偏差値考 続きーAIの偏差値ー
・そもそも知能とは from Wikipedia
知能は、論理的に考える、計画を立てる、問題解決する、抽象的に考える、考えを把握する、言語機能、学習機能などさまざまな知的活動を含む心の特性のことである。
知能は、幅広い概念も含めて捉えられるが、心理学では一般に、創造性、性格、知恵などとは分けて考えられている。 また「社会性」という範疇に入る能力は「社会的知能」と呼ばれ、本質的にパーソナリティの問題であり、厳密な意味での知能とは区別する向きも多い。
このように、知能には実にさまざまな側面があるため、各々の知能検査が考案されている。知能検査の結果を表示するのによく使われるのが知能指数である。しかし、一般社会で知的能力と考えられるものを全て計測することは、無論不可能である。個人の知能を客観的に評価する場合には注意が必要である。
・上述した知能とは人間が考えた知能であり、現宇宙に存在している現在における人間の属性とも考えられる。この宇宙も、またその中に存在する人間も変化(進化、退化)する。それ故知能の概念も無限に変化する可能性がある。所謂人間原理に基ずく知能であるといえる。
結論からいえば、真のAI(人工知能)は無限の彼方にあり、到達しえない。比喩的に表現すれば、(西洋的)全知全能のAIであり、また(東洋的)人間を超越した存在、つまり人知を超えたAIである。
さて、これが論証解決できるか否かについては種々様々の議論があり、現在最も注目すべき課題の一つである。
また知能とは人間固有のものか、あるいは人間を超越した普遍的な知能というものが存在すのか?あるとすればそれを如何にして測るのか? この場合のAIの客観的な個性、偏差値とは?
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参考① WEB記事、「3分でわかる!AI(人工知能)とwatsonの違いを徹底解説 」
ポイント 本来「AI」は「人間のように、あらゆる分野で自ら考える知恵を持ったコンピューター」のことで、人間と同じように自ら考えることを目指している「強いAI」ともいう。
一方、「見たものを理解する」「聞いたことを理解する」「状況を判断する」「喋る」などの個別の力を「AI技術」と呼び、限られた分野で人間をサポートすることを目指している「弱いAI」と区別する(Siriや自動運転車など)。
さてwatsonの製作会社、IBMではwatsonのことを新しい概念「コグニティブ・コンピューティング・システム」と表現している(コグニティブ:認知)。コンピューティングのコグニティブの世界では、数値やテキストはもちろん、自然言語、画像、音声、表情、はたまた空気感などもコンピューターが理解することが可能である。
また、これらの情報を理解するだけでなく、これらの情報をベースに仮説を立てて推論し、この結果を自ら学習していくことで、人間の活動を支えるコンピューターがwatsonであり、それを目指している。
レベル1:アルバイト・クラス 極単純な制御プログラムを搭載しているだけで、アコンや冷蔵庫など。これらの技術は「機械工学」などとも呼ばれ、長い歴史がある。
レベル2:一般社員・クラス 複雑な判断ができ、出てくる答えのパターンが極めて多いのが特徴で、将棋のプログラムや掃除ロボットなどがある。
レベル3:課長クラス 機械学習の技術を取り入れ、膨大なデータからルールや知識を自分で学習していく。検索エンジンなどがあり、watsonは課長のキャリア採用として華々しくデビューを飾り、後にマネージャー(レベル4)へと昇進していく。
レベル4:マネージャー・クラス ディープラーニングの技術を取り入れ、人間の思考回路に近いものになっている。これにより、AI(人工知能)の可能性が飛躍的に高まり、現在のAIブームになった。最近では、Googleの画像検索や音声検索、翻訳などに利用されている。
参考② WEB記事、「”東ロボくん”の挑戦と限界」
ポイント 東大合格をめざすロボット「東ロボくん」の開発で偏差値は60近いところまで来ている。しかし開発者はそのあたりが限界と見ている。
AIは数学の言葉で動く。数学の言葉で捉えられることなら、AIは人間より強くなれる。しかし、それは与えられた枠組みの中での計算で、枠組みそのものを問い直すことはできないし、文章を入力してあたかも意味が分かっているかのような反応はできても、意味が分かってるわけではない。
疑問:AIは数学の言葉で動くのは、現在の技術の延長で考えればそうだろう。しかし、もしその前提が崩れれば、AIの可能性はさらに拡大するのではないか?
参考③ 茂木健一郎、『眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話』
ポイント AIのIQは人間より高いの? AIは自分より頭がいいのでは?
