はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

生まれた時代で、大きな差がつく

2015年06月07日 | はなこのMEMO
知人に、悠々自適にシニアライフを謳歌されている団塊世代の方がおられます。

ご本人は結婚後間もなく退職され、その後はほぼ専業主婦でした。ご主人は大手企業に勤めておられた方で、ご主人が定年されるまでに1億円近い金融資産を築かれたそうです。

現在の30代は、現在の50代が30代の頃より、年収で100万円ほど低いと言われる今の日本で、定年までに1億円近い金融資産なんて、宝くじに当たるか、富裕な親から遺産を相続するか、夫婦共に高給取りの共働きか、よほど資産運用巧者でない限り、夢のまた夢のような話です。

しかし、団塊の世代が現役だった頃は預金の高金利に加え、国の高度経済成長の波に乗り、所得は確実に年々増えて行き、最初に買ったマンションは買った金額より高く売れ、その資金を元手に、より広い一戸建てに買い替えると言う「住宅すごろく」も可能でした。

今朝7時配信の東洋経済オンラインの記事によれば、団塊の世代が現役バリバリだったバブル時代、元本保証で金利7%の金融商品はザラにあり、例えば100万円を預ければ10年後には元本と利息を合わせて倍の200万円になったとのこと。

記事はさらに預けたお金が利率によって何年で2倍になるかの計算方法を紹介しています。

根拠は不明ですが、72と言う数字がポイントのようです。

72を金利で割るとお金が何年で2倍になるか算出できるそうです(小数点以下は切捨て)

バブル期:72÷7(%)=10(年) 

2015年現在:100万円を10年間、大手銀行の定期預金に預けると想定:
     72÷0.1(%)=720(年)

現在の金利では、預けた100万円が2倍になるのに、なんとbikkuri720年もかかる計算です。しかも現在は昔に比べて社会保険料の負担もかなり大きくなっています(今の80代が現役の頃の年金保険料は給与の3%でしたが、現在は18%。しかもボーナスからも引かれます)。税負担も違う。昔に比べて可処分所得は大幅に減っていると言えます。

現在の団塊の世代は世代なりに厳しい競争にさられ、大変だったのかもしれませんが、こと資産形成に関しては、普通に働いていれば、現在の現役世代とは比較にならないほど多くの資産を築けたわけです。

日本は既に「普通に真面目に働いていれば、老後の心配もない社会」ではなくなってしまいました(さらにTPPによる国民健康保険制度の危機など、日本を取り巻く状況は悪化の一途を辿っているように見えます)。団塊の世代の資産は、その子供に何れ引き継がれるとは思いますが、それでも親世代ほどの豊かさを、もう子世代は享受できないのかもしれませんね。

団塊ジュニアより若い世代は、さらに気の毒な状況です。

世代間の格差是正は、それこそ国の責任の下に行われるべきではないでしょうか?

国の未来に対して、大きな青写真を描けなかった政治家、官僚。

差し迫った少子高齢化問題を認識していながら、何ら対処して来なかった政治家、官僚。

戦後日本のリーダーの養成方法に誤りがあったのでしょうか?或いは米国占領下に日本の支配層の首根っこを米国に押さえ込まれた結果が、今の社会状況を作り出したのでしょうか?戦後、日本は米国の顔色ばかり伺い、国家として主体的に判断し、動いたことなど、殆どなかったのではないでしょうか?それが国民間の経済格差拡大をはじめとする「米国社会の後追い現象」を招いているように見えます。

若い世代も、自分達にとって不公平な現状に対して端から諦めるのではなく、政府に対してもっと声を上げるべきだと思いますoniせっかく与えられた選挙権も確実に行使すべきです。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« バス停の紫陽花 | トップ | 『トイレのピエタ』(日本、20... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。