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ニュースや新しいテクノロジー、サイエンスについて感じること。

史上最大のデータ漏出事件:インターネット・セキュリティー

2011-04-05 00:02:20 | 日記

マーケティング会社の名簿がハッカーによって盗まれるという事件が起きた。
イプシロン (Epsilon) という会社名には馴染みが薄いかもしれないが、その顧客リストを見ると、マーケティング界の最大手だと分かる。

ざっと拾ってみると、

銀行: Citibank, Ameriprise Financial, Barclays Bank, JP Morgan Chase, US Bank
エンターテイメント: Disney Destinations, Tivo
小売業: Best Buy, Brookstone, Target, Walgreens
旅行業: Hilton Worldwide, Marriott International
ビジネスコンサルタント、人材派遣: Kroger, McKinsey Quarterly, Robert Half
本屋: AbeBooks
アパレル: Lacoste, New York & Company

これらの会社の肩代わりをしてメールを送付し、その数は年間400億通にも上るという。
取引のある会社ごとにメールアドレスと名前が漏洩したという。
それ以外の個人情報は漏れていないと状況を過小評価しようとしているが、ことは重大だ。
どこかの国の放射線量発表みたいだ。

現段階で懸念されているのは、Spear Phising といわれるスパムメールの増加だ。
通常のフィッシングメールと異なり、宛名がきちんとフルネームで表示されており、場合によっては住所まで書かれている。
スパムメールの一つの見分け方として宛名がフルネームかどうかと言うのがある。
実際、スパム篩い分けフィルターの一つとして「名前が入っているかどうか」という条件を使用している。
その防御法が使えない。
厄介な事態である。

また、これとは別に、アンドロイドと iOS に対して顧客情報の取り扱いが合法かどうかの司法調査が入っているという報道もあった。
自分の知らないうちに情報が様々な会社に送られているというのは望ましいことではない。
特に、グーグルの場合は個人情報の取得とそれらの相互関連づけが会社の生命線だ。
誰と誰がメールのやりとりをしているかに始まり、誰が住所録に載っているか、どういうウェブサイトを閲覧しているか等を全てデータベース化している。
グーグルカレンダー上の行事や参加者からから、社会活動から個人的なネットワークまでも知ることが出来る。
アップルは iOS 上でグーグルの活動を野放しにしている点を問題視されている。
今回はグーグルのの手法が合法かどうかの予備調査だ。

これらを見ると、個人情報は宝の山だと言うことが分かる。
しかも、その保護に関する法律の整備が出来ていない。
昨日から今日にかけて、多くの会社(イプシロンの顧客会社)から「情報が漏れたから注意するように」という警告のメールが届いている。
今回の事件についても、警告を受け取るまで自分の個人情報をイプシロンに握られていることを知らなかった。

恐ろしい限りだ。


福島第一原発の事故処理

2011-04-03 10:33:12 | 日記

福島第一原発事故の評価が行われている。
世界でこれまでに3例しかない 炉心溶融の記録を基に、福島原発で何が起きているかを科学的に推論するものだ。
特にフランスでは原発の依存度が高く、原発の安全は国の存亡にかかわっている。
必死に情報を集めるのは当然だ。

フランスの解析によると、福島の原子炉では冷却水の75%が失われ、炉心の温度が接し2500度以上に達したとされる。
この温度は核燃料を保護するジルコニウムを溶かすのに十分な高さだ。
水素爆発が起きたという事実だけとっても核燃料棒の温度が危険なレベルに達したことが分かる。
米エネルギー省長官スティーブン・チュウ氏は一昨日(先週の金曜日)、福島の原子炉の一つは7割が損傷し、もう一つでは燃料棒の1/3が溶融していると発表した。
実情は数年以上待たねば確認できないだろう。
ただ、ヨーロッパとアメリカの科学者達はいずれも最悪の事態 (complete meltsown) だけは回避できると見ている。

多くの観測データを基にしたコンピューター・シミュレーションでは冷却水が失われていた時間の長さから放出された放射性物質の拡散状況、直接観測できない炉心の状況などが科学的に推論される。
このシミュレーション用のプログラムをフランスで作成していた人と一緒に仕事をしたことがある。
彼から聞いた話によれば、 彼のチームが取り組んでいたのは膨大なプログラムを使って、各観測地点での核種や線量、気象データ、目に見える出来事(水素爆発など)等、様々な生データの経時的変化を入力し、事故の経過を再構築するものだ。

そういったシミュレーションによって福島からの放射性物質がいつどのくらいカナダや米西海岸に到達するかが予測され、実際にその正確さが示されている。
そのシミュレーションによって、福島第一原発は最悪のコースをたどっていないと推論されたのはよい知らせだ。
しかし同時に、これからの困難さも示している。

福島原発事故はスリーマイル島の事故に比べて重大さが格段に上だ。
一つの原子炉で核燃料棒が半分損傷しただけのスリーマイル島事故では160トンの汚染水が川に流され、1300万キューリー (4.8 x 10^17 Bq) もの放射性物質が空気中に放出された。
今回の福島原発事故では汚染水の量は東京ドームの何倍分にもおよび、最終的に放出される放射性物質の総量は想像を絶する。
規模が桁違いだ。

