奈良地方気象台は28日、非常に強い台風24号が30日夕方~夜、県内に最接近する見通しだと発表した。4日に近畿地方に上陸し各地に被害をもたらした21号並みの暴風や、それを上回る大雨のおそれがあり、気象台は厳重な警戒を呼びかけている。

 気象台によると、台風は強い勢力を維持して近畿地方に接近し、上陸のおそれもある。県内は30日正午ごろから暴風域に入る見通しで、前回の21号並みの風速20メートル以上の暴風が吹く予想。進行速度が速いため、急速に風が強まるとみられる。

 また、台風の北上に伴い秋雨前線の活動が活発になり、接近前から激しい雨が降る。29日明け方ごろから降り始め、10月1日午前0時までの総雨量は多いところで、北部が300ミリ、南部が500ミリの予想。30日午後は台風本体の発達した雨雲に覆われ、1時間に80ミリ以上の猛烈な雨に見舞われる所もあるという。

 JR西日本は30日昼ごろから翌日にかけて、京阪神地区で運転を取りやめる可能性があると発表。県は、天川村で開催予定だった「えんがわ音楽祭」を30日は中止とするなど、台風接近で、週末の催しを中止する自治体も出ている。

 前回の21号では、奈良市が最大瞬間風速37・4メートル、十津川村が同41・6メートルを記録。県によると、強風で転ぶなどして2人が重傷、7人が軽傷を負ったほか、建物の屋根が飛んだり、文化財が損傷したりする被害が相次いだ。十津川村では強風による倒木で道路がふさがり、集落が孤立した。