刻な事態を招きかねない。

 最近は原油高、食用穀物品不足等が食料品の値上げラッシュを招いている。政府の無策で少子高齢化は一向に止まる気配はなく、財政改革も既得権益者らの抵抗によって進まない為、国民の税金、社会保障費負担は増える一方なのに収入は増えないから可処分所得は減る一方。そんな中での値上げラッシュは家計を直撃し、国民は家計防衛に走らざるを得ない。特に手っ取り早く節約効果の高い食費の抑制を多くの人は考えているはずだ。ところが、国産は品薄で価格も高いと来ている。このような現状で果たして食卓の「中国離れ」は可能なのか?

 やっぱり無理だよね(>_<)ヽ。私が利用しているパルシステム(生協)は今回の農薬混入食品こそ取り扱ってはいなかったものの、例えば冷凍の魚など、「ノルウェー産」を「中国の工場」で加工していたりする。商品製造コストに占める人件費のことを考えたら、中国の工場に頼らざるを得ない現状がある。「食の安全」を標榜する生協でさえそうなのだ。食品の安全性を問うならば、かねてから取りざたされていた農産物生産現場における多量の農薬散布やその取り扱い(散布後の容器をきちんと処分せずに畑に放置→土壌や地下水の汚染)の問題だけでなく、食品加工工場の衛生管理の問題も見逃せないはずだ。今回の「農薬?混入事件」も加工工場に中国当局の立ち入り調査が入っている。

 おそらく多くの国民は「食の安全」を気にしつつも、「家計防衛」の為「価格重視」にならざるを得ず、「中国産食品」を選択することになるのだろうか。それ以前に食卓の食材の履歴を辿れば、中国が何らかの形で絡んでいるのが現状だろう。現在は中毒事件で一時的に中国食品アレルギーを起こしているが、日本が食料自給率を高めない限り、日本の食卓が否応なく中国産に依存しなければならない状態が続く。消費者に対して適正な供給価格を実現しつつ食料自給率を高める為には、他国に比べて生産コストが高い現状をどうにかしなければならないだろうし、流通(高速道路料金等~高速道路なんて1億円で僅か22メートルしか作れないそうだ。せいぜい路線バス2台分の長さ。このコスト高はそのまま通行料金に跳ね返ってくる。他の先進国のような無料化は夢のまた夢だろう。コスト高を招いているのは誰なのか?言うまでもなく権益に群がる輩である)の問題もある。

 結局のところ現在の日本が抱えている問題の多くは、これまで国民本位の政治がなされていなかったツケが、経済力の衰えによって露見したに過ぎないのだと思う(→今までは経済成長で何とか誤魔化して来られたのだろう)。政治を三流にしたのは(政治家を地縁・血縁・利害関係で選んでしまった)私達国民の責任でもあるが、国政を託された政治家の責任はそれ以上に重い。いつまでも権力闘争に明け暮れず、党派を超えて本当に国や国民のことを思う政治家が力を結集して、八方塞がりの現状を打破して貰いたい。他国なら暴動が起きてもおかしくないくらいの国になっていると思うんだよね。今の日本は。日本人はどうも「お上には逆らえない」と言う卑屈根性が徹底的に叩き込まれているみたいだ。寧ろ現代人は、かつて一揆を起こしたご先祖様より、無気力&卑屈になっているのかもしれない。
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