スリーマイル島ですら、NRC(原子力安全委員会)から安全宣言が出されたのが事故から10年近くも後で、核燃料の除去には14年を要している 。
Dickinson College で事故とその後の汚染除去作業の要約がまとめられている。
土壌やコンクリートに染みこんだ放射性物質は自然崩壊するのを待つしかないという付録までついてくる。
福島第一原発事故については専門家の言うとおり、現代で最も重大な災害を目のあたりにしている ("Clearly, we're witnessing one of the greatest disasters in modern time." - Alan Hansen, Areva NC)。
この後始末は政府が言うように数ヶ月単位とかではなく、十数年或いは数十年という単位で考えなければならない。
政府は不安をあおらないという大儀名分のもとで過小評価を発表するのをやめ、もっと真実を伝える様に改めるべきではないか。
政府発表にたいする信用度は地に墜ちており、風評被害を押さえるという意味ではむしろ逆効果だ。


HPの長期戦略とデルの凋落

2011-03-30 14:43:00 | 日記

デル(NASDAQ: DELL) のアンディ・ラーク氏 (global head of marketing for large enterprises and public organizasions) が CIO のインタビューに答えて驚愕の発言をした。
デルの将来に暗雲が立ちこめている。

「アップル(NASDAQ: AAPL)の iPad は企業には受け入れられないだろう」という発言だが、それ自体は論争の的であり特に不条理ではない。
後述のように、HP(NYSE: HPQ)のスティーフン・ドゥイット氏もアップルの将来に疑問を投げかけている。
ライバル企業の弱点を突くのはビジネス戦術の王道なので二人の発言の趣旨は理解できる。

問題なのは、その根拠を説明しようとして理不尽な発言を続け、現況を把握できていないことと、技術面での無知さ加減をさらけ出した点にある。
まず、「iPad はマウスやキーボードを一緒に買うと $1,500 - $1,600 もする。」という発言。
そして、それを根拠に、「 iPad は高価すぎて企業は買わないだろう」と続けた。
先日サムスン電子が、iPad 2 の価格とデザインはかなり手強い、と認めたように$499から始まる価格はかなり意欲的な設定だ。
ラーク氏は、10インチタブレット市場では iPad 2 が最も安価なタブレットの一つだという事実を把握していない。
iPad は今なら$299(WiFi モデル)で購入できる。
低価格は実際に iPad の魅力の一つなのだ。

次に技術面での無知さには呆然とさせられた。
アップルが開拓した(正確には大きく育てた)タブレット市場はタッチパネルの導入が刮目点だ。
キーボードを使う人は自分を含めて少数派だし、キーボードを利用するのはほんの一部の時間だけだ。
マウスに至っては全く使用しない、というか使用できない。
タブレットにはマウス用ドライバーが装備されていない。
デルはタブレットにもマウスを付随させるつもりなのだろうか。
新しい機器の本線が見えていないとしか言えない。

これらの事実を並べるとラーク氏の発言の不条理さが鮮明になる。
まず価格について、iPad 2 は付属品をつけても彼の示した値段の半額である。
事実を倍に誇張するのはいただけない。
次にアップルが低価格路線でライバルと競争しているという現況を全く把握していない点。
さらに、タブレットにマウスは不要だという根本的な理解ができていない点。
デルはタブレット市場に切り込んでいくつもりなら、最低限の知識を有し正確な状況把握のできる人をトップに据えるべきではないか。
このままではデルはじり貧だろう。

次にHPの見解について。
HPはデルと異なり、正確な状況分析に基づいた的確な指摘を行った。
下請け会社との関係をHPはとても大事にしているという。
アップルは強気で押してくるので部品会社の間で評判が良くないという。
確かにそういう話は聞く。
将来競争が激しくなったときに、下請けとの関係を大事にしていることが重要な武器になるとHPは考えている。

一理ある。


東北地方太平洋沖地震関連:感染症等の情報

2011-03-29 08:04:44 | 日記

国立感染症研究所から自然災害時における感染症に関する有益な情報が発信されている。

更新回数も多いようなので紹介しておきたい。

感染症等の情報(国立感染症研究所)(http://idsc.nih.go.jp/earthquake2011/index.html)
ここから肺炎や水の確保、手指衛生に関する情報を得ることが出来る。


福島第一原発:原子炉燃料破損(溶融)による放射性物質と被曝汚水

2011-03-25 17:28:52 | 日記

福島第一原発で作業を続けていた人がベータ線被曝によって負傷したとの報道があった。
さらに、3号炉の建屋内に貯まっている水の放射線量が1mlあたり3.9メガベクレルにも及ぶという。
3号炉だけでなく1号炉も同様の状況らしい。
一般の人にはピンとこないかもしれないがこれは凄い数字だ。

例えば基礎医学の研究施設で扱う放射性物質32−Pを例に取ると、何人もで分けて使用する原液でも通常は37メガベクレル(1ミリキューリー)だ
32−Pはベータ崩壊によって安全確保が比較的容易とされているベータ線を放出する
それでも、これだけの量の放射性物質を保存するにはアクリル製の頑丈な瓶に入れてさらにその瓶を鉛の容器内で保管しなければならない。
使用する際はアクリル製の遮蔽板等を使い、数メガベクレル (2 - 4 MBq) ずつチューブ内に移し替える。
ガイガーカウンターで微量な漏れがないかを常に調べるが、検出筒がチューブの方を向いただけで針が振り切れる。
作業時間は努めて短くするし、体幹だけでなく指先の被曝量もバッジでモニターする。
福島原発の貯留水にはわずか1ccの水の中にそれだけ細心の注意を払って取り扱う量の放射性物質が含まれている。
にもかかわらず、貯留している水量は想像もつかない。

