10年以上勤めていた会社を辞めて、
催眠療法の勉強をするために
ツテも知り合いもいない東京へ。
その当時の私は、仕事を辞めて東京に来たものの
催眠は、超能力と同じ特殊な能力なのだから
自分には、そんな特殊能力が備わっているだろうか。
備わっていたとしても
その能力を引き出すためには、
滝行のような修行もしなくてはいけないのだろうな。
もし自分に特殊能力が備わっていないとなると、
駄目なものをダラダラと続けることは出来ないので
期限を3年間と決めてスタートしたのですが、
今思うと、その無知ぶりはお恥ずかしい限りです。
そんな私は、
他人を催眠に誘導できるようになることと同じ位に
自分が催眠を体験することにも興味津々で、
勉強初めて1か月くらい経過した頃、
催眠を理解して会得するためにも
自分が催眠を体験しておくことが必要と申告し
(本当は、ただ体験したかっただけ。)
「そうだな。」と仲山先生の承諾を勝ち取り
スタッフによる催眠誘導を受けられることに。
初めての催眠誘導、
リラックス誘導を受けている最中、
「どんな感じかな。」「どうなるのかな。」
もうワクワクしてリラックス状態にならず
意識変容状態どころではなく、
スタッフに「目が開かない。」と言われても
当たり前のように目が開くしまつ。
2回目、3回目、4回目、5回目と
リラックス誘導を受けている最中ずっと
「いつ意識が変容するのだろう。」
「来たかな。この感じかな。」
「何も変わらないぞ。」
スタッフが手が浮き上がります。
「上がらない。」
目が開きません。
「はい。開きました。」
こんなことが続くと、
「私には特殊能力が無いかも。」
「自分が体験出来なくても、誘導が出来ればいいや。」
と、あきらめムードで
イソップ寓話の酸っぱい葡萄のように合理化。
そんな私の様子をスタッフから報告を受けて
業を煮やした仲山御大登場。真打ち登場。ラスボス登場。
リラックス誘導は生声ではなく仲山先生のCDが流され、
CD終了後に仲山御大が登場、真打ち登場、ラスボス登場。
生声だろうとCDだろうと
スタッフの時と同様に意識変容状態は実感できておらず、
私は、すでに合理化完了していて、
御大だろうと、真打ちだろうと、ラスボスだろうと
「無理なものは無理ですから。」
「私には能力が備わっていませんでしたあ()。」
と、口にこそ出していませんが心の中では思っている状態。
そんな私に仲山が一言二言話しかけてから
仲山「もう目が開かないよ。」
私「開くね。開いてしまうよ。残念ですぅ。」
私「はい。開いた。あれ?はい。開い。。。開かない。あれ?」
仲山「腕が浮き上がる。起き上がれない。声出せない。」
私「腕浮き上がる。起き上がれない。声出せない。あれ?」
こうして、私の一つの夢が叶い。
その後、一日中
嬉しくてニヤニヤと笑いが止まらなかったことを
覚えています。
何が言いたいのかと言うと、
この私の初催眠体験に
催眠体験のコツと言うか重要なヒントがあるように思うのです。
仲山の技量の高さも関係していたと思いますが、
それ以上に、
体験したくて興味津々、ワクワクの時には体験出来ず、
合理化で体験を諦めたら、体験出来た。これです。
気負わず、臆さず、身構えず、
お任せ状態と言うのか、無防備状態と言うのか、
催眠体験を邪魔する余計な心の動きが無くなっていたことが
一番の要因だと今も思っているのです。
これから催眠体験をしてみたい。
催眠体験がなかなか出来ずにいる方にとって
少しでも助けになればと思います。