ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

チョコレート(マーク・フォスター)

2007-11-25 | Weblog
ストーリー; 州刑務所で死刑執行がおこなわれようとする前夜、親子代々看守を勤める二人が死刑囚の担当となる‥
出演;ビリー・ボブ・ソーントン、ハル・ベリー 、ピーター・ボイル
コメント;原題はmonster’s ball。放題では「チョコレート」というなにかしら甘美なタイトルになっているが、実際には原題のほうがこの映画の本質を表していると思う。Ballには実は舞踏会という意味がある。Give a ballで舞踏会を催すとかfancy ballで仮面舞踏会という意味になる。つまりmonster’s ballでは「化け物たちの舞踏会」「極悪人の舞踏会」という意味になるがイギリスでは死刑前夜のことをそう称しているようだ。もちろんこの映画では「死刑」が描かれているがそれがテーマではないだろうし、「人種差別」というテーマも考えられそうだが、映画でことさらに扱うべきことでもないだろう。ただひたすらに、主人公はチョコレートアイスクリームを食べ、画面には出てこない不在の「女性たち」が画面の後ろから映画を眺めているといった感が強い。したがって「誰か」が死刑にはなるのだが、それがどんな罪状であるかはあまり明示されず、新聞紙のタイトルにちらりと顔が流れるだけだ。ある種の人間模様ではあるのだが、余計な台詞の説明は少なくアメリカ映画としては稀有なパターンとなっている。怪物もどきの人間模様…を淡々と描き、ラストシーンもはなしてハッピーエンドであるかどうかはまったくわからない。「たぶんうまくいくだろう」という独白はあるのだが…。ハルベリーはアカデミー助演女優賞を受賞。この映画を「007ダイ アナザー デイ」を同時に撮影していたらしい。この映画では髪の毛をストレートにして過激な「演技」にも挑戦している。ただあの大仰な演技は個人的には鼻につくのだが。そして最後の「たぶん」とは英語で「probably」だったか「maybe」だったか。perhapsとか maybeであればおそらくラストはやはり「不幸」を暗示していると思うのだが。