その大量の放射性物質が放水等によって海に流れ込んだら、また爆発等が起きたら数十年後、数世紀後まで大変な影響を及ぼすだろう。
背筋が凍り付くとはこのことだ。

さらに恐ろしいのは、これだけの放射性物質は核燃料から流れ出したと考えなければ説明がつかないことだ。
その場合、空気中にも多くの放射性物質が含まれているはずだ。
実際、遠く離れた東京でも放射性物質量の増加を観測している。
公表されていないけれど、建屋内の放射線量は想像を絶する値を示しているのではないか。
そのような環境で作業を続けることは自殺行為に等しい。
言葉がない。


福島第一原発が心配だ

2011-03-24 00:13:14 | 日記

しばらく福島第一原発の様子を静観してきたが、気になる点が3つどうしても頭から離れない。

一つは放射性ヨウ素が東京の水道水から検出された (210 Beq/L) ということ。
もちろん健康被害につながる可能性もさることながら、検出されたという事実が重たい 。
ヨウ素(I−131)の半減期は8日間。
これは、持続的に放射性物質が放出されていることを示す。
さらに、放射性物質の放出が増えれば東京の水が危ないことも示唆している。

二つ目は炉心温度。
1号炉内は場所によらず300˚C以上と通常運転時より高いこと。
上下部の温度が同じということは水がないことを意味するし、異常高温は炉心溶融を反映している。
つまり、水の注入によってさらなる損傷を招く危険や臨界に至る可能性を考慮しなければいけない。
現在、中性子線が検知されているかどうかが大変気になるところだ。

それに加えて塩の蓄積がどこにあるかが大問題となる。
例えば、夏の砂浜でくぼみに海水をかけ続けると底に白い塩の結晶が形成される。
同じ現象が福島第一原発でも起きているはずだ。
放水に際して大量の水蒸気が上がったとの報道があった。
塩はどこへ行った?
まさか燃料棒に塩の結晶がこびりついたりしていないだろうか。

不安定な原子炉に対して効果的な冷却方法が見つからない現況をどきどきしながら観察している。


福島第一原発事故の報道

2011-03-19 09:18:42 | 日記

福島第一原発から目が離せない。
アメリカでも福島第一原発から飛散してきたと思われるキセノン−133が検出された。
無視できる放射線量なのが幸いだ。

ただ放射線の測定値が正直に報道されてないのが不気味だ。
例えば、今回の事故は多くの放射性物質を気体の形で大気中に放出している。
上空に吹き上げる量が地上に向けて放射される量よりも多いはずだ。
にもかかわらず、公表されるのは地上の測定値のみ。

実際、4号炉上空の放射線量はやや離れた地点でも毎時300ミリシーベルトに達するいう情報が一旦発表された。
ただ、正確な地点が不明でその後の観測値も公表されていない。
アメリカの被曝基準は日本より厳しく、放射線取り扱い従事者の年間許容線量は50ミリシーベルトまでだ。
日本は100ミリシーベルトだったものを250ミリシーベルトまで基準をゆるめた。
これらの数字と比べるとかなり大量の放射線量が放出されているのが分かる。
少なくとも、敷地内では冷却装置の復旧作業にとって足かせとなる放射線レベルだろう。

上空に放出される放射性物質の弊害のひとつは汚染範囲が広いことだ。
実際、農作物や牛乳から放射性物質が検出されている。
チェルノブイリでは生物学的濃縮によって放射性物質を多く含む牛乳を摂取することによって健康被害が大きくなったことが知られている。
さらに風評被害も心配だ。

今回の対処には多くの疑問がある。

  1. 1週間経って初めて各国からの技術援助を受け入れるというのは遅すぎる。
    事故直後のアメリカからの援助申し出を断っておきながら、「そのような事実を把握していません」と平然と答える政府は信用できない。
  2. 現在現場で戦っている人の健康被害は必至だ。
    彼らに健康被害に対する正確な情報が伝えられていないとすると、人道的観点から問題がある。
    少なくとも彼らには知る権利がある。
  3. 第一原発は第二原発と違い安全性に問題のある原発だ。
    冷却装置がストップした段階で廃炉を当然視野に入れるて対処を進めるべきだった。
    アメリカからの技術・物資援助は廃炉を前提としているので受け入れられないとした政府の立場は間違っている。
    Mark 1 原子炉について無知なのは、明らかな勉強不足による。
  4. 情報管理はパニックを防ぐためという大義名分かもしれないが、情報はきちんと開示するべきだ。
    「観測点の一つで線量の増加が認められたが...」は何も伝えていない。
    どの地点でどういう数字が出たか地図と表で示して欲しい。
  5. マスメディア側の勉強不足も否めない。
    的外れな質問をやめて、本質に切り込める人材はいないのだろうか。
    正確な情報収集をすすめて、国民の知る権利を守るのがマスメディアの使命ではないのか。

