saderのエッセイ館

saderは自然の中を旅するのが好きです。
四季折々自然が持つ“蠱惑の魅力”を『エッセイ館(やかた)』へとどけます。

台高山脈 荒谷山

2009-04-30 17:35:33 | Weblog
4月29日(水)昨日“桜井の仙人”から『明日、荒谷山へゆくからナ』という電話があった。荒谷山というのは台高山脈リュウゴ尾根末端のヤブ山で“ヤブ山大好き!”という変人・奇人しか行かない山である。
処が何故か最近、登る人がいるらしく、“道標が無くなって登山口が判らない”4峰の登りで“明後日の方向へ行った…”とかいう話が悪いことに“仙人”に聞こえたらしい。迎えにきた赤いロングボディのパジェロには「登山口の道標を立て、4峰へのコースに黄色い幅広テープを巻く」という、勤労奉仕に狩り出された犠牲者が3人、すでに乗っていた。サンキリトンネルを出て西ノ谷林道に入ると、右に谷を挟み、目近に聳える鋸歯状山稜が荒谷山だが、ここからは4峰までしか見えない。荒谷山本峰は4峰に上がって、はじめて姿をみせる。見てくれは素晴らしい鋸歯状山稜だから、岩稜が連続し、アルペンムードが…、と想像させるが、行ってみると1峰から4峰の頂まで、丈余のスズタケを掻き分け、掻き分けで、岩場らしき場所は荒谷山本峰の直下に申し訳程度にあるだけである。
ともあれ、4峰の鞍部から山頂まで“迷い人”がでないよう、スズタケより高い位置に幅広の黄色いテープが巻かれ、最後に取付に登山口と判る道標が設置され、大峰山脈に傾く陽がアケボノツツジを色濃く染めるころ、ようやく我々4名の苦力(クーリー)は解放された。

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三郎ヶ岳

2009-04-27 15:47:31 | Weblog
4月26日(日)天気予報では終日曇り、午後には薄日も…、というピンポイントの榛原宇陀方面の天気予報だったが、登山口の小峠から登りはじめる頃には、今にも降り出しそうな雲行きになっていた。高城山への急坂もイワカガミが咲く露岩の短いクサリ場を過ぎると、ゆるやかな芽吹きの疎林となって、古い石灯籠の礎石を右にする。笹の斜面がひろがる高城山の山頂部が近づくと、草刈機のエンジン音が聞こえてきた。途中、登山道の笹が刈り払われ、歩きやすくなっていたが、山頂部も綺麗になり、見晴らしも良くなっていた。
整備してくださった方々にお礼を申し上げ、休憩小屋に入り、一休みしていたら横殴りの霙が降ってきた。予想通り気温は冬なみ、雨具を着けてゆくことになる。まだ咲き残っているミツバツツジと芽吹きが実に美しい。濡れた二つ目の露岩のコブを注意して踏み越え、三つ目のコブを過ぎ、フイックスロープが張られた三郎ヶ岳の山腹を登る頃には氷雨も小降りになっていた。
三郎ヶ岳の頂からは、流れる霧の間に間に、山々が萌黄色の色鮮やかな衣をまとい、春ならでは景観が眺められた。山頂を辞し、磨崖仏の残る鞍部までクサリの設置された急坂をくだる。血原方面と石割峠への分岐になっている峠では、散り初めるミツバツツジの群落が古い民家と開明寺奥の院を飾っていた。割石峠から伊勢本街道を辿り、帰途につく私たちに時折、薄日が射し、美しい諸木野の里と満開の石楠花が見送っていた。

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坊主尾山

2009-04-27 13:12:18 | Weblog
4月22日(水)今月は花の時期が重なり、上旬は撮影取材に明け暮れていたが“桜井の仙人”と約束していた坊主尾山へでかける前日、昔、勤めていた会社の方から電話をいただいた。聞けば「奈良百遊山」を登っていて、残すところ2山のみとかで、明日“池木屋山”の代わりに坊主尾山へゆくとの話、数十年ぶりに電話をくれた方が、明日、同じ山へ行くという!まさに奇遇と言うほかない。
 登山口の風屋ダムへ着くと、バスが4台も入っていた。「奈良百遊山」を登っている90名近い人が来られていた。日ごろは人影も綯い坊主尾山は、さぞかし驚いたことだろう。山頂で数十年ぶりに再会したM氏は昔と変わらず、他に2人の“戦友”にも再会できた。“老兵は死なず”この日、坊主尾山は快晴の青空と満開のヤマザクラ、芽吹きの梢をわたる風も爽やかだった。

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多武峰・明日香路

2009-04-14 16:10:24 | Weblog
4月8日(水)多武峰から明日香への道を“撮影散歩”してきました。談山神社の桜は“病気”に罹るものが多く、建築物の一部が工事中ということもあってイマイチの感じだったが、明日香への道は良く整備され、歩きやすかった。冬野川沿いの風景は何処か懐かしい「日本の原風景」を感じさせ、季節を問わず素晴らしい。
石舞台までくると、桜は満開、そこ此処で“お花見”をしている。橘寺、川原寺、甘橿ノ丘など、ゆく先々が桜・さくら・サクラの花盛り、穏やかに晴れた空に少し気だるい春霞がなんとも良く似合う。皆を見送って、ひとりになって、一面に菜の花咲く稲淵を訪れ、上平田峠を越えて帰途につく頃には、つよかった日差しも消え、暮れなずむ金剛・葛城山から心地よい風が吹いていた。

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