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フェルミ推定

2010-10-27 10:54:54 | 科学
小学校4年生の宿題 (Math Project) が Fermi Questions だった。
大人と子供では考え方が異なるので、対処に難渋した。

例えば、下のピザ屋の問題について言えば、需要と供給のバランスとか、パイの分配とかという概念が子供にはない。
どうやって推定したらよいのか。
明らかに無理があると思われる仮定を使うしかないのか。

第一段階
全部で3問あったが、その中から一つ。

<ニューヨーク州にはピザ屋さんが何軒あるか?>

大人の回答:
マーケットの大きさを推定して、ピザ屋一軒あたりの年間売り上げで割れば概数が推定できる。
ニューヨークの人口:2000万人で約9割の人(ほぼ全員として計算)がピザを食べる。
平均して月2回、一人あたり$10弱/回ピザ屋に支払うので、1年を通して一人あたりピザレストランで$1000使う。
従って、マーケットの大きさは$20B(B: billion) 。
ピザ屋1軒あたりの売り上げは平均50万ドルなので、ニューヨーク州内のピザ屋の総数は4万軒となる。

子供(小学校4年生)への説明:
この町の人口は2万人
ピザ屋の数は30軒
ニューヨーク州の人口は2000万人
ピザ屋と人口の比率がニューヨーク州どこでも一定だとするとピザ屋の総数は3万軒となる。

比率が一定だというのはかなり無理があると思うが仕方ない。
マンハッタンと山間部では違うと思うからだ。(多分、都市部や郊外の方が人口の比率が高い)

第二段階
自分で問題を作る。(全部で5問)

アメリカ国内の年間新生児の数を推定するとか、前庭に生えている芝生の葉の総数を概算するとか、象1頭と釣り合うペニー硬貨の数を推量するという問題を思いつくのは何とかなった。
それらの回答を自ら作成するのに四苦八苦した。

第三段階
実数を調べる。

新生児の数は統計がある(約430万人)
芝生の葉の密度も知られている。
象の体重とペニー硬貨の重さは調べればわかる。


ここまで子供につきあって考えたこと。
日本の小学校の時にこういう宿題が課されたことはなかった。
つまり、正解のない問題を一生懸命考えると言う宿題。
日本では、学校の宿題にいつも「正解」があったのだ。

みんなが違う答えを持ち寄ってくるこちらの学校の宿題は面白いだけではなく、現実的に重要な事ではないだろうか。
実生活では正解のない問題に直面することが頻繁だからだ。
また、知識をつけると言うよりも考える力をつけさせるために努力しているのが窺われる。

日米の教育方針の違いをまた一つ見つけた。







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