今回の問題の一つに、寿命が来た40年前の原子炉を無理して使用しているという事情もある。
科学技術はこの40年間に大きく進歩した。
例えば、大阪万博の目玉の一つIBM館には日本語のタイプが出来ますというコンピューターがあった。
そのための設備はビルのサイズだった。
今ならタブレットの iPad でも日本語文書をカラーで印刷出来る。
70年代の車と最新モデルの車をを比べてもその違いがよく分かる
もっと積極的に新規原発を推進して古い原子炉を早期に停止させるべきではないか。

原子力発電は資源小国の資本では生命線にもかかわらず「原子炉は悪だ」、という建前が存在する日本社会の歪みが露出した。
福島第一原発と第二原発は微妙に立地条件が違うので正確な比較ではないが、片や大事故でもう一方は無事という現実を前にすると原子炉の型の違いも要因の一つかと思わざるを得ない。
今後、原子力発電政策を転換するなら、ますます状況は厳しくなる。
古い原子炉の退役が遅れるからだ。
かといって20世紀以前の生活様式に戻るというのは現実的でない。

現在首都圏では電力不足からくる不便を余儀なくされている。
日本の製造業に対する信用も揺らいだ。
例えば、部品調達が出来なくなったGMは工場の一時閉鎖に追い込まれた。
安全のために取引先の多様化(日本以外からの調達)を進めてくる可能性がある。
これを機会に日本のエネルギー事情を真剣にそして本音で議論するべきだ。
心臓移植の二の舞になって割を食らうのは国民だからだ。

最後に Fukushina 50 に深く感謝すると共に、彼らの無事を願う。


福島第1原発事故に関する事実

2011-03-18 13:17:10 | 日記

福島第1原発事故に関して事実を整理して報道する新聞を見かけない。
政府発表はこうだったとか、専門家の意見はこうだというものばかりでその意見の根拠も示されていない。
従来より、日本の新聞社には科学的なあるいは論理的な考え方が欠けているという恐れを抱いていたが、肝心な時を迎えても少しも改善が見られない。

アメリカの各新聞にはわかりやすい図説が出ているので紹介しておく。
まずはウォールストリートジャーナルの原子炉の損傷状況についての図説から。

See Reactor Status: 原子炉の状態 
(上段から、使用済み燃料貯蔵プール、建屋、格納容器、燃料棒の順)
色について。
赤:損傷もしくは溶融
橙:損傷の可能性
黄:過熱
白:異常なし

これを見ると、3号炉、4号炉がもっとも逼迫していることがわかる。
高放射線源は4号炉だ。
5号炉、6号炉も日本での報道は少ないが危険な状態だ。
冷却装置が働いていない上に、その修復が高線量の放射線に阻まれて思うようにいかないからだ。
実際、5号炉では59˚C、61˚C,63˚C(16日)と連日水温上昇が見られる。
沸騰する前に対策を講じることができるだろうか?
少なくとも、水温(事実)を正確にまたリアルタイムで公表していくべきだ。

次に放射線量について、ニューヨークタイムスから
このリンク上の数字(右端)は毎時あたりの線量をミリシーベルトで表している。(多くが正門前の測定値)
ちなみに自然被曝量はおおよそ年間2ミリシーベルト(毎時1万分の2ミリシーベルト)だ。
言い換えると右側の数字「2」は自然界の1万倍の高線量と言うことになる。
東電の発表ではあるが少なくともこれまで5回ほど、敷地外で毎時2ミリシーベルトという莫大な量が観測されている。
以前より予測されていたとおり、炎が上がると、線量が増大することもわかる。
敷地内ではこれらとは比べものにならないくらいの線量が観測されているはずだ。
東電が人員撤退を決めたのは当然の判断だった。
「撤退はあり得ない」と檄を飛ばした首相は特攻隊でも率いているつもりなのだろうか。

最後に、保管中あるいは使用中だった核燃料の数(量)について。
1号炉:原子炉内に400本+使用済み292本 (プール内に50トン)
2号炉:原子炉内に548本+使用済み587本 (プール内に81トン)
3号炉:原子炉内に548本+使用済み514本 (プール内に88トン)
4号炉:原子炉内に0本+休止中548本+使用済み931本(プール内に135トン)
5号炉:原子炉内に548本+使用済み826本 (プール内に142トン)
6号炉:原子炉内に764本+使用済み1136本 (プール内に151トン)

この事実を前にして思うことは放水車での水の補給(せいぜい数十トン)がどれだけ効果があるだろうかという疑問だ。
高校で物理を習ったことがあれば理解できると思うが、数百トンもの過熱した核燃料を数十トンの水で冷却しようという試みはまさに「焼け石に水。」
白煙(水蒸気)があがって終わるのではないか。
むしろ、最悪の事態について議論するのを避けるための時間稼ぎに見えてくる。

政府関係者は現場でがんばっている人についてどう考えているのだろか。
事故初期の判断ミスを他人に押しつけている現政府に幻滅した。
放射線量が毎時数ミリシーベルトという劣悪な環境で必死に戦う彼らの身が案じられてならない。

災害対策全体にも同じことが言える。
野党も沈黙を続けているし、日本政府としての意志決定システムも機能していないように見える。
陣頭指揮をとろうという人もいない。
被災者支援も草の根活動に頼っているが実情だ。


