GENさんの陸上ワールド

柳原 元の公式ブログ。WA世界陸連公認代理人。海外サポートしているクライアント選手、チームの活躍ぶりなどを綴ります。

ベルリン&シカゴのレースを観て

2013-10-16 07:52:36 | 日 記
13日、アメリカで行われたシカゴ・マラソン。
2週間前に同じワールドマラソンメジャーズ(WMM)のベルリンでW・キプサング
(ケニア)が2時間03分23秒の世界記録が出したせいもあり、更なる記録更新が期待
される中、主催者が用意した男子トップ集団のペースメーカー設定記録はハーフ通過が
62分00秒。
スタート時の気温12℃という好条件にも恵まれ、ケニアのD・キメト(ケニア)が、
世界記録には届かなかったものの2時間03分45秒の好記録で優勝。
2位のE・ムタイ(ケニア)も2時間03分52秒と、同一レースで史上初めて2名の
選手が「4分切り」を達成。
D・キメトは今年の東京マラソンでも優勝している実力者です。

そして、ベルリン、シカゴを見ていて感じたことですが、これまで男子のケニア選手と
言えば、若い時期に勢いよく出てきて、ただ、世界のトップクラスで活躍する時期は
短いといった印象がありましたが、近年はトラック・ロードで実績を積み上げ、或いは、
30歳手前でマラソンに挑戦して世界のトップクラスの仲間入りを果たした後もその
レベルを一定期間維持し続ける選手が増えてきたように思います。
今回優勝のD・キメトは29歳、2位のE・ムタイは28歳。更にベルリン優勝の
キプサングは31歳、2度目のマラソンで同2位で2時間04分05秒のキプチョゲは
28歳といった具合に。
ちなみにキメト選手の前後半のハーフの記録は61分52秒と61分53秒と、見事な
走りです。

一方今回参加の日本人男子選手。
日本人トップはマラソン2回目でこれまでの自己記録が2時間12分台の佐野広明選手
Honda所属)が2時間10分29秒のベストで7位と大健闘。
前半ハーフは65分13秒、後半が65分16秒。後半は体力の消耗により多くの選手が
ペースダウンする中、粘り強さが光った走り。
32歳のベテラン尾田賢典選手(トヨタ所属)も自己2番目の記録で9位に。
最近のWMMレースでは2時間8分以内のベストタイムを持つ選手が少なくとも10名
前後は出場。更にマラソンデビューながらハーフベストが60分を切るような選手も
何名かいたりと。そんな中、先のベルリンで7位入賞の石川末廣選手(Honda所属)は
12番目、小林光二選手(SUBARU所属)は15番目の持ちタイム。
シカゴを走った2選手もそれと同等レベルの選手でありながら海外の舞台で複数名の格上
選手に勝手のこの成績は見事なものです。

これらWMMのレースは、ゴルフの世界4大大会(マスターズ、全米OP、全英OP、
全米プロ)、テニスで言えば全豪、全仏、ウィンブルドン、全米などに匹敵する大会
シリーズ。
そこでのベスト10やベスト8入りですから本当に価値のある成績だと思います。

先の五輪、世陸では中本健太郎選手(安川電機所属)が連続入賞を果たし、暑さの中でのレースで
力を示し、今回ベルリン、シカといったハイレベルな高速レースでも複数の選手が
下位入賞ラインに顔を出す日本男子マラソン勢。若手からベテラン、更には色々な
チームの所属選手が出てくる当り、今後日本人選手の海外での活躍ぶりが益々楽しみ。
WMMのレースで上位入賞や総合ポイント争いでベスト8入りを果たす選手が出てくる
日も近い将来のことかもしれません。

↓今年のシカゴマラソン。地元アメリカ選手とレースを進める日本人選手ら。
 上下白のウェアが7位入賞の佐野選手。その隣り白黒のウェアが9位の尾田選手。

Photo by K.Nkajima


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