はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

関西旅行はおいしい&楽しい(6)

2007年06月01日 | 関西を楽しもう♪
 前のページ(『関西旅行はおいしい&楽しい(5)』)で『STOMP』("STOMP"は、…を踏みつける、足を踏みならすの意。転じて、足を踏みならして踊るダンスやその曲を指すようにもなった)について少し触れたが、ここで補足説明を(”語り過ぎ”な感がなきにしもあらず(^_^;)ははは…)

 映画本編上映前に毎回流れる、映画館で使用中の音響システムの紹介CM。映画館に足を運ぶ方にはすっかりお馴染みのものだろう。主役の”迫力ある音響”と共に、”濃霧の中を走り出す蒸気機関車””エジプトの遺跡内部に差し込む一条の光””壮大な宇宙空間”など、趣向を凝らした映像が数バージョンある。これらのCM、私にとっては”現実世界”から”映画の世界”への切り換えスィッチのようなものである。

 かつては、ヨルダンの古代遺跡ペトラに通じる、切り立ったふたつの断崖に挟まれるようにしてある細道~シク~を想起させるような映像もあった。ちなみに私の一番のお気に入りは宇宙空間の映像。暗闇の中にくっきりと浮かびあがる満天の星々が重低音の効いたBGMと相俟って雄大・荘厳な雰囲気を醸し、これから始まる本編への期待感も否応なく高まる、といった感じ。

 そのCMの中でもお馴染みの『STOMP』の公演を旅先のロンドンのウエストエンドで見た。ロンドン・ソサエティが運営するレスタースクエアの当日券アウトレット売り場で、たまたま半額券が手に入ったのだ。会場では、上演前から常連客と思しき最前列の若者グループがハイテンションな盛り上がりを見せていた。

 モップが、掃除ブラシが、ゴミ箱の蓋が、ドラム缶が、迫力ある楽器に変身する。何気ない日常的な動作や掃除道具などから繰り出される音が、卓越した演者のリズム感と身体能力でパフォーマンス・アートへの変貌する。そうした日常の、ややもすると耳障りな騒音や人間の動作に着目し、鑑賞に耐えうるアートとして昇華させたアーティスト達は、掛け値なしに「凄い!」と思った。個人芸がぶつかりあう緊張感とストリート感覚の遊び心。この絶妙なバランスにも感服した。



 そろそろ話を吉本に戻すと…先日夫が出張帰りに買って来た週刊誌には、最近巷間を賑わせている「吉本創業者一族と現経営陣との対立」の記事が掲載されていた。経営をその手に取り戻したい創業者一族と、新たな経営戦略で旧来の収益構造からの脱却を着々と進めている現経営陣の間の溝は深い。政治の世界もそうだが、お金が絡めば人間の本性の醜い部分が露わになる。キレイゴトだけでは済まされない役割を一身に負う者も出て来る。双方共にネガティブ・キャンペーンの応酬で、吉本のお笑いを愛するひとりとしては悲しくなる。
 
 それにしても記事中の”近年は、収益源が大阪から東京へと移る”という記述には驚いた。確かに吉本所属の芸人は、今や関西文化圏出身者に限らない。その出身地は、北は北海道から(タカ&トシ)、南は沖縄(ガレッジセール)までと全国区になりつつある。よって東京キー局で活躍する吉本芸人の中には関西弁を使わない芸人も珍しくない。”大阪のお笑い文化”は、東京への本格的進出で、”変質”を余儀なくされるのか?それとも全く別ものとして楽しめば良いのか?創業者一族の苛立ちは単にお金だけの問題ではなく、こんなところにもあるのかもしれないなあ…
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