福島第一原発周囲の放射線量

2011-03-18 00:33:38 | 日記

アメリカ軍が Global Hawk drone (無人飛行機)と Dragon Lady (高飛行高度機 U-2)を飛ばして福島第一原発の周囲で放射線量を測定した。

Drone: 

U-2: 

 

その結果、NRCのヤズコー委員長が勧告した半径80kmの避難圏を維持するべきとの結論を出した。
日本政府の発表では、「諸外国は保守的な基準を取っているだけで理解できる」としているが、むしろ日本政府の対応が理解できない。
実際、原発より30kmの地点での放射線量は、全身で年間の自然被曝量 (0.62 rem) の2倍、甲状腺で8倍 (5 rem) の被曝量に達している。
これをもって安全と判断するか否かが問題だ。
日米両国で放射性物質を取り扱ってきた経験からすると、自分の家族が30km圏に住んでいたら、もっと遠くへ逃げろと懇願するだろう。
放射線障害には線量の閾値がないからだ。

日本政府の言う、「健康に影響を与えない線量」というのはそもそも存在しない。
自然被曝量でも影響はある。
それに比べてどのくらい影響が大きいかが問題になる。
つまり、「自然被爆によって生じる放射線障害と差がない」というだけに過ぎない。
5レム(50ミリシーベルト)という被曝量は出来れば避けたい。

アメリカ軍は、北朝鮮の核施設のモニターや、核兵器の使用に備えて、様々な機器を有している。
米軍は、要請があればいつでも協力すると言っている。
日本政府はどうしてそう言う機器を借用しないのか。
さらに、4号炉のプールに残存する水量の確認も可能だと断言する。
さすがに日本政府に無断で原発に近づくことは出来ないらしい。
アメリカ政府は収集可能な情報を得る事が出来ないことに対していらだちを隠していない。
「自分たちは(水の有無についての)疑問に(日本より)もっとはっきりと答える事の出来る技術と機器を持っている」(Jeffrey Lewis)
“I’ve got to think that, if we put our best assets into answering that question, we can do better”

原発内のいかなる作業も高線量放射線との戦いなので困難となっている。
この時点で既にチェルノブイリに次ぐ歴史に残る大事故だ。
東電は電力回復に全力を尽くすと言っているが、「どうしてもっと速くこの手を打たなかったのか?」という疑問が出てくる。
電力が回復しても、冷却装置自体の機能が回復する可能性が低いと判断しているからではないか?
アメリカの専門家も厳しい見方をしている。
「今、福島原発で行われていることは最後のあがきに近い。とりあえず何でもやってみる。危機管理と言うより、神頼みだ」
“What you are seeing are desperate efforts — just throwing everything at it in hopes something will work. Right now this is more prayer than plan.” 

東電の職員が「4号炉には燃料が完全に水没するくらい水がある」と証言しているが、放射線量の測定値と矛盾している。
アメリカ軍が収集したデータは使用済み燃料の空気中への露出を示している。
最近の「神頼み作戦」では核燃料の温度が下がっていない。
衛星からのデータを持っているアメリカ政府は4号炉について、「使用済み燃料が水の枯渇で露出してしまっている」として最大の関心を寄せている。
("the spent fuel pool there has run dry, exposing the rods")
3号炉についても、格納容器の損傷による放射線漏れを疑い、プールの水温も依然として高いとしている。
”Reactor No. 3, which has been intermittently releasing radiation from what the authorities believe may be a ruptured containment vessel around the reactor. Temperatures at that reactor’s spent fuel pool are also high.

ヨウ素−131セシウムー137の検出も悪材料だ。
特にセシウムは半減期が30年なので、出火によって飛び散れば数世紀にわたって住むことの出来ない地域が生じてしまう。

他に打つ手が無く、窮して一か八かの作業しているとすると、我々は祈るしかない。
後は、日本政府であれ、アメリカ政府であれ、プールの水温や原発周囲の放射線量を正確にモニターして、大惨事が起こる前に警告して欲しい、と願う。
この意味でも、最低80km以上の緩衝地域を持ちたい。


原発事故に見る日本政府の信用度

2011-03-17 10:11:21 | 日記

福島第一原発から放射線を帯びた噴煙が金曜日には米国本土にまで到達する見通しが明らかにされた。
チェルノブイリ事故の際にも10日後に米国西海岸で放射性物質が検出された。

米国原子力規制委員会(NRC)の委員長、グレゴリー・ヤズコー氏 (Gregory Jaczko) は放射線量について、「憶測は避けたい」としながらも、「健康被害は出ないと考える」と述べた。
("I don't want to speculate on various scenarios, but based on the design and the distances involved, it is very unlikely that there would be any harmful impacts.")

