紳士を支えるお店

もじおです。好きなコラムニストは山田五郎さんです。
15年くらい前でしょうか、山田さんの講演会で「いつの時代も男性のファッションは受け身だったんだけど、近代になって既製品が増えたこともあり、ますますその傾向にある」といった類のお話をしていたことがあります（ちょっとうろ覚えですが）。

そんなことをふと思い出した今回。お伺いしましたのは、産業道路沿いにあります有限会社都丸洋服店さん。これまでテーラーとお話する機会がなく、生地も仕立ても完璧なスーツをお召しになった社長さんと常務の剛さんを前に当初ガクブルだったわたし。しかしとても貴重なお話を伺うことができて、結局2時間もお邪魔してしまったことは今でもボスに内緒にしています。

お店に入って意外だったのがこちら！都丸洋服店さんはジーンズのオーダーメイドもできるんです。

スーツもそうですが、足が太くても（←わたし）自分にぴったりあったパンツって、かっこよく見えて気分が高揚しますよね～。


最近、ジーンズやスーツが手軽に手に入るようになりましたが、サイズが「ぴったり決まるものをみつける」というよりは「着られるものを見つける」という感覚に陥りがち。お店にいらっしゃるお客さんもおなじようなお悩みの方が多いようです。

「最近オーダーのスーツも軽い生地などが増え種類が豊富。サイズをきちんと測って、その人に合うデザインや生地で作れば、高級な生地じゃなくても既製品とは全然違ういいシルエットになります。」（社長の都丸さん）

以前はスーツのオーダーで、ここのポケットはメガネを入れやすい工夫をしてほしい、といった細かい注文のお客様が多かったそうですが、最近はそこまで「燃えるような」オーダーが可能なことを知らないお客様が多いそう。なのでこちらのお店でスーツを作ったお客様は、大抵喜んでお帰りになるそうです。

県外で修業ののち入社した、常務であり社長のご子息である剛さん。剛さんが入社した頃からは、若い方のオーダーが増えているそうで、先日はYシャツのオーダーにグループでお越しになって、夜遅くまで注文のやりとりが続いたそうです。活気があっていいなぁ～。

「無理難題に応じるのがオーダー屋の務め。注文の多いお客さん、服に前向きな姿勢のお客さん大歓迎です」（同）

スーツは「紳士服」とよく言われましたが、昔ながらの技術と気概で紳士を支えるひとたちが群馬にいらっしゃることはうれしいことです。デリケートな扱いが必要なブランドのスーツのお直しもできるそうなので、お困りの方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか？