第94回全国高校ラグビー大会の準決勝2試合が5日、近鉄花園ラグビー場(大阪府東大阪市)であり、御所実は40―14で京都成章に勝利、2大会ぶり3度目の決勝進出を果たした。7日に東福岡と対戦し、悲願の初優勝を目指す。
練習試合を繰り返してきた京都成章との一戦。前半5分、御所実はゴール前の中央から左へパスを展開した。準々決勝で負傷した矢沢蒼(あおい)選手(3年)に代わって出場した北村将大(まさひろ)選手(1年)が小泉友一郎選手(2年)にパスをつなぎ、そのまま持ち込んで左中間に先制のトライを決めた。
「開始10分を大事にしようと(チームメートと)話していた」という小泉選手は、「前のスペースが空いたので飛び込んだ。決められてよかった」と振り返った。
16分には30メートル付近から得意のモールで押し込み、吉川浩貴主将(3年)が相手選手の虚をついてトライ。ゴールキックも決めて、14―0とリードを広げた。
前半、京都成章はモールで再三ゴール前まで迫る猛攻を見せた。だが、御所実のFW陣が堅い守備を見せ、ゴールラインを突破させなかった。
後半も御所実の勢いは衰えない。2分、ラインアウトからモールで押し込み、吉川主将が2度目のトライを奪う。15分にはトライを許したが、その後は立て続けに3本のトライをあげ、試合を決めた。
吉川主将は「2年前の忘れ物を取りに来た。先輩たちが成し得なかった日本一を目指して、全てを出し切りたい」と意気込みを語った。(松永和彦)
■生徒や保護者ら400人声で後押し
応援席には、御所実の生徒や保護者ら約400人が詰めかけ、選手に声援を送った。
「押せー!」「行けーっ!」。御所実が好機を迎えるたびに、応援席は熱気に包まれた。野球部OBの中西純也君(3年)は「夏の奈良大会でラグビー部の応援は心強かった。全力で応援して恩返しをします」と力を込めた。
ラグビー部員たちが「勝利の女神」と呼ぶ御所市のキャラクター「ゴセンちゃん」も駆けつけた。昨年夏からベンチにゴセンちゃんの人形を置いている。以来、公式戦は無敗だ。保護者らとそろいの黒のシャツ姿のゴセンちゃんは、盛んに手を振って応援していた。