さらに、エネルギー省長官のスティーブン・チュー氏は状況を把握するために39名からなる特命チームを8トンにも及ぶ装備と共に日本に派遣することを明らかにした。
彼は物理学部門においてノーベル賞を受賞しており、原子力関係にに詳しい、といえるだけの実績を持っている。
アメリカは対岸の火事ですら、彼が中心となってこれだけの情報収集努力をしている。
軍事衛星から撮影した写真も当然、分析資料として使用していると推定する。

一方、核関係に詳しいと豪語した人が指揮を執る日本政府からは何ら具体的な情報が出てこない。
これは重要な事実を事情があって隠蔽していると考えるのが普通だ。
おそらくは、マスコミの過剰反応と、住民のパニックを恐れてのこと。
実際、日米が異なる避難基準を設定する中、一国たりとも日本の基準を自国民に適応していない。
この事実は、日本政府の発表を誰も信用していないことを意味する。
この空前の危機を前にして、政府の信用度が問題になるようでは日本政府には危機管理能力が欠如していると言わざるを得ない。

今後、考えられる最善のコースをたどったとしても、福島第一原発からは大量の放射性物質が空中に放出される。
現に、半減期が30年にも及ぶ放射性物質が検出されたという報道も見た。
影響は甚大だ。

今回の事故で今後の原発建設には大きな影響が出るだろう。
最大の課題は、東電の体質改善と政府の情報開示に関する信頼回復だ。
マスコミ側がプロ意識をもって活動することも必須だ。
どれも一朝一夕には行かない。
今後の電力政策の困難さが見えてくる。

その意味で、電力政策について今、政府が本音で国民に語りかける必要がある。
ただ闇雲に原発建設を中止するだけでは問題は解決しない。
電力需給のバランスが崩れた今、新規原発無しではどうなるかという生活を首都圏で経験している。
さらに夏場になれば状況は悪化するだろう。
国民としては需要を削減するか供給を増やすかの選択を迫られていることになる。
事実を率直に語り、国民の判断を仰ぐべきだ。

供給を十分確保するために原発を建設するとしても計画の練り直しは不可欠で、安全面での強化が求められる。
例えば、電力料金が跳ね上がったとしても安全対策からコスト意識を取り除く必要がある。
安全はお金に換えられない。
新規原発を建設しないなら、代替えエネルギーを使用しても需要をまかなえないのは明白だ。
かといって、他人のふんどしで相撲は取れない。
その場合は、現実的だとは思えないが、恒久的な計画停電が不可避となる。
無い袖は振れないからだ。
計画停電が長期化した場合の生活や産業に与える悪影響は計り知れない。
工場の移転が産業の空洞化につながり雇用が失われる、というのが一例だ。
公共輸送機関にも影響は出るだろう。

日本は厳しい選択を迫られている。


諸外国と日本政府の取り組みの違い

2011-03-17 00:11:09 | 日記

米国原子力規制委員会(NRC)の議長であるグレゴリー・ヤズコー氏 (Gregory Jaczko) が福島第一原発から80km以内に住んでいるアメリカ市民に対して退避するように勧告した。
イギリスも東京以北(東京も含めて)に在住する英国民に対して避難勧告を出した。
日本政府の半径20kmの避難地域や同30km の屋内退避指示に比べて格段に厳しい。

この違いはどこから来るのだろうか?
また、NRCの根拠は何だろうか?
NYタイムスワシントンポストBBC等の報道を統括すると次のようになる。
(ちなみに、NRCは原発事故の状況を把握するために専門家を10人以上派遣している。)

米国下院委員会におけるヤズコー氏の証言から引用する:
「原子炉の周囲の放射線量は現在非常に高いと判断している」
("We believe that around the reactor site there are high levels of radiation." )
「短時間で致死量に達する線量だと考えられる。」
("The doses they could experience would potentially be lethal doses in a very short period of time.")

NRCの相談役エリック・ムーア氏:
「水面から露出した核燃料は出火する。そしてその火によって放射性物質が撒き散らされる。」
("If there's no water in there, the spent fuel can star a fire. Once you have that fire, there's a high risk of radiation getting out, spewed by the fire.")
福島の原子炉からは出火が認められていた。

2006年に National Research Council (NRC)が「使用済み核燃料からの出火は大量の放射性物質の放出につながる」 ("could result in the release of large amounts of radioactive material.") と報告している。
さらに、「様々な仕組み重複して組み合わせた冷却装置を使って使用済み燃料を貯蔵するように」と勧告している。
(nuclear power plants build "redundant and diverse" coolant systems to keep the fuel underwater during a crisis.)
福島では単純にポンプ付きプールで使用済み核燃料を貯蔵している。

ルース駐日大使が上記避難勧告について:
「米国で同じ状況が起こったらNRCのガイドラインにそって原発から80km以内の住民に避難勧告を出す。 福島第一原発についても同様の処置を取る。避難が無理なら屋内退避を。」
( "Consistent with the NRC guidelines that apply to such a situation in the United States, we are recommending, as a precaution, that American citizens who live within 50 miles (80 kilometers) of the Fukushima Nuclear Power Plant evacuate the area or to take shelter indoors if safe evacuation is not practical,")

確かにこれらの情報を総合すると、日本政府の発表より重大な事態であることが分かる。
東電と政府の発表は事実の隠蔽と重大性についての過小評価だと言われても致し方ない。
正確な事実をまず伝え、それに対する判断は事実と明確に区別して発表するべきだ。
敷地内での線量、圧力計、水温計の読み、作業状況(一人当たりの作業時間など)、衛星写真、敷地内の地図等が事実だ。
記者会見では、事実と判断がごちゃ混ぜで、しかも判断の部分が希望的観測で彩られている。
これでは、少しでも事情の分かる人には信用されない。

さらに、報道各社の過剰反応も重大な障壁だ。
記者会見を見ていても、質問者の不勉強とプロ意識の欠如が明らかだ。
発表内容を理解できていない記者が多数いる。
例えば、原発事故の取材をするなら放射線量と健康被害、原発の仕組み、国の基準等は最低限予習しておくのが当然だ。
それによって発表された線量の持つ意味、セシウム等検出の意味なども理解できる筈で、当然質問内容も変わってくる。
今は、感情的な質問等で鬱憤のはけ口を求める時ではなく、皆で一致して事態の対処につとめる時期だ。
マスコミにはジャーナリストとしての自覚を求めたい。

そして最大の問題はリーダーシップの欠如だ。
政府は断固として、避難者の支援を行うべきだ。
使用可能な東北地方の空港に燃料をドラム缶で送ることは出来ないのだろうか。
自衛隊は輸送機を持っているのではないのか。
そうすれば、救援活動を行っている車両の給油がガソリンスタンドに頼らなくても良い。救援のためのハブの設置を早急に行い、民間航空会社から飛行機をチャーターして救援物資を送れるのではないか。
石油会社も救援の協力を要請しても異論は出ないのではないか。
政府から建設的な対策が何も出てこないことに失望している。


事実隠蔽と過小評価

2011-03-16 09:28:01 | 日記

東北地方に寒さが戻り、最低気温は氷点下以下だと聞く。
関東地区に広がる買いだめの影響もあり、燃料供給が十分でない中、避難生活を余儀なくされている人々のことが心配でならない。

一連の災害対応の中で気になることがある。
日本政府の存在感のなさだ。
こういう危機に直面した時にこそ、先頭に立って救援復興を導くべきではないか。
むしろ逆に大本営発表よろしく事実を隠蔽し、事故の重大さを過小評価しようとしている。

危機感を持って対処していれば、冷却機能喪失の一報を受け、即時弁解放と冷却水注入の手段を取ったはずだ。
弁解放に伴い放射性物質が空中に出て来るがやむを得ない。
「放射性物質を決して放出してはならない」という強迫観念に縛られて決断が鈍ったのもあるだろう。
「肉を切らして骨を断つ」覚悟がなければ沸騰水型の原子炉の炉心溶融を防ぐのは不可能だ、と30年以上も前から報告されている。
そのために圧力放出弁を取り付けたという史実がある。

「まだ大丈夫」という過小評価をもって時間稼ぎをする余裕はなかったはずだ。
許された時は数時間程度、場合によっては45分しかないとも記されている。
原子炉の専門家なら当然知っている事実だ。
誰かが、この手段を封じたとしか思えない。
政治的判断だったとしたら言語道断だ。

有事の際の指揮権は誰にあるのだろう。
今でもそれが見えてこない。

次に事故の重大さのレベルについても日本政府発表は、諸外国の専門筋の評価に比べて常に低かった。
この過小評価の政府発表のため各国の救援隊の中に日本政府に対する不信感が広がっているという。
自衛隊ですら東電から報告される事故の重大性に疑念を持ち、一時作業を中断したくらいだ。
東京の安全なオフィスで、体裁を気にして見当違いの指示を出し続けている東電本社の姿勢には失望した。
現場で頑張っている人々のことを思うと、腹立たしい。

体裁を気にしているのは政府も同じだ、。
必死で注水活動を続けている人に、「法に基づいて注水命令を出しました」とは笑止千万。
一応手は施していますよと言わんばかりの態度には呆れを通り越して絶望する。
この政府は無能だ、の一言しかない。
もちろん現況で政府が交代するわけもなく、同様の政府対応が続くかと思うと暗澹たる気持ちに包まれる。

一方、避難している人たちの態度(冷静さ、秩序)は各国で賞賛を浴びている。
実際多くの人から声をかけられるが、被害の大きさと東北の人たちの対応にみな驚愕している。
有事の際に暴動や略奪が無く、みんなで助け合っている素晴らしい社会だという。
きっとこれなら再び立ち上がれると思う。
頑張れ。

宗教にかかわらず、教会や寺院で多くの人が日本のために祈りを捧げ、救援活動の助けになればと物資や義援金を集めている。
各企業も、積極的に支援活動を行っている。
ケーブル局は日本のテレビ放送を無料で中継している。
電話会社は日本への通話を無料にしている。
アップルの iTunes のメインページはワンクリックで募金できる様に設定されている。
ごく一部の心ない人の発言をみかけるが、多くの人は心から応援をしている。
少しでもこの気持ち、支援が届きますように。


欠陥原子炉

2011-03-16 00:11:34 | 日記

福島第一原発 の事故に関して、背筋の寒くなる話が飛び込んできた。
ここで使用されている Mark 1 原子炉の設計は General Electrics (GE) が行ったが、1970年代から既にその安全性に疑問が呈されていたというのだ。
コストを下げるために安全性が犠牲になっているとして、米国原子力安全委員会(AEC)から製造中止を求められている。
(リンクはAECの Stephen Hanauer 委員からの文書)

自分の無知を恥じる共に、日本政府がそのような原子炉を長期にわたって安全だと宣伝してきたことに驚愕を覚える。
日本国内のシステムとして、製造責任ではなく運用責任を問うのが一般的のため、東電が批判を一身に浴びている。
GEの設計責任を問う新聞の論調も見られない。
この問題をニューヨークタイムスの記事から掘り起こしてみたい。

