自分の周りにいる他人は、
自分を写す鏡と言われています。
これは、自分の周りに嫌な人がいたとすると、
その嫌な人は、自分の姿そのものだと
言っているのではありません。
同じ映画を見ても違う感想を持つように
私達は、自分のフィルター(先入観)を通して
世界を見ています。
極端な人のことは別にして、
自分が嫌な人だと感じる人を、
他の人も自分と同じように
嫌な人だと感じるとは限りません。
自分の周りにいる他人は、自分の写し鏡と言うのは、
鑑に映った像を自分がどのように捉えているかを
写してくれる鑑と言うことです。
後であの時、もう少し丁寧に、優しく接しておけば
良かったと思いがちな人は、
誰かと自分が、逆の立場でも同様で、
他人が自分に丁寧に接してくれたかどうかに
心のピントを合わせがちだったりします。
そして、そんな写し鏡は、
周りの人だけでは無かったという話。
2018年の春、ドイツで、
隣家から激しい男女の口論を聞いた隣人から
通報を受けた警察が直行したのですが、
家の住人の男と飼われていたオウムとが
激しい口論の真っ最中でした。
オウムが口論が出来るほどの言葉を獲得するほど
この男性は、誰に対してなのか何かに対してなのか、
家の中で悪態をついていたことになります。
普段、温厚な人が
彼女とか彼氏を家に招いた時に、
飼っているオウムが悪態をついたら
百年の恋も一遍に冷めてしまうかもしれません。
逆に、「○○さん。大好き。」なんて言葉を
オウムに覚えさせておいて、
彼女とか彼氏を家に招いた時に、
オウムが連呼してくれたら、
相手は自分をより好きになってくれるかも知れません。
オウムに肯定的で素敵な言葉を話しかけることで、
自分で自分の心を素敵な状態にすることが出来ますし、
それをオウムが覚えてフィードバックして話しかけてくれると、
より心の安定の助けとなるかもしれません。
2016年、クウェートで家で飼っていたオウムが
突然、セクシーな会話をするようになり
夫が家政婦との浮気をしていることが発覚し、
妻はオウムの会話を不倫の証拠として夫を告発。
写し取ったものを何度も再生する能力を持つオウムは、
写し鏡の中でも、かなり強烈なものがあるようです。
オウムの話になったので、少し脱線しますが、
カウンセリングの技法の傾聴技法の一つに
クライアントが話した言葉をそのまま返す
俗に「オウム返し」と言われる技法について
ほんの少しだけ書かせてもらいます。
この技法の目的の意味について
クライアントがカウンセリングに分かってもらえていると
感じさせるためにと書かれていることが多いようですが、
オウム返しをすることが良いんだと妄信すると、
上の二つのようなトラブルになることもあります。
私的には、オウム返しの技法は、
相手に聞いてもらっている感を持ってもらうことを
主にしたものではなく、
「今、あなたが話されたことは、こう言うことで良いでしょうか。」
と確認することを主としたものだと思っています。
コミュニケーションの道具として
言葉と言うのは優れた道具ではあるのですが、
同時に不完全な道具なので、
相手の意図したことを正確に受け取ることは
簡単ではないので、確認をする訳です。