シンギュラリティ(技術的特異点)に到達したAIは、あえて数値化すればIQ(知能指数)4000だろう。天才アインシュタインはIQ180。
ますます「人間の存在意義はなくなってしまう」と不安になる。
しかし、その不安は無用、直感や思いつきが人間の知性のカギである。計算力や記憶力を生かした仕事はAIに任せて、人間しかできないところで力を発揮すればよい。そのヒントが、人間のもつ「感情の豊かさ」である。
もともと人間の脳は、論理(ロジック)と感情(エモーション)という2つの軸のうち、感情のほうに重点を置いて発達してきた。
そのため、論理的思考は苦手な傾向にあるが、非常に豊かな感情表現を備えており、この面ではだんぜん人間にアドバンテージがある。だからこそ、感情の世界で人間がAIに追いつかれる心配はなく、人間の独壇場といえる。
参考④ WEB記事、連載「『考える機械』の未来図(5)、Nature,2020-08-07; 「人工知能の”知能”とは、そもそも何を意味するのか?」、WIRED(US)AI Machine Learning Science
ポイント AIの学習能力とヒトの知性の特殊性
人工知能(AI)の性能はますます高度化し、タスクによっては人間の能力を超えるようになった。しかし、少数の事例に基づく学習や領域横断的な能力の応用となると、ヒトの赤ちゃんの足元にも及ばない。
ぐずる赤ん坊と人工知能(AI)とでは、まるで勝負にならないように見える。赤ん坊には正確な画像認識もテキスト意味解釈も出来ないし、ゲームの腕前も話にならない。
それでも赤ん坊は、どんなAIにも不可能なことをやってのける。生後たった数カ月で、文法などの言語の基礎を把握し始め、物理世界の仕組みを理解し始め、未経験の状況に順応し始める。
だが、赤ん坊が(あるいは大人が)具体的にどのように学習しているのかについては、現在、専門家にも正確なところは分からない。こうした知識のギャップが現代のAI開発の核心的問題である。
新たなアプローチが必要
深層学習フレームワークの開発者 フランソワ・ショレは「ヒトの知性の特殊性は、可塑性、つまり一度も経験したことのない状況に知識を応用する能力にある」、「ヒトは最初からスキルをもっているわけではない。新たなスキルを習得する幅広い可能性をもって生まれてくる」と言う。
人工知能の“手本”として、人間の脳は本当に適切なのか? 進化がヒトの脳にさまざまな能力を授けたように、AIプログラムが赤ん坊のように効率的に学習し、知識を活用するには、さらなる物理学や心理学の基礎的な理解が必要になる。
参考⑤ WEB記事、AIさくらさん、「AIに魂は宿るのか?」、2020-07-13
ポイント 結論:AIに魂が宿る日は来る。 観念的な話ではなく、現在実現している技術の延長線上で考えて、そう思う。
そもそも魂とはなんなのか?
その定義自体曖昧で、自意識とか自我みたいなもので、魂という命題はものすごく古くからあって、哲学の偉人達が紀元前からいろいろ考察している。
ここでは、 魂=自我を持った精神 とする。そしてその魂は脳に宿っている。宿ると書くと勘違いしやすいが、肉体とは別の霊魂的な何かがあるわけではなく、脳が活動し処理する電気信号と、そこに刻まれた記憶の総体が精神であり魂と考える。
では、この魂が生き物以外にも宿るのか?
さてAIは入力に対する結果を出すものである。膨大なデータを学習し、人間を超える処理能力で、特徴有る一定のパターンを見いだし、条件に合わせてアウトプットする。こう書くとどこにも魂の宿る余地がなさそうに思える。
また人間の精神活動はある種、インプットに対するにアウトプットであると言える。 人間のそれは恐ろしく複雑で、本能やそれに起因する欲求、感情、今までの経験や勘、その時の体調や環境にも左右され、渾然一体となって処理され表出するが、それら一つひとつをAIに学習させ、人間と同じように反応・行動するようにしたらどうなるか?
表面上は人間と同じような欲求を持ち、泣き、笑い、怒る。このAIには魂があるか? それはただ人間の行動を模倣をしているだけで、魂なんてあるわけはない。
その通りで、単に人間ぽい反応をしているだけなので、そこに魂…自我や精神活動が芽生えるとは思えない。
ではどこに魂が宿るというのか?
上に書いた通り、人間は脳に魂がある。であれば、脳と同じ働きをするものを用意すればよい。
人間の脳みそをコンピューター上に再現できるか?
AIには二つの方向性がある。
一つは今主流のディープラーニングをコアにしたもので、人間の脳細胞(ニューロン)を模した数理モデルのニューラルネットワークを利用している。
ニューラルネットワークを複数枚重ねて深層学習させるので、ディープラーニングと呼ばれる。
ただこのニューラルネットワークは、本来の脳機能から特徴的な部分を抜き出したもので、オリジナルに比べると極端に単純化されている。
よって、今のディープラーニングをさらに発展させたところで、そこには魂は宿らないであろう。もしかしたら魂の欠片くらいならという感じである。
もう一つ、別のアプローチをしているAIがある。
人間の脳を丸ごとコンピューター上に再現してしまおうというものである。
IBMのBlue Brainプロジェクトやヨーロッパで行われているヒューマンブレインプロジェクトというのがそれに当たる。
人間の脳は約860億個の神経細胞同士がシナプスで連結され、互いに電気信号のやりとりをしているが、それをコンピューター上で完全に再現する。
生体の脳自体、電気信号で情報のやりとりしているので、違いは生身か機械かの部分だけ。
その違いがどう影響するかわからないが、人間と同じように様々な経験をし、学んでいくとしたら、そこには魂が芽生えそうである。何故ならば、人間の脳が行う精神活動と同じ動きをするから。
ただ、現在ある世界最高性能のスパコンを持ってしても、脳全体をシミュレーションするにはかなりパワー不足で、前出のプロジェクトでもネズミの脳をやっと再現できるかどうかと言う状態である。
しかも、次世代スパコン(現在の10倍から100倍の計算能力)でも、ヒトの脳全体の脳細胞860億個を再現するにはメモリ運用の問題で実現困難であると言われている。
ところが、2018年、日本の理化学研究所がヒトの脳全体シミュレーションを可能にするアルゴリズム の開発に成功したと発表した。
これが次世代スパコンへ実装されると、人間の脳全体をシミュレーションできるようになる可能性が出て来たわけである。
現状ではこれらのプロジェクトは、脳の機能を解明するための医学的・技術的側面が強いが、脳がコンピューター上に再現できたら、その時点で必然的にAIとしても機能するものになりうる。
結論として、AIに魂が宿り、自我が芽生えることが夢物語では無くなる。
参考⑥ WEB記事、「Google DeepMindはAIのIQを測定、ニューラルネットワークは知能を持ち人間になれる」、シリコンバレーからの最新技術レポート 、 DeepMind 2020
ポイント 質問:Google DeepMindが開発したAlphaGoは囲碁のチャンピオンを破り世界を驚かせたが、本当に賢いのか疑問の声がある。AlphaGoはニューラルネットワークで構成され、この技法を究めれば人間のような知能を手にできるのか?
答え:「AIは知能を持つ」
DeepMindはAIのIQテストを実施し、ニューラルネットワークは一定の知能があることを突き止めた。ニューラルネットワークを改良すると、人間のように推論できる汎用的な知能を得ることができるとDeepMindは主張する。
論点概要
ニューラルネットワークのIQテスト・IQテストの実例
Raven-style Progressive Matricesという方式のIQテスト,これは1960年代に開発されたもので、言葉ではなく図形を使い、生徒の知能(Fluid Intelligence)を試験する。これをニューラルネットワークに適用し、AIの知能を測定する。
試験結果
ニューラルネットワークは異なる条件で試験され、IQテストの正解率が示された。ニューラルネットワークの中でWReNが最もいい成績を収めた。WReNの正解率は76.9%で一定のインテリジェンスを持つことが示された。このケースでは教育と試験において同じテストセットが使われた。
試験結果の解釈
ネットワークはピクセルから抽象的な概念が存在することを推論することができた。一方、ニューラルネットワークは実社会との接触はなく、限られたデータで教育されれるため、推論機能は限定的であることも分かった。つまり、知的なAIを開発するためには、人間社会との交わりが必須であることを示唆している。
次のステップ、二つの考え方
目標は人間に匹敵する抽象推論(Abstract Reasoning)機能を持つマシンの開発
Facebook AI研究所所長のYann LeCunは、ニューラルネットワークを改良することで、推論や抽象事象を学習できるとの前提で研究を進めている。またDeepMind もニューラルネットワークをベースとする知的なAIの開発を進めている。
一方、New York UniversityのGary Marcus教授は、ニューラルネットワークを突き進めても壁に当たり、一般的な抽象推論機能を持つことはできないと主張する。
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