問題の本質は、このタイプの原子炉は事故により冷却不能になった場合、放射性物質を閉じ込めておくことが困難になる、というところにある。
さらに、福島で現実に起こったように、冷却不能な原子炉では圧力抑制装置 (pressure-suppresion system) が損傷することが予想されていた。
そのため、関電で使用されている加圧水型の原子炉の方が有事の際に安全だとして Mark 1 (沸騰水型)原子炉の製造販売を禁止することが真剣に検討されたが、既に多くの Mark 1 原子炉が出回っているため「ここで政策転換をすることは原子力発電業界の死を意味する」(Joseph Hendrie)、として見送られた。

80年代に入り原子力規制委員会(NRC)の Harold Denton が福島第一原発で使用されている Mark 1 原子炉は「燃料が露出すると90%の確立で爆発する」と断言している。
その後の研究会報告では「沸騰水型原子炉では炉心溶融が起きれば数時間以内に格納容器から放射性物質が漏れる確率が高い」 ( "Mark 1 failure within the first few hours following core melt would appear rather likely.") とされている。
これに対してGEの対応は、これまで一度も格納容器が損傷した例はない、と実績を前面に出して反論している。
今回の事故を見ると、冷却機能が失われた Mark 1 (沸騰水型)原子炉は炉心溶融に向かって一直線だというのが分かる。

80年代後半になるとGEの内部文書にすら Mark 1 格納容器の安全性が十分検証されていないとか、安全性にかかわる欠陥があると記されるようになった。
そのため、圧抜き用の弁等を取り付けるようになったのだが、福島原発の場合、この弁がうまく機能していないと報告されている。

既に福島第一原発事故の重大さはスリーマイル島事故のレベル5を超えレベル6とされている。
現場で必死の作業を続ける東電や関連会社の努力で格納容器の破損もしくは爆発と言う最悪の事態だけは避けて欲しい。
ただ祈るのみだ。


原子力発電所の事故: 福島第一原発

2011-03-14 09:54:16 | 日記

東日本大震災(東日本巨大地震)で機能不全に陥った福島第1原発で東電の作業員が必死の対応を続けている。
現場では被爆した人もいると報道されている。
爆発するかもしれない原発に近寄りたい人はいないだろう。
大変危険で判断の難しい作業を限られた人員で行っている現場の人達には頭が下がる。
格納容器が損傷する前に炉心冷却に成功するように祈っている。

原発の稼働停止で電力供給不足が生じて計画停電が行われている。
この影響は大きく、混乱も見られる。
最大の懸案は、停電の場所と時間が確定されないことだ。
このリスト作成は大変困難な仕事である。
東電の人手不足は明らかで、暫定的で大まかなリストしか発表できていない。
批判は受けても東電においては、毅然とした態度をとって、大惨事を避けるために優先度に応じた対処をして欲しい。

この点について各新聞社の報道には首をかしげざるを得ない。
地名の違いや時間の不正確さで大騒ぎをしている。
今の時点で完璧な停電リストを作成することが最優先だろうか。
電力需要の予想もつかない中で、最低限の人手を使ってリストを作成した努力は買うべきだ。
もちろん不正確なリストでは混乱が起きるが、今回のような災害の後では致し方ない。
なかには予定されていた停電が起きなかった、と不平を述べる人がいることに驚きを覚える。
今は非常事態だという意識はないのだろうか?
今回の災害は不便きわまりないが、不満のやり場を今東電に求めるのはいかがなものか。
原発事故処理と電力供給に少しでも集中できるようにみんなで応援するべきではないだろうか。

アメリカでは今回の原子力発電所事故を受けて、原発の安全性についての議論が活発化している。
その中で、アメリカの原発はマグニチュード 7.5 までの地震が近くで起きても大丈夫なように設計されている、と明かにされた。
逆に言うと今回のような巨大地震(マグニチュード9)が来れば、今回と同様な炉心溶融をおこす原発事故につながる可能性が高いと言うことだ。

これまで日本では原発の安全性ばかりを強調して、事故に対する対処法を公に議論できない風潮があった。
日本独特の「本音と建前」の弊害の一つだ。
炉心溶融が起きている可能性が高い、としか言えない政府では正確な対処ができるかどうか不安だ。
現段階では炉心溶融が起きているのでこれらの対策が必要だとはっきり発表するべきだ。
初期段階で、「念のための避難」などと表現するようでは情けない。
弁解放の時期も放射能漏れを懸念するあまり時機を逸して水素爆発につながっている。

原発事故の対応は大変難しい。

建前をかなぐり捨てて本音で勝負しても困難が予想される。
きれい事では済まない。
今回の政府の対応を見ていると、危機感の欠如が明らかだ。
絶対と言うことはあり得ないという前提で、事故処理方法を徹底的に検証できる社会になる方が安全だ。

今の日本は原発なくしては立ちゆかなくなっている。
電力が供給されなくなったら日常生活に不便を来たし、各種産業が大打撃を受ける。
原発は無い方がよい建前だけではどうにもならない。
有事の際にどうするかを各国の事故から学び、より安全性を高めていく必要がある。
原発事故はあり得ないから、事故処理を議論しないという理論は早く捨